レーニンの闘いを継承しよう 戦争阻止、ゼネスト・革命へ 国家権力の治安弾圧うち破る強固な非合法・非公然体制を

週刊『前進』04頁(2913号03面01)(2018/02/05)


レーニンの闘いを継承しよう
 戦争阻止、ゼネスト・革命へ
 国家権力の治安弾圧うち破る強固な非合法・非公然体制を


 『前進』新年号で、帝国主義の矛盾が改憲・朝鮮侵略戦争として現れる中、第1次世界大戦と対決しロシア革命を勝利に導いたレーニンの闘いを現代に全面的に適用し、プロレタリア革命へ向かうことを課題として鮮明に打ち出した。そして、①闘う労働組合・学生自治会の拠点建設、②国際連帯闘争、③戦時下の弾圧をはね返す非合法・非公然体制をもった革命党の建設、の三つの戦場で闘うことを提起した。これら三つは不可分の課題である。非合法・非公然体制建設は労働者階級自身の課題であり、戦争絶対反対を貫き、労働組合がゼネストで闘う土台だからだ。戦時下の階級闘争に勝ち抜くための不可欠の闘いだ。「労働運動のできる地区党」への飛躍と一体で、非合法・非公然体制を強固に建設しよう。

共謀罪攻撃を打ち砕こう

 18年決戦は、安倍政権による朝鮮侵略戦争と改憲との戦後最大の階級決戦だ。これは体制の存亡をかけた絶望的な攻撃であり、なりふり構わぬ治安弾圧攻撃との激突に勝ち抜くためにも、共謀罪=「現代の治安維持法」を労働者階級の総力で粉砕しよう。
 共謀罪は組織的団結を罪とし、何よりも労働運動を壊滅するための攻撃だ。しかも実行行為がなくても「共謀」をもって罪とし、そうであるがゆえに事前弾圧を拡大し、でっち上げを常套(じょうとう)手段とする公安警察にフリーハンドを与えるものだ。
 昨年の闘う労働者人民への一連の弾圧は、日常的活動を対象とし、逮捕・勾留自体を目的に反原発闘争や労働組合運動の威圧と分断、壊滅を狙った攻撃だった。そこには「事件が起きたから捜査する」のではなく、監視、尾行、盗聴など卑劣な手段を駆使して弾圧の口実をつくりだすという捜査手法の大転換がある。
 こうした攻撃に勝ち抜く力は、どんな弾圧に対しても完全黙秘・非転向で真っ向から立ち向かい不屈に闘うことだ。同時に、弾圧を許さない非合法・非公然体制の建設が絶対に必要だ。
 何よりも、大坂正明同志の闘いがそのことを示している。昨年5月、71年渋谷闘争での「殺人罪」による逮捕・起訴でっち上げの大弾圧が強行された。しかし、敢然と闘い抜いた大坂同志は勝利感にあふれて語っている。「46年間の指名手配攻撃を非合法・非公然体制を築きつつ、勝利的に闘ってきました。私の逮捕によって、その勝利性を否定したり、消し去ったりすることはできません。これを真の勝利とするためには、非合法・非公然部門が培ってきた精神、活動の基本的技術などを若き仲間たちが継承し、革命情勢にみあった本格的な非合法・非公然体制を築いていく必要があります」(獄中からの新年メッセージ)と。
 労働者階級の力で守られてきた大坂同志の存在は、国家権力にはより一層の恐怖を突きつけ、労働者人民には階級的力の底深さを照らし出した。46年という時間の大きさと星野文昭同志の不屈の闘いが、でっち上げのすべてを暴く新たな段階を押し開いている。大坂同志の裁判闘争は、必ず星野無実を明らかにする。星野・大坂同志、そして全獄中同志を奪還しよう。

階級と深く結合する闘い

 非合法・非公然体制の建設は階級闘争の普遍的課題であり、戦争を阻止しプロレタリア革命を実現するために絶対に必要な闘いだ。
 第1次大戦下のレーニンとボリシェビキは、この闘いを通して労働者と結びつき、1917年ロシア革命の勝利に突き進んだ。
 「戦争がはじまるとすぐ、ツァーリ政府は、わが非合法のロシア社会民主労働党の党員である何千何万もの先進的な労働者を逮捕し、流刑に処した。この事情は、国内での戒厳の施行、われわれの新聞の禁止、等々とあいまって、運動を阻止した。しかし、わが党の非合法の革命的活動は、それでもなおつづいている。ペトログラードでは、わが党の委員会は、非合法新聞『プロレタールスキー・ゴーロス』を発行している」「国外で発行されている中央機関紙『ソツィアル―デモクラート』の諸論文は、ペトログラードで復刻され、地方におくられている。非合法の宣伝ビラがだされて、兵営にもまかれている。都市の郊外のいろいろなひきこもった場所で、非合法の労働者集会がおこなわれている」(レーニン『社会主義と戦争』)
 この第1次大戦下の闘いの土台になったのは、①戦前の合法日刊紙『プラウダ』(戦争突入とともに発行禁止)などによって職場での労働者との結びつきを強化してきたこと、②それにより指導部と運動を支える膨大な数の協力者が存在していたことだ。そして③機関紙の受任者網(配布網)建設は決定的役割を果たし、④非合法下でも活動できる訓練された革命家の存在がその基礎にあった。
 機関紙活動と一体で労働者階級と深く結合するための闘いこそ、非合法・非公然体制建設だったのだ。

弾圧に勝ち抜いてきた党

 革共同は国鉄決戦の党であり、弾圧に勝ち抜いてきた党であり、50年にわたって非合法・非公然体制を堅持してきた党だ。
 その対極に、合法主義に転落してきた日本共産党スターリン主義がある。日共の合法主義とは、戦前の幹部の「獄中転向声明」に示された弾圧と戦争への総屈服だ。そして、戦後革命を「米占領軍=解放軍」規定とゼネスト圧殺で敗北に導いたばかりか、当局に全党員の名簿を提出して50年朝鮮戦争情勢下での「レッドパージ」(職場からの活動家の一掃)の道を開いた。
 これを原点に、戦後一貫して口先では「戦争反対」「労働者の権利」などと言いながら労働者の団結した力を否定し、帝国主義国家権力への屈服を強制する最悪の役割を果たしてきた。その行き着いた姿が「国民連合政府」構想による安保・米軍基地・自衛隊・武力行使・天皇制の容認だ。
 革共同は、70年安保・沖縄闘争の爆発に「革命の現実性」をみて震え上がった国家権力の破防法攻撃と、これと一体となったファシスト・カクマルによる白色テロルに対して、一歩も引かず革命的内戦として闘い勝ち抜いてきた。これまでの経験の一切が、本格的な戦時下の階級決戦を闘い抜くための戦略的な準備であったと言える。すべてを継承し発展させて闘おう。

一切のかぎは地区党建設

 改めて、非合法・非公然体制の建設とは何か。
 ①労働者階級が自らの力で党と労働組合を建設し、指導部を守り抜く闘いである。それは戦争を絶対に阻止する闘いであり、ゼネストを実現する力だ。71年の沖縄全島ゼネストも、ハンサンギュン前委員長を獄に奪われながら闘う韓国・民主労総のゼネストも、第2第3の指導部を準備して闘われた。それは労働者階級の歴史的経験として刻まれており、真剣に闘うものにとって当然のことだ。
 ②戦時下の治安弾圧体制を打ち破り、国家権力に掌握されない自由な空間を切り開くことだ。監視、尾行、盗聴、情報収集によるガラス張り化、前進社や労働組合拠点への家宅捜索などの攻撃を打ち破り、運動と組織を守り抜くことだ。
 ③革命党は本質的に非合法である。戦時下においては、階級的団結の一切を敵視し違法とし、取り締まりの対象とすることは、戦前の治安維持法を見れば明らかだ。資本家・国家権力と労働者階級とは非和解だ。一切は力関係で決まる。「戦争法でも成立すれば従う」という日共のような屈服を拒否し、階級的団結の拡大にかけて闘おう。
 ④非合法・非公然体制をもった党の建設とは、非合法・非公然的形態と合法的・公然的形態の結合としてある。党と労働者階級との結合強化のために、どんな合法的空間も明け渡さず拡大し、労働組合・学生自治会運動の発展へ徹底的に闘い抜く。非合法・非公然体制建設とは決して階級闘争から隔離された「地下」に「潜む」ことではなく、労働者階級との深い結合をかちとるための闘いだ。
 ⑤非合法・非公然体制建設は、1千万人との結合の闘いだ。帝国主義の最末期的危機が生み出す腐敗、極限的搾取・収奪、差別・抑圧、戦争に対して沸きあがる不満、憤激、怒りと結びつき、階級的団結を組織していく闘いだ。非合法・非公然体制を支える闘いは労働者階級の自己解放的決起の開始であり、エネルギーの発露なのだ。
 ⑥非合法・非公然体制建設と機関紙活動は不可分一体だ。『前進』の10万人読者網を建設しよう。
 ⑦国家権力中枢と闘い抜く地区党建設こそ一切の土台だ。地区党が革命の課題、階級闘争の課題のすべてに責任をとりきる。労組の拠点建設を軸に、職場、キャンパス、地域(居住)、あらゆる戦線の闘いを推し進めていく。どんな弾圧にも揺らぐことのない、地区全体に根を張った組織を建設する。そのためにも、地区党の力で非合法・非公然体制を縦横無尽に切り開くことだ。
 世界戦争をプロレタリア世界革命へ! 闘う労働運動をよみがえらせ、国境を越えて団結し、真の労働者党を建設して歴史的決戦に勝利しよう。
〔井村和久〕
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