三里塚耕作権裁判 文書隠しのNAAを追及

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週刊『前進』04頁(2919号03面04)(2018/02/26)


三里塚耕作権裁判
 文書隠しのNAAを追及


 2月19日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で天神峰・市東孝雄さんの耕作権裁判が開かれた。
 開廷に先立ち、三里塚芝山連合空港反対同盟と支援の110人は千葉市中央公園で総決起集会を開いた。
 最初に伊藤信晴さんが発言に立った。「NAA(成田空港会社)は市東さんを〝不法耕作者〟として提訴したが、自分たちに不利な文書を黒塗りにし、あるいは隠し続けている。住民の騒音への怒りは一層高まっている。空港機能強化を空港もろとも粉砕しよう」
 続いて動労千葉の田中康宏委員長が連帯発言を行った。「房総半島から新自由主義と対決する大反乱が始まろうとしている。安倍の改憲と戦争を阻止するため、すべての闘いを再組織しよう」
 デモの最先頭に市東さんが立ち、宣伝カーからは婦人行動隊の宮本麻子さんが「農地取り上げを許さない」とアピールを響かせて千葉地裁に迫った。
 千葉地裁では13日から、入館者全員に対する検問・手荷物検査が始められていた。怒りと抗議の声が上がり、ロビーは大混乱状態に陥った。開廷すると反対同盟顧問弁護団はこの手荷物検査強制に徹底抗議した。
 弁護団はすでに、大部分が墨塗りされた形で開示された証拠(乙85)を含め、空港公団(NAAの前身)と旧地主、さらに小作者各人との用地買収の交渉記録をすべて明らかにするよう文書提出命令申立を行っている。今回はそれを補充する形で、関連する調査書・報告書などのあらゆる文書提出を厳しく求めた。
 NAA代理人の和田衛(元東京地検検事)は「文書は見つからなかった」と繰り返し、「文書作成者はすでに死亡しているのでわからない」と言い放った。これには市東さんが怒り、「死んでも記録は残っているだろう!」と弾劾した。
 千葉県弁護士会館での報告集会では市東さんが、「NAAは裁判長にまかせきり、裁判所は早く裁判を終わらせたいという態度が見え見えです。毎回の裁判で今日以上に追及しましょう」と一同に奮起を促した。続いて葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団全員が発言し、NAAの文書隠しと地裁の手荷物検査強行を批判。さらに請求異議裁判をめぐる千葉地裁民事第5部との折衝を報告し、証人調べについて高瀬順久裁判長が不当な圧力をかけてきていることを明らかにした。
 太郎良陽一さんは現地情勢の報告を行い、28日の「4者協議会」で空港周辺9市町が空港機能強化案の最終的受け入れを決定しようとしていることを暴露。そして住民の怒りと結びつく3・4芝山縦断デモと3・8請求異議裁判への結集を熱を込めて訴えた。

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◎団結街道裁判 千葉地裁
 2月27日(火) 午後1時30分開廷

空港機能強化案粉砕・第3滑走路阻止!
3・4芝山現地闘争
 3月4日(日)午後0時30分
 三里塚野戦病院(千葉県山武郡芝山町朝倉字山王台460番2)集合、芝山町役場までデモ

3・8請求異議裁判・千葉市内デモ
 3月8日(木)
 午前9時 千葉市中央公園集合
 10時30分開廷 千葉地裁

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