韓国・旭支会が日本遠征 〝旭硝子は解雇を撤回せよ〟

週刊『前進』02頁(2920号02面03)(2018/03/01)


韓国・旭支会が日本遠征
 〝旭硝子は解雇を撤回せよ〟

(写真 旭硝子本社前で訴えるナムギウン首席副支会長【23日 東京・丸の内】)

(写真 厚労省で記者会見。左からソンドンジュさん、ナムギウンさん、チャンミョンジュさん【2月23日】)

(写真 京浜工場前での情宣には大きな注目が集まった【22日 横浜市鶴見区】)


 2月21日、韓国・民主労総の金属労組クミ(亀尾)支部旭非正規職支会が、組合結成直後の2015年7月に続き、2回目の日本遠征闘争にやってきました。参加メンバーはナムギウン首席副支会長、ソンドンジュ文化体育部長、チャンミョンジュ調査統計部長の3人です。非正規職撤廃を掲げて不屈に闘いぬく旭非正規職の仲間と団結し、3月2日の支援・連帯集会(午後6時、東京・江東区文化センター)、7日の国会前行動・記者会見に集まりましょう!

大量解雇と闘い2年半団結守る

 ガラス業界世界トップの日本企業・旭硝子は2005年、土地の50年間無償貸与や税の免除という破格の特恵を得て韓国に進出。韓国法人・旭硝子ファインテクノコリアは労働者に最低賃金で週70時間もの長時間労働を強制して巨額の利益を上げてきました。
 これに対して、15年に社内下請け業者GTSで労働組合が結成されると、旭硝子は直ちにGTSとの請負契約を解除し、メール1本で178人全員を解雇しました。
 2年半にわたって団結を守り抜いてきた旭非正規職支会は、非正規職撤廃闘争の不抜の拠点へと発展。昨年4〜5月には、整理解雇撤廃・非正規職撤廃などを掲げて高空籠城(ろうじょう)闘争に立ちました。韓国政府による178人全員の直接雇用を求める是正命令にも従わない資本に対し、あくまで復職を求めて闘い抜いています。

動労千葉と共に本社に抗議行動

 23日、動労千葉をはじめ、合同・一般労組全国協、東京中部ユニオン、東京西部ユニオン、東京西部労組交流センター、群馬合同労組などが集まり、旭非正規職支会の仲間とともに東京・丸の内にある旭硝子本社を訪問しました。
 登場した総務部の人物は横柄な態度で「その件は2年前(旭支会の第1回日本遠征闘争)に聞いた。対応はしない」と述べ、恥知らずにもすぐさま立ち去ろうとしました。「当時と状況がまったく変わらないから来たんだ!」「直接雇用命令を無視するな!」と、旭支会の3人を先頭に徹底抗議するも、彼は一切反論できずに逃亡。怒りを新たに、直ちにビル前での情宣活動に入りました。
 ナムギウン首席副支会長に続き、動労千葉組合員の北村武さんは「私も非正規職で働いています。皆さんのお子さんやお孫さん、非正規で働いていませんか? 労働者がこんなでたらめな扱いをされているようでは、この社会に未来はありません。旭硝子に絶対に責任をとらせなければいけません」と訴えました。参加した仲間が、一人ひとりの労働者の生活や人生、仕事に対する誇りをとことんないがしろにする旭硝子資本への怒りを爆発させ次々とマイクを握りました。
 なお、韓国でも同時刻に、旭硝子資本への責任を追及しない検察に対する抗議が行われ、この日の闘いは日韓統一行動として実現されました。
 引き続き、厚生労働省で記者会見を行いました。
 ナムギウン首席副支会長は、「9年間最低賃金だけで働き、正月やお盆には故郷にも帰れませんでした。昼食時間になると20分でご飯を食べてあたふたとまた現場に戻り、休むこともできず機械のように働きました。ささいなミスも始末書を書かせ、侮辱的な赤いベストを着せる、非人権的な懲罰に耐えなければなりませんでした」「韓国で旭硝子が得た〝輝かしい〟収益は、外国企業に対する特恵と、低賃金と劣悪な労働条件に耐えながら働いた労働者がいたことにより可能となったのです」と述べ、旭硝子資本に対して、解雇された労働者と直接交渉を行い、直ちに雇用を保障するよう求めました。

京浜工場門前で働く仲間に訴え

 22日には、横浜市鶴見区の旭硝子京浜工場前で情宣行動を行いました。湘北合同労組、合同労組かながわと婦人民主クラブ全国協議会の仲間も駆けつけ、20人超の行動となりました。みぞれ交じりの冷たい雨が降る中でも注目は大きく、作業服の労働者たちが受け取ったビラに目を通しながら入構していきました。
 続いて、旭硝子労組京浜支部に支援を要請しようと工場の受付を訪ねると、「労務担当の総務」を名乗る人物が登場。「労組支部長は不在」「とりつぐことはできない」の一点張りです。ナムギウン首席副支会長が解雇者復職と労組弾圧の中止、会社の誠実な対応を求め、申入書を読み上げました。
(佐々木舜)

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