全国から成田市(栗山公園)に結集を 市東さんの農地強奪許すな

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週刊『前進』04頁(2925号03面02)(2018/03/19)


全国から成田市(栗山公園)に結集を
 市東さんの農地強奪許すな

(写真 反対同盟を先頭に「農地死守」の決意も固く、激しい雨を突いて千葉地裁へ向けてデモ【3月8日 千葉市】)

 4・1全国集会は、請求異議裁判早期結審を打ち砕き、第3滑走路建設=成田空港機能強化攻撃との全面対決を宣言する決定的な闘争となった。半世紀を超えて不屈の歴史を刻む反対同盟とともに、全力で立ち上がる時だ。

住民圧殺の4者協最終合意

 3月8日、農地法裁判の上告棄却から1年以上にわたって天神峰・市東孝雄さんの農地強奪強制執行を阻んできた請求異議裁判で、千葉地裁の高瀬順久裁判長(民事第5部)は、次回と次々回の人証調べで審理を打ちきり、7月17日を最終弁論とするスケジュールを市東さんと弁護団に示した。とんでもない早期結審策動であり、断じて認めることはできない。市東さんが耕す農地の一部を「不法耕作」として成田空港会社(NAA)が明け渡しを求めている耕作権裁判の一審も終わっておらず、審理終結を急ぐ理由はない。まさに三里塚つぶしを狙う国家意志の表れだ。安倍の改憲スケジュールと一体の農地取り上げ攻撃を許すな。
 3月13日には、4者協議会(国・NAA・県・9市町の首長)が開かれ、成田空港機能強化案(①第3滑走路建設、②早朝5時から深夜0時半までの飛行時間の延長、③B滑走路の1000㍍延伸)の最終合意が行われた。地元住民の声を踏みにじる断じて許せない暴挙だ。

トランプ・安倍の戦争を阻もう

 市東さん農地決戦・空港粉砕の闘いは、いよいよこれからが正念場だ。
 米帝トランプは核の先制使用も辞さないと宣言し、安倍政権と一体で朝鮮半島における戦争準備を進めている。米帝を基軸とした戦後支配体制の崩壊的危機のもとで、保護主義と貿易・為替戦争、帝国主義間・大国間争闘戦が激化している。世界核戦争の危機が迫る中、反戦の砦(とりで)=三里塚が再び歴史の前面に立つ時が来た。
 国策と対決し労農連帯・国際連帯で闘ってきた三里塚闘争陣形の拡大・強化こそ、戦争を阻む道だ。3・25改憲阻止集会と一体で、青年・学生を先頭に三里塚への決起を大胆に呼びかけよう。

「空港絶対反対」で立つ時だ

 軍事転用が可能な4千㍍級の滑走路を持つ24時間稼働の巨大空港建設は、日帝が帝国主義として参戦するために不可欠の課題だ。
 安倍は今年1月の施政方針演説で、「羽田・成田の容量を世界最高水準の年間発着100万回に」「2020年までに8万回の発着枠拡大を実現」とぶち上げた。しかし、デタラメな航空需要予測に基づく野放図な拡張計画は、必ず破綻する。真っ先に犠牲にされるのが周辺住民だ。暫定開港から40年、地元市町はさびれ、空港マネーに大きく依存させられている。
 この現実を無視して国とNAAはさらなる空港拡張へと突き進もうとしている。自然を大規模に破壊し、村の共同性を解体し、生命維持に不可欠な睡眠時間まで奪おうとするNAAへの怒りは、首長が屈服しようが必ず爆発する。「われわれは空港とともに死ぬわけにはいかない」。これが住民説明会での圧倒的多数の声だ。反対同盟が貫いてきた「一切の話し合い拒否=絶対反対」こそ地域住民の命と未来を守る道だ。
 JR東労組の組合員大量脱退に見られるように、国家・資本と折り合いをつける既成の運動は崩壊を始めた。国鉄闘争30年、三里塚闘争52年の不屈の闘いが今ここに存在することが決定的だ。「空港絶対反対」の旗を高く掲げ、第3滑走路建設を粉砕しよう。

〝農地はわが命〟誇りかけた闘い

 市東さんや萩原さんが実践している、完全無農薬有機野菜を露地栽培で安定的に作りつづける努力は並大抵のものではない。かつて北富士忍草(しぼくさ)母の会が「ビロードのような土」と表現した豊かな土づくりに始まり、自然と呼吸しながらの作付け、草取り、収穫、出荷……。安全・安心なおいしい野菜を消費者に届けることを喜びと生きがいとし、農民の誇りを貫く生き方は、「今だけ、金だけ、自分だけ」の安倍農政の対極にある。
 援農に駆けつけ、農民の命である農地を守り抜き、食と農業を奪い返す闘いに学び連帯しよう。全国農民会議と連帯し、日本農民の怒りを組織しよう。

労農連帯こそ勝利への底力

 「三里塚を勝利させてきた核心的な力は労農連帯にある」(故萩原進事務局次長)
 労働者は鉄路を武器に、農民は農地を武器に、命を運ぶ労働者と命の糧を育む農民が固く手を携え国家・資本と闘ってきたのが三里塚闘争だ。動労千葉は1970〜80年代、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争で多くの組合員の首を切られながらも、反対同盟との労農連帯を貫いた。働く者、耕す者の誇りにかけて、「戦争は許さない、安全破壊は許さない」と闘い続けてきた動労千葉・反対同盟を軸とする労農連帯を、今こそ全労働者・青年・学生へと押し広げよう。
 労働者と農民は社会の生産を担っているにもかかわらず、資本がもうける限りにおいてしか生きることを許されない厳しい現実に置かれている。三里塚を闘う労働組合・学生自治会の圧倒的登場こそが、その現実を変え、労働者・農民が主人公の社会をつくる道だ。

仲間を誘い現地に駆けつけよう

 反対同盟は昨年、決戦本部を立ち上げ、天神峰カフェや現地調査、天神峰樫(かし)の木まつりなどを実践し、現地への結集を呼びかけてきた。これに応えて、動労総連合の青年をはじめ福島や茨城の「農地を守る会」、学生、韓国やドイツの人びとなど多くの仲間が来訪した。そして新鮮な驚きをもって、国策に屈せず闘い続ける姿に共感し、勇気と勝利への展望を得て、自らの職場・地域での闘いに決起している。
 恒常的な三里塚現地への結集運動をさらに豊かに広げよう。
 4・1成田市栗山公園に三里塚を闘う労働組合・学生自治会の旗を林立させる大結集をかちとろう!
〔土屋栄作〕
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