三里塚4・1集会へ 4者協最終合意を弾劾する 移転強制と騒音で生活を破壊

発行日:

週刊『前進』04頁(2927号03面01)(2018/03/26)


三里塚4・1集会へ
 4者協最終合意を弾劾する
 移転強制と騒音で生活を破壊


 3月13日、成田空港「機能強化」をめぐる4者協議会(国土交通省、成田空港会社=NAA、千葉県、周辺9市町)が開かれ、「最終合意」したと発表された。住民生活を問答無用に踏みにじるこの暴挙を徹底的に弾劾する。
 機能強化とは、①第3滑走路建設、②B滑走路1千㍍延伸、③夜間・早朝の飛行制限の大幅緩和、の三つで、NAA社長・夏目誠は「空港の国際競争力の確保と、住民の生活環境の保全の両立を図った」などと吹聴している。
 ふざけるな! 第3滑走路=C滑走路は、芝山町南部の広大な地域に農地・山林・水系などを大規模に破壊しながら3500㍍の巨大滑走路を建設するというもので、敷地に直接かかる200戸(うち芝山町150戸)、騒音被害を合わせると1240戸の住民が移転を強要される。空港全体の敷地は1千㌶拡大され、2400㌶となる。
 そして現在午前6時〜午後11時に制限されている飛行時間を見直し、Cの供用後に滑走路別に運用時間を採用する「スライド運用」を導入する。すなわち午前5時〜午後10時の「早番」と、午前7時30分〜深夜0時30分の「遅番」に分けるという。(図参照)。
 これで滑走路ごとに7時間の静穏時間を確保したというのだが、まったくのインチキだ。実際には空港全体では、午前5時〜深夜0時30分まで離着陸が続き、飛ばない時間はたった4時間半。特にAとCの延長線にはさまれた「谷間地域」では、双方から19時間半騒音を浴び続ける。またC供用に先立ち、2020年東京五輪までにA滑走路の夜間運用時間を深夜0時まで1時間延長するという。
 空港の都合に合わせて寝起きしろというのか! 強化策全体が、空港周辺住民の生活をとてつもない規模で破壊する攻撃だ!
 だがこの「最終合意」は敵の危機とあせりの表明だ。暫定開港から40年、「空港との共生」のかけ声もむなしく、成田がもたらしたものは農村の分断と衰退、人口減、騒音地獄と落下物被害、行政の空港マネー依存体質だった。
 反対同盟が地道に一斉行動を重ねて強化策の正体を暴いてきたことが決定的だった。これに励まされ、首長や町当局の屈服をのりこえて住民が続々と反対の声を上げている。
 NAAは「200回の説明会を開き、のべ9千人にていねいに説明した」と言うが、説明会は回を重ねるごとに住民の抗議と怒りが激化し、利権にあずかる一部以外に強化策を受け入れる住民など誰一人いない。
 強化策は危機に立つ日帝・安倍政権の戦争・改憲攻撃、地方切り捨てと一体の攻撃であり、巨大軍事空港建設そのものだ。天神峰の市東孝雄さんが不当卑劣な農地強奪攻撃と日々対決していることは、闘いの正義を体現している。
 住民の怒りと結び、機能強化策を空港もろとも粉砕しよう! 反対同盟の呼びかけに応え、4・1全国総決起集会(1面に要項)に大結集しよう。

このエントリーをはてなブックマークに追加