鈴コンが解雇撤回の完全勝利 団結を守り抜けば労働者は勝てる

週刊『前進』04頁(2927号03面05)(2018/03/26)


鈴コンが解雇撤回の完全勝利
 団結を守り抜けば労働者は勝てる

(写真 鈴コン闘争支援・連帯共闘会議第6回総会で故田口組合員の遺影とともに登壇し、解雇撤回闘争の完全勝利まで不屈に闘う決意を表明する鈴コン分会員【昨年7月16日 東京・秋葉原】)


 東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会が3月12日、中央労働委員会において故田口守組合員の解雇撤回をかちとりました。鈴コン分会の勝利声明を抜粋して紹介します。(編集局)

激闘の3044日(8年4カ月)。遂に、故田口組合員の不当解雇を撤回しました。
 第一次争議に完全勝利決着をかちとりました。鈴コン分会は、新たな第二ステージを「非正規職撤廃」の闘いの先頭で闘います
 一般合同労働組合東京西部ユニオン執行委員長 吉本伸幸/同鈴木コンクリート工業分会分会長 鈴木善弘

 ついに、長期にわたった鈴コン第一次争議が完全な勝利決着を勝ち取りました。
 去る3月12日、中央労働委員会において、有限会社東豊商事と当組合は、中労委による「和解勧告」を「受諾し、和解の認定を申し立てる」という形で決着し、全面的な勝利の解決をしたことを報告します。
 この中労委の「勧告」は、会社が2015年8月26日並びに2017年11月29日の都労委の「命令」を不服とし、中労委に再審査申し立てをしたことに対するものです。この都労委の「命令」の内容は7項目です。〔詳細略。概要は、故田口守組合員に対する09年11月の雇い止め解雇の撤回と未払い賃金の支払い、スト・組合活動に対する処分の撤回、不当労働行為の認定など:編集局注〕
 会社はこの全てを不服とし再審査請求を申し立てました。しかし全ての内容で、中労委「和解勧告」により組合側の「全面勝利」の解決に至りました。争議の中心となった田口守組合員の09年11月10日の不当解雇から実に3044日(8年4カ月)の闘いでした。
 この長期の闘いの過程で田口守組合員の逝去、組合員5名のストライキ、出勤停止処分、3名の雇止め解雇、裁判闘争、3年後の3名の職場復帰という激しい攻防を繰り返した上での完全な勝利決着となりました。この長期の闘いを組合は団結を崩さずに勝ち抜くことができました。
 この勝利は何よりも、全日建関西生コン支部の組織をあげたご支援と激励、動労千葉、動労水戸の皆さんの熱いご支援と激励、花輪不二男さんはじめ支援・連帯共闘会議の呼びかけ人の諸先輩の方々、全国の仲間の皆さんによる熱いご支援と激励によってもたらされた勝利です。心より感謝と御礼を申し述べます。
 私たちは、いかなる苦難にも、職場の仲間との団結を守り抜くことで勝利出来ることを立証しました。今後も、田口守組合員の無念を絶対に忘れません。「受けた支援を運動で返す」原則を絶対に貫きます。
 鈴コン分会の職場闘争が意気高く始まっています。第二ステージは「非正規職撤廃」の闘いです。生コン産業の最重要業務は、ミキサー車運転手が担っています。ところが鈴コンでは日給制の「臨時労働者(アルバイト)」なのです。鈴コンの闘いは、当初から「俺たちは奴隷じゃない」という根底的な怒りの闘いです。私たちは非正規撤廃の闘いの先頭で闘います。労働者階級としての誇りにかけて、「義理と人情」にあふれる新しい労働者の社会をつくるために、全国に労働組合を甦らせる仲間達と共に、東京の先頭で闘うことを誓います。「非正規が闘って勝った」という大運動をつくりましょう。
 私たちは今後ますます鈴コンパワーを発揮して闘います。共に闘い、勝利しましょう。
 2018年3月20日

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鈴木コンクリート工業分会 生コン運転手の非正規職労働者がつくった労働組合。職場は東京都板橋区。3カ月雇用で劣悪な職場を改善するために09年に分会を結成。田口組合員(11年8月に急逝)の解雇撤回を貫いて闘う。11年、ストに対し分会3役が雇い止め解雇されるが、14年に解雇を撤回させ原職復帰。15年には都労委で田口解雇無効の勝利命令をかちとる。

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