オスプレイ配備許すな 横田が米軍の出撃拠点に 日米安保体制粉砕へ闘おう

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週刊『前進』04頁(2933号03面01)(2018/04/16)


オスプレイ配備許すな
 横田が米軍の出撃拠点に
 日米安保体制粉砕へ闘おう

(写真 16年12月にもオスプレイは沖縄県名護市の海岸線に墜落・大破した )


 「首相案件」などと書かれた愛媛県職員作成の記録文書が発見されたことで、加計学園疑獄に関する国会答弁がすべて虚偽だったことが明らかとなり、安倍はついに言い逃れのできない窮地へと追い込まれた。だが安倍はあくまでも政権の座にしがみつき、改憲策動と並行して米軍・自衛隊の一体化と朝鮮戦争への準備を進めようとしている。4月3日に突如発表された米軍横田基地(東京都福生市など)への輸送機CV22オスプレイ配備の前倒しはその最たるものだ。

命と生活踏みにじる暴挙

 4日、米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ5機が横浜ノースドック(神奈川県横浜市)に陸揚げされ、5日に横田基地へ飛来した。今後2〜3カ月の訓練を経て夏に正式配備する計画だという。
 米軍はこれまで同基地へのオスプレイ配備は2019年10月以降としていたが、先月16日に突如配備の前倒しを日本政府に通告。「こちらから連絡するまで日本国内への公表は控えてほしい」との米側からの要請を受け、安倍政権がこれを公表したのは実際にオスプレイが飛来する2日前の4月3日だった。18日間も情報を隠し続け、住民団体から問い合わせを受けても「情報がない」などとしらばっくれていたのである。
 しかも横田基地に配備予定の空軍機CV22は、同じオスプレイでも普天間基地(沖縄県宜野湾市)に配備された海兵隊機MV22よりもさらに事故率が高い。特殊作戦部隊の輸送を主任務とし、夜間飛行能力やレーダー探知能力など、複雑な地形を確認しながら低空飛行する能力がMV22よりも高いとされる。米軍が朝鮮侵略戦争で「斬首作戦」(キムジョンウン暗殺作戦)を実行するために欠かせない輸送機なのだ。
 今後、このような特殊作戦を想定した戦争訓練を行いながら、陸上自衛隊のオスプレイ暫定配備候補地とされる木更津駐屯地(千葉県木更津市)を米軍機の整備拠点としても使う予定だという。首都圏の上空を米軍・自衛隊のオスプレイが日常的に飛び回ることになる。
 こうした中で10日午後4時45分頃、横田基地から約700㍍の位置にある東京都羽村市立第三中学校のテニスコートに、米軍輸送機C130から落下したパラシュートが発見された(地図)。米空軍はこの間、地元住民の抗議や不安の声を無視して、子どもが校庭や通学路にいるすぐ近くでの危険なパラシュート降下訓練を増加させており、今回見つかったのはその訓練中に上空で切り離したパラシュートが落下したものだという。沖縄で続発する事故や落下物と同様に、朝鮮半島での戦争を想定した訓練が激化する中で、本土の基地周辺でも危険極まる事故が続いているのだ。
 安倍政権は、住民の命を脅かす米軍・自衛隊の危険な訓練を増加させておきながら、「国民を守る」などと称してJアラート(全国早期警報システム)を使った避難訓練に自治体労働者と住民を動員し、国家の命令のもとに全人民を服従させる戦争国家体制を構築しようと必死になっている。東京都知事・小池百合子も「安全保障は国の専管事項。しっかりやってほしい」と配備を容認した。
 まさに今、本土と沖縄で労働者人民の命と生活を踏みにじり、東アジアに核戦争の危機をもたらしている一切の元凶は日米安保体制にほかならない。安倍は日米安保のもとで自衛隊の侵略軍隊化を狙い、そのために憲法9条を破壊しようとしているのだ。その意味で改憲阻止闘争は日米安保粉砕の闘いと一体である。

日報隠しとも一体の攻撃

 改憲と戦争にのめり込む安倍政権のもとで、4月2日、これまで「存在しない」とされてきた自衛隊のイラク派兵時の日報(2004〜06年の延べ376日分、約1万4千㌻)が、実は存在していたことが発覚した。防衛省はこの日、陸自内で今年1月に日報の存在を確認していたが、防衛相・小野寺五典に報告されたのは3月31日だったと発表した。
 さらに4月4日には、陸自内では昨年3月の時点で日報の存在を把握しており、1年以上もそれを隠してきたことが判明。見つかった日報も合計で408日分になると訂正された。続いて6日には空自でもイラクの日報が見つかり、9日には南スーダン派兵時の日報も新たに防衛省情報本部から見つかった。
 イラクや南スーダンへの自衛隊派兵が、どこまでもウソと隠蔽(いんぺい)にまみれていたことが暴き出された。とりわけイラク派兵は米帝の不正義極まる侵略戦争に自衛隊を加担・参戦させるものだった。当時の小泉政権はそれを「非戦闘地域での復興支援活動」などと強弁したが、このウソが暴かれるのを恐れて日報を隠し続けてきたのだ。「シビリアンコントロール(文民統制)の危機」などというレベルの話ではない。戦前の大本営とまったく変わらない隠蔽工作と情報操作が今も平然と行われているということだ。文民統制など最初から絵空事であり、自衛隊の存在と活動を正当化するための方便にすぎない。
 しかもアフガニスタンとイラクへの派兵では、死と隣り合わせの戦場を経験した多くの自衛隊員が帰還後もPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの症状に苦しみ、15年までに判明しているだけで54人も自殺に追い込まれている。自衛隊員の命も踏みにじられ、闇に葬られてきたのだ。
 このような隠蔽工作の中心にいる統合幕僚長・河野克俊は、安倍が改憲案をぶちあげた直後の昨年5月23日、「自衛隊が憲法に明記されれば非常にありがたい」と発言し、現職の幕僚長の立場にありながらもろ手を挙げて改憲に賛成した人物だ。その直後、安倍は任期の再延長という異例の措置で河野を厚遇した。改憲とは安倍政権と自衛隊幹部が一体となったクーデターなのだ。絶対に許すわけにはいかない!

改憲阻止大行進全国に広げよう

 「改憲・戦争阻止!大行進」の開始を宣言した3・25日比谷集会で、動労千葉の田中康宏委員長は、「①改憲・戦争阻止を全運動の土台に据える。②9月までに全国に無数の運動体を結成する。③原則的で大衆的な運動をつくる」という三つの方針を提起した。特に田中委員長は「身内だけで立ち上げるのではなく、新しい仲間を加え、新しい運動の可能性を取り込んで、もっと広がった陣形をつくること」を強調した。
 民主労総を中心とする韓国民衆の闘いは、朝鮮戦争を狙うトランプと安倍の前に立ちはだかり、戦争絶対反対の不屈の闘いを続けている。この闘いと固く連帯して「改憲・戦争阻止!大行進」を全国各地で拡大しよう。その力で、改憲を狙う安倍を打倒しよう!

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