知る・考える 用語解説 高度プロフェッショナル制度―8時間労働制を解体する過労死促進法

週刊『前進』02頁(2942号02面04)(2018/05/24)


知る・考える 用語解説
 高度プロフェッショナル制度―8時間労働制を解体する過労死促進法


 安倍政権が成立を狙う「働き方改革」関連法案の一つ。労働基準法の改悪であり、8時間労働制を最後的に解体し、労働基準法が定めている労働時間・休憩・休日・深夜割増賃金などの規定を適用しない。「裁量労働制」よりも悪質な「過労死促進法」「残業代ゼロ法」である。「労働を時間ではなく成果ではかる制度」などと報じられているが、その実態は「資本の決めた分だけ働け。残業代は払わない」と、労働者にさらなる低賃金と長時間・強労働を強制するものだ。総非正規職化の一環の攻撃である。
 対象労働者は現在の法案では、金融関係、企業・市場などの分析、事業のコンサルタント、研究開発などの労働者で、さらに年収1075万円以上とされている。
 しかし、対象労働者の業務内容や年収の制限は厚生労働省が省令で決める。つまり、いくらでも拡大されるのだ。財界は「法律が通れば、対象を労働者の平均年収の400万円にまで引き下げたい」とすでに公言している。
 第1次安倍政権の時、2006年に「ホワイトカラー・エグゼンプション」の名で出されたが、労働者人民の強力な反対によって断念。ずっと審議すらできなかったが、「働き方改革」法案として一括して法制化を狙っている。
 8時間労働制は、労働者の健康と人生を守る上で必要不可欠の条件だ。労働者が職場からの闘いで、資本に強制してきたこの原則の最後的解体を許してはならない。
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