革命への水路開いた981票 泉佐野市議選闘争の地平と教訓

週刊『前進』04頁(2947号04面01)(2018/06/11)


革命への水路開いた981票
 泉佐野市議選闘争の地平と教訓

(写真 中川いくこさんを先頭に街頭で市民に訴える)

 981票(次点)の新たな決起の始まり、そこにある悔しさと革命への希求。泉佐野選挙決戦は一市議会議員選挙の枠を越え、ゼネスト・革命に向かう労働者階級の根底的決起の始まりとなりました。選挙戦の宣伝・扇動の環として打ち立てた四つの柱〈戦争・改憲をとめよう! 安倍・千代松をたおそう! 労働者が主人公の社会にかえよう! 新しい労働者党をつくろう!〉は階級的労働運動路線であり、〈絶対反対・階級的団結―党建設〉という立場です。ここからすべての構想を練り上げました。この革共同の路線が労働者階級の怒りと結びつき、981人の決起を組織したのです。これこそ革命的選挙闘争の神髄です。

時代の要請に応えての決断

 選挙戦の常識からすればあり得ない「3カ月前の決断」。しかし改憲阻止決戦の突破口を何としても切り開きたいという真剣さが選挙戦を決断させました。2月中旬に選挙本番体制に本格的に入り、「無謀な挑戦」と言える当初の状況を突破し、3カ月の総力戦で他陣営、自民党や日本共産党と互角にやりあうところにこぎ着けました。
 15万枚に及ぶ全戸ビラでの制圧、3万部に及ぶ『前進』配布、フクシマ署名・改憲署名の全戸ローラーなど、地域全体が中川いくこ陣営の訴えで政治的に活性化しました。特に『前進』配布は、中川候補が「革共同として登場する」意味で決定的な影響力をもちました。「『安倍を監獄へ』の中川さんね」「中川さんて労働運動の人でしょ」という反応が相次ぎ、『前進』とビラを一緒に受け取った青年が電車の中で読み、後日支持を表明することもありました。拠点地域を中心とした練り歩きやスポット演説、宣伝カーによる宣伝でも、いくつもの感動的な出会いと決起がありました。
 暴風雨をはね返した981人の決起は、これまでの「国賀票」をベースとしながらも、そこに依拠しない、革命へ向かって開かれた決起でした。

拠点建設への挑戦を貫いて

 「選挙決戦は革命への決起の水路」であると選挙決戦の中で打ち立ててきました。今回はさらに踏み込んで、「拠点労組、そこを軸に婦人民主クラブ全国協、NAZEN、全国水平同盟を建設するという地区党建設への巨大な水路としての選挙決戦」という考え方を目的意識的に貫きました。
 3〜5月、婦民全国協・泉州支部結成、狭山学習会、春闘労働者集会、NAZEN集会、青年行動、自治体労働者集会、星野絵画展など、毎週のように集会・企画を設定し、あらゆる水路から労働者階級の自己解放的決起を促すことに挑戦しました。
 関西地方委員会の各戦線・産別組織が主体的に泉州地区党建設に踏み込み、集会と行動をやりぬきました。特に決定的だったのが4・8春闘労働者集会でした。関西合同労組泉州支部が3分会を軸に「泉州地区の労働運動を塗り替える」ことを高らかに宣言。これが選挙戦全体の帰趨(きすう)を決めました。着手したこの挑戦を貫くことが最大の総括です。さらに全国水平同盟の支部建設は待ったなしです。
 多くの支持者が「本当に悔しい! 中川さんはまだ若いから次は大丈夫よ」「次は〇〇票入れるから」と言っています。真剣に悔しがっています。981人の「悔しさ」にとことんこだわって、4年後ではなく直ちにこの決起と具体的に結びついて、泉佐野の地での強大な地区党建設につなげることです。

民営化容認の共産党と対決

 日本共産党は一貫して千代松市政にすり寄り、2議席にしがみつきました。彼らは当初「候補者の人の好さ」だけを売り物にしようとしましたが、中川陣営が「安倍と千代松を倒そう」と大宣伝すると、ビラで「安倍政権は退陣を」などと押し出し始めました。しかし絶対に千代松を批判せず、「市業務丸ごと民営化」には反対しない。中川陣営は「勝負は日本共産党との激突にかかっている。最後は彼らと数票を争う選挙になる」と確信して闘いました。そして宣伝戦でもオルグ戦でも完全に彼らを圧倒しました。
 最大の攻防は自治体労働運動をめぐってでした。中川陣営は地区党が市役所で続けてきた『前進』配布を引き継ぎ、週1〜3回市役所に登場。さらに4・25自治体労働者集会の設定と組織化で彼らの「拠点」を揺るがし、それ自身が「組合権力を取りに行く」中川陣営の本気さを示しました。
 ここで労働組合と革命的議員とのこれまでの関係の転換が求められました。「職員の立場を一番理解してくれている議員さん」ではなく、「闘う労働組合をよみがえらせて民営化絶対反対をともに貫く議員」への転換です。
 その結果、正規・非正規の立場を越えて多くの自治体労働者がこれまでとは全く違う新たな決起を始めました。労働組合の中に党をつくり組合権力を奪取することへの新たな挑戦の始まりです。自治体労働運動の拠点建設と合同労組建設を一体でかちとることが地域ソビエト建設の最重要の環です。開始したこの挑戦を地区党の最重要の課題にすえて闘うことです。
 とりわけ今回の選挙戦を共に闘った青年労働者が職場に関西合同労組の分会をつくり、解雇撤回のストライキに決起したことが深い感動を呼びました。この社会を根底からつくり変える闘いの始まりです。こうした自己解放的決起こそが選挙戦の課題でした。
 7・8「関西空港を戦争に使わせない」全国集会を新たな出発点にして、泉佐野の地から改憲阻止大行進に打ってでましょう!
〔革共同関西地方委員会〕
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