植木団地裁判 高槻市の仮執行請求と対決 団結し控訴審に突入

週刊『前進』04頁(2947号04面02)(2018/06/11)


植木団地裁判
 高槻市の仮執行請求と対決
 団結し控訴審に突入

(写真 裁判闘争を勝利的にかちとった後の総括集会。弁護士から報告を受けた後、植木団地労働組合員、支援の労働者が今後の闘いに向けて決意を表明した【6月1日 大阪高裁前】)

 昨年12月、大阪府高槻市にある植木・園芸の就労場、植木団地をめぐり、大阪地裁・三輪方大裁判長は富田園芸協同組合に「損害賠償金3億円を払って植木団地を明け渡せ」「損害賠償金は仮執行できる」という超反動判決を出しました。絶対に許しません。
 5月24日には高槻市が提訴した植木団地明渡等請求裁判の控訴審が大阪高裁第5民事部・藤下健裁判長で、6月1日には富田園芸協同組合が訴えた植木団地使用不許可決定取消裁判の控訴審が同第2民事部・田中敦裁判長で始まりました。植木団地組合員が元気に出廷し、多くの労働者が傍聴に駆けつけました。
 一審判決は高槻市と国家権力が一体で植木団地組合員を分断し動揺させ、あきらめと絶望に追い込む脅しでした。また控訴自体が数百万円の印紙代を必要とする厳しい闘いでした。植木団地労組は全国水平同盟や支援する労組の仲間も交え、激しく徹底的に討論。そして団結を守り、絶対反対を貫くことを決意して控訴に踏み切り、この日を迎えました。植木団地闘争は高槻市、国家権力と真っ向から激突する「第2ステージ」に突入したのです。

市が3億円の損害賠償請求取り下げ

 脅しが効かないことに打撃を受けた高槻市は3月30日、大阪地裁執行部(第14民事部)に、富田園芸協同組合に対する債権約3億円について組合が供託していた4年分の植木団地使用料約600万円は取り立てたが「残額については取り立て不能なので取り下げる」と通知しました。賠償金請求が脅しだったことを自己暴露したのです。
 しかし高槻市は脅し続ければ闘争を破壊できるのではないかと、控訴審直前の5月17日、「土地建物の明け渡しにも仮執行を認めよ」と附帯控訴しました。
 5月24日の裁判ではA組合員が、6月1日の裁判では協同組合の代表が傍聴者の拍手を受けながら堂々と意見陳述を行いました。
 2人はまず、安倍政権が不正・腐敗を極める一方「働き方改革」で労働者に過労死を強制し、首切り自由など労働基本権を奪い、戦争に動員して命まで奪おうとしていると弾劾。そして「植木団地で起こっていることは、ひとり植木団地だけの問題ではなく日本の労働者全体が直面していることです」と述べました。
 さらに「『追い出し絶対反対』の植木団地の闘いは全国の労働者の共感を呼び、その支援に支えられて私たちは闘い続けてこられました。大阪地裁の不当判決に負けません。全国の労働者の未来を切り開くために、部落差別をあおった分断を許さずに団結し、最後まで闘い続けます」と決意を表明しました。
 次回は7月25日(水)午後3時から植木団地明渡等請求裁判、4時から植木団地使用不許可決定取消裁判がいずれも大阪高裁大法廷で開かれます。大結集しましょう。
(北摂労働組合交流センター・上園耕作)
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