今こそ沖縄民権の志を! 辺野古新基地を許さない 〈寄稿〉沖縄民権の会代表 座覇光子

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週刊『前進』02頁(2948号02面03)(2018/06/14)


今こそ沖縄民権の志を!
 辺野古新基地を許さない
 〈寄稿〉沖縄民権の会代表 座覇光子


 「辺野古新基地建設」の日本政府による強引な工事推進に沖縄の多数の人々の怒りは限界点を越えている。絶望的な日本政府の冷酷さに「独立論」も聞こえてくるようになったが、「独立」したら、私たちは解放されるのだろうか? かつて沖縄は琉球王国として栄えたと言われるが、搾取、重税に苦しむ民衆の歴史は語られることはなかった。支配と搾取の根源を撃たない限り、苦吟(くぎん)する民衆の根本的解放にはならない。
 「沖縄民権の会」の設立者・古波津英興さんは「私たちが謝花昇(じゃはな・のぼる)に傾倒するのは、単に謝花の悲劇を悼(いた)むからではない。謝花は、沖縄の『宿命』をいかに脱却すべきか、権力との格闘を通してその道を示そうとした。国家権力への服従を拒否し、抵抗し、人民の権利防衛のために闘った。だからこそ国家権力を超えた民衆連帯の広がりが見えてくるはずだ」と語った通り、その時が来た。
 「平和憲法」がありながら沖縄は「戦場の島」であり続けた。「不戦」を掲げるこの国が、米軍基地だけでなく「国境」対決の最前線に自国の軍隊を配置するのはなぜか? 辺野古の海を破壊し、200年も使用できる基地を造り、生き物や人間が生きられぬようにしてしまうのは、世界の富を独占している資本主義権力者1%の世界だからだ。
 1971年、古波津さんは「しっぽのうた」で「沖縄は、独立と平和に向かって進ませる日本の『かじ』だ」とうたったが、今や沖縄は、単なる「しっぽ」ではなくなった。歴史の原点としての主体性を取り戻した変革の推進軸になっているのだから。「民権を以(も)って国権を撃て!」とも。沖縄は日本の南端だが、アジアからいえば中心軸にあり、戦争か平和か、世界の方向を決する大切な鍵を握る場になっている。
 いま沖縄では、年配の方々も辺野古へ座り込む、本土、韓国、米国からもやって来る、世界の注視の的だ。沖縄の労働者は貧困の中で、団結を固めゼネストへの道を模索している。一人ひとりができることを0(現状)から1へ進めれば、1%の権力者たちの「国権」に対し、「99%の民権」で闘うことができる。
 沖縄のペテン的返還に抗して闘った星野文昭さんは、獄中43年、今、謝花のように闘っている。辺野古をはじめ、高江、伊江島、宮古、八重山、与那国でも人々の闘いの中に生きる謝花昇。
 「戦争阻止」「辺野古新基地建設絶対許さない!」「全世界から軍事基地を撤去せよ」
 今こそ、謝花民権、沖縄民権の志をもって時代を拓(ひら)いて進もう。

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謝花昇 1865〜1908年。東風平町(こちんだちょう=現在の沖縄県八重瀬町)出身の民権運動家。琉球処分後の沖縄で農民の共有地の取り上げに反対し、「沖縄倶楽部」を結成して参政権獲得運動などを展開。「沖縄自由民権運動の父」と呼ばれた。

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6・23沖縄集会
 6月23日(土)午後2時
 川崎市教育文化会館
 講演 山城信康さん(沖縄労組交流センター)
 「沖縄闘争は、誰のための闘いか?」
 主催/沖縄民権の会、なんぶユニオン、合同労組かながわ川崎支部

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