6・20世界難民デー行動へ 入管収容所の非道を許すな 〈寄稿〉牛久入管収容所問題を考える会 田中喜美子

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週刊『前進』02頁(2948号02面02)(2018/06/14)


6・20世界難民デー行動へ
 入管収容所の非道を許すな
 〈寄稿〉牛久入管収容所問題を考える会 田中喜美子

(写真 昨年6月20日の難民デー行動【港区】)


 世界の労働者はひとつ、万国の労働者よ団結せよ! このスローガンが今ほど真価を問われる時代はありません。
 6月20日は国連で決議された世界難民の日です。1951年に国連で難民条約が決議され、67年の難民の地位に関する議定書の発効によって現在の難民に対する庇護のあり方が決められています。
 日本においては、①アメリカによるベトナム戦争の敗北下、インドチャイナ難民が大量に発生、ボートピープルとして日本にも押し寄せ、その保護政策をめぐって国際社会から多くの非難を受けた。②在日朝鮮人をはじめとする激しい抵抗により成立が阻まれていた入管法。81年、日本は国連難民条約に加盟。82年1月1日をもって出入国管理・難民認定法として外国人に対する取り締まり・管理と「難民の保護」を抱き合わせの形で成立させました。
 新自由主義のどうにもならない破産は帝国主義・大国間の貿易戦争の様相を呈し、いわゆる「南」と呼ばれる地域の紛争を激化させています。シリアを始め中東支配の覇権をめぐって激しい戦争が続き、シリアの人々は虐殺され傷つき、国土は滅茶苦茶に破壊されています。戦後最悪の人道危機と言われることが今や中東地域、アフリカ諸国......と各地で起きています。
 日本では、難民条約に基づきアジア・中東・アフリカを中心に世界各国から昨年1万9628人の方が難民申請をしました。過去最高です。しかし難民認定を受けた方は20人と庇護率は限りなく0%に近づいています。
 日本に難民申請をした人が難民として認められなかった場合、出身母国への帰国を強要されるか、入管施設への収容となります。東日本入国管理センター(牛久入管)には、どうあっても帰国できない事情を持つ難民申請者を含む外国人の方々が収容されています。4月にはインド人の難民申請者が自殺し、5月には3人が自殺未遂を起こしました。収容定員700人の拘束施設で2010年から6人もの方が病死、または自死で亡くなっています。入管法・難民認定法の行き着く先は非道そのものです。
 私が面会している方の中にトルコ国籍クルド人青年がいます。他のクルド人同様、難民申請の却下と仮放免遵守事項違反ですでに2年以上も収容されています。彼は12歳で親に連れられ来日、祖父と祖父の兄弟はトルコの治安部隊によって射殺され、父もPKK(クルディスタン労働者党)との関連で刑務所で拷問され、日本に逃れてきました。
 成田で入国を拒否され、牛久にも収容されました。その後、父親は仮放免で生活、仮放免者の子どもである彼も仮放免者です。
 クルド人は誰ひとり難民認定されていません。安倍政権は、中東の最大の親日国トルコ・エルドアン政権との関係を重視していると思われます。
 今、日本では人手不足を背景に外国人労働者の導入政策が喧伝(けんでん)されています。移民を認めない国の移民政策とは何ですか。現在もとんでもない労働環境のもと、多くの外国人労働者が働いています。低賃金、長時間労働、労働災害の多発......耐えきれずに資本から逃げても、待っているのは入管施設への収容です。技能実習生を始め外国人労働者の出身国は日本資本が入り込んでいるところです。
 難民・移民の発生は新自由主義の破産的現状を映し出す鏡です。差別・排外主義と闘う国際連帯・団結の闘いの輪を築き上げましょう。6・20難民デー行動へのご参加をお願いします。
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6・20世界難民デー行動
東京入管キャンドルデモ
 6月20日(水)午後6時
 東京入管前バス停前集合
 呼びかけ 東京労組交流センター、外登法・入管法と民族差別を撃つ全国実

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