6・28三里塚請求異議裁判へ 結審許さず市東さんの農地守れ

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週刊『前進』04頁(2949号01面02)(2018/06/18)


6・28三里塚請求異議裁判へ
 結審許さず市東さんの農地守れ

(写真 市東さんは常々、「私はこの天神峰で一日でも長く自然体で農業を続ける。それが自分の闘い」と落ち着いた口調で語る)


 6月28日午後、市東孝雄さんの請求異議裁判が千葉地裁民事第5部(高瀬順久裁判長)で開かれる。三里塚芝山連合空港反対同盟は全国の人々に向け大結集を熱烈に訴えている。大デモで千葉地裁を重包囲し、農地強奪への怒りで法廷内外を埋め、審理打ち切り策動を粉砕しよう!
 前回5月24日の証人尋問では、「71年強制代執行の暴挙を再び繰り返すな!」の強い意思で成田空港会社(NAA)と高瀬裁判長を追い詰めた。しかし、裁判長は反対同盟顧問弁護団が求める学者・専門家証人の採用をかたくなに拒否し、7月17日を最終弁論として今秋にも判決を出そうとしている。国家権力中枢の意を受けた裁判所の結審策動との緊迫した攻防の中、6月28日には反対同盟の市東孝雄さんと萩原富夫さんが証言に立つ!
 市東さんは、安全でおいしい無農薬有機野菜を消費者に届けることを誇りに、日々精魂込めて土づくりに励み作物を育て、額に汗して働いている。市東さんの農地は取り換え不可能であり、農地強奪は農民としての市東さんに死を強制する国家犯罪にほかならない。
 市東さんの農地は100年前に祖父・市太郎さんが開墾したもので、戦後の農地改革で市東家の所有になって当然だった。しかし、父・東市さんの戦地からの帰還が遅れたため手続きが正当になされず、残存小作地となった。地主・小作制度は天皇制国家と帝国主義戦争の支柱であり、戦後の農地改革で解体されるべきものだったが、その不徹底さがここに現れている。
 空港公団(後のNAA)はそこに付け入り、地主から底地を買収した。だがこの土地買収は、耕作者である市東家に無断・秘密裏に行われ、15年間登記もせず、市東家には地代を元の地主に払わせ続けた。農地法が厳しく禁じている違法行為であり無効だ。NAAが市東さんに農地明け渡しを求める権利は一切ない!
 しかし一昨年10月、最高裁は農地法裁判で市東さんの上告を棄却し、NAAの違法・脱法を不問に付して農地強奪判決を追認した。市東さんは直ちに千葉地裁に請求異議の訴えを起こし、「最高裁で判決が確定しても、その執行を阻止する」という異例の裁判を1年以上闘い続けてきた。今この裁判闘争が最大の正念場を迎えたのだ。
 反対同盟農民は、巨大軍事空港建設という国策に対し、「空港絶対反対・農地死守」の原則を貫き、半世紀を超え血と汗を流して闘ってきた。その偉大な勝利の地平を支えた最深の力は動労千葉との労農連帯であり、それを軸に全国の労働者・農民・学生・市民が共闘関係を築き、「反戦・反権力の砦」としてそびえ立ってきたことだ。
 安倍政権は、市東さんへの農地強奪攻撃と一体で、空港機能強化策(第3滑走路建設、1日20時間への飛行時間延長)を絶望的に推し進めようとしている。だが周辺住民の怒りの反撃は始まっている。三里塚は今、戦争・改憲攻撃を打ち砕く最先端の闘いだ。
 6月28日正午、千葉市中央公園を労農学人民の旗で埋め尽くそう!

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6・28請求異議裁判・千葉市内デモ
 6月28日(木)正午 千葉市中央公園集合
 午後2時開廷 千葉地裁
 (萩原富夫さんの証人尋問と市東孝雄さんの本人尋問)

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