団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(2951号04面04)(2018/06/25)


団結ひろば 投稿コーナー

大学の本義問う立て看問題
 首都圏A大学 小柳健祐

 私は某大学の原子力工学系の学科に在籍している学生です。今回、東京大学で行われた企画「京都大学立て看板規制問題」で他大学の学生の話を聞いて、私の大学がいかに大学の本義とかけ離れているかということを思い知らされました。
 ある京大生は「学問の自由というのはただ自分の受けたい講義を選択する自由ではなく、その学問について討論し、自分の主張を表現する自由である」と発言していました。自分の大学を思い返してみると、取得単位の上限が24単位の中、必修で決まっている単位が20単位という、講義を選択する自由すらままならないというのが現状でした。
 私は大学に入学する以前は、学問だけをやっていて許される身分なのだからどうせなら利益には直結しなかったとしても真理を追究してみたいとは思ってました。しかし世間を見渡してみれば大学は就職を有利にするために行くところであり、直接利益に結びつかない研究なんて税金の無駄だからやめてしまえというのが総意であるというのも事実かもしれません。国家、企業の利益のために大学を利用してきた結果、それが当たり前だという認識が広く人々に共有されている今の地平を築いてしまったのでしょう。
 しかし、大学が利益を上げることだけを第一に掲げた今の商業化大学の行き着く先は、学問と学生を金もうけの手段におとしめる現状です。そのような中でこの京大立て看規制の問題は今の大学が抱えているさまざまな問題を考え直すとても良い機会になりました。学生の表現活動を規制し、企業や国家にとって都合のいい人間をつくり出そうとする今の大学の問題点を考える上で大変有意義な時間であったと思います。
 全国の学生は今の大学の問題点を共有して、学問の本義と学生の尊厳を取り戻す闘いに立ち上がろう!

理不尽な懲罰は権力の本質
 東京大学 佐々木彰

 何よりも衝撃を受けたのは、星野氏が与えられた菓子を夕食後に食べたというだけのことで降格処分が下されたことである。受刑者がそのような取り扱いを受けているというだけでも驚きであるが、無期懲役刑が下されて30年がたち、本来なら仮釈放が検討されるべき時期にこれを行った。こともあろうにこの抑圧国家は、公文書改ざんを指示した佐川に退職金減額しか科さず、刑事処分もしなかったというのに、である。
 そもそも星野氏は無実だ。星野氏が殺人を行った証拠はない。にもかかわらず裁判所は見間違いなどというむちゃくちゃなこじつけで、矛盾した証言を証拠とし続けている。「推定無罪の原則」を全く無視している。
 これらの一連の話は司法も含め国家機構が誰のためにあるのかということを如実に表していると言えよう。国家権力犯罪は見過ごされ、国家権力に都合の悪い「沖縄返還」協定反対デモのリーダーは無実の罪を着せ、牢獄で理不尽な懲罰と隣り合わせの監禁生活を強いられる。そしてこのような国家のあり方こそ、日帝の本質である。
 今、追い詰められた日帝は、延命のためにあらゆる手段でもがいている。高プロ法、大学改革などさまざまあるが、その頂点にあるのは改憲と侵略戦争策動である。安倍はメディアをも動員し、好戦感情をあおり続け、現に先制攻撃までちらつかせている。戦争は何のためか? 国家経済の行き詰まりの解消のためである。だが、戦争で犠牲になるのは、いつも労働者人民である。そして、帝国主義は延命するのである。このような国家体制の存続を許してはならない。
 星野氏の闘いも、日帝と米帝による欺瞞(ぎまん)的な「沖縄返還」に抗(あらが)う労働者人民としての闘いであった。日帝はそれを恐れて無実なのに投獄したのだ。
 帝国主義を粉砕しよう!
 星野氏を自由に!

絵画展、絵手紙講習が大盛況
 東京南部 YO

 全国に広がる「星野文昭絵画展」が「今年中に絶対に星野さんを取り戻す!」決定的な潮流をつくっています。「東京・なんぶ星野文昭さんを救う会」が6・3高松集会直前の5月28、29日の2日間、星野絵画展を九段生涯学習館で開催しました。
 今回は版画家の中谷美弥さんの「狭山を彫る」展を同時開催しました。沖縄闘争を闘った星野さんと狭山再審闘争を闘っている石川一雄さん。この2人に対する国家の権力犯罪弾劾を訴えました。また、星野絵画展に賛同した労働者の油絵も友情展示されました。
 星野さんを初めて知ったという人も多く、驚き、怒っていました。また、星野さんの絵の優しく温かい色彩に接し、次回開催する時には案内してほしいという人もいました。渋谷暴動を知っているという男性は、「再審・無罪を絶対勝ち取る」という訴えを真剣に聞いてくれました。そして、東京地裁と警視庁公安部が証拠のビデオテープを「紛失」(無実の証拠を隠ぺい)したことを知ると、ぼうぜんとしていましたが、帰り際には要望書を書いてくれました。
 前回、前々回の絵画展で好評だった絵手紙講習会「絵手紙を星野さんに送ろう!」も大盛況で、絵手紙を通じて星野さんを奪還したいという想いが伝わりました。「こんなのおかしい!」「刑務所はひどすぎる!」「暁子さんがすてき!」と星野さんを身近に感じてくれたようでした。
 広がる連帯に手応えを感じながら迎えた6・3高松全国集会&パレード。1千人が集ったのも歴史的ですが、青年労働者と学生が先頭に立ったことは大きな展望です。星野さん解放に向けて突き進もう!

袴田さん再審取り消し弾劾
 迎賓館・横田裁判の完全無罪をかちとる会・事務局 内藤雄二

 無実の死刑囚・袴田巌さんの再審開始決定が覆された! 断じて許せない!
 袴田さんは1966年に静岡県清水市で起きた殺人事件の犯人にでっち上げられ死刑が確定していたが、2014年3月、静岡地裁が「重要な証拠が捜査機関に捏造(ねつぞう)された疑いがある」として再審開始を決定した。さらに「これ以上、拘置を続けることは、耐え難いほど正義に反する」と死刑の執行を停止し釈放した。ところが検察が即時抗告し、6月11日、東京高裁・大島隆明裁判長は、許しがたいことに再審開始決定を取り消した。
 再審が開始されれば警察・検察による袴田さんへの拷問、自白の強要、証拠の隠ぺい、捏造、さらには裁判所の犯罪が次々と暴かれる。特に逮捕から1年もたって「発見」され袴田さんの「犯行時着衣」とされた「衣類」は、弁護側のDNA鑑定など、いくつもの立証で捏造が明らかになっている。再審開始決定取り消しは権力犯罪が暴かれることを恐れた国家権力による「政治決定」だ。だから東京高裁は袴田さんの死刑や拘置の執行停止は取り消せなかった。袴田さんの無実を百も承知だからだ。
 6月3日、無実の無期懲役囚・星野文昭さんの解放を求めて労働者民衆1千人が四国の高松市で集会とパレードをかちとった。星野さんが殺人罪をでっち上げられ逮捕されてから43年、無期懲役確定から30年。権力犯罪を弾劾し、不屈・非妥協で闘う星野さんも国家権力を追い詰めている。
 森友・加計疑獄で腐敗を極め改憲・戦争に進む安倍の対極に、星野さん、袴田さんら命をかけて冤罪を晴らそうと闘う人々がいる。共に闘い、勝利しよう。

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