オスプレイ配備阻止を 首都圏が一大軍事拠点に 沖縄の怒りと共に基地撤去へ

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週刊『前進』04頁(2969号03面01)(2018/09/03)


オスプレイ配備阻止を
 首都圏が一大軍事拠点に
 沖縄の怒りと共に基地撤去へ



(写真 CV22オスプレイ)


 防衛、外務両省は8月22日、米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ5機が米軍横田基地(東京都福生市など)に10月1日に正式配備されることを発表した。米軍は2024年ごろまでに計10機と、要員約450人を順次配備する予定だという。安倍が次の国会で改憲発議を狙う中、首都圏が沖縄と並ぶ一大軍事拠点になろうとしている。沖縄の怒りと共に10・1オスプレイ横田基地配備を阻止し、「戦争する国」づくり=改憲を粉砕しよう。労働組合はその先頭に立とう。

北朝鮮政権転覆の特殊作戦部隊

 配備されるCV22オスプレイは、特殊部隊を敵地に潜入させることを任務としている。沖縄・普天間基地に配備されている米海兵隊機MV22オスプレイと基本性能は同じだが、米空軍機CV22は地形追随レーダーなどを搭載しており、山岳地帯、夜間、低空飛行といった過酷な条件での運用を前提とする。北朝鮮のキムジョンウン政権首脳部を暗殺する「斬首作戦」や核施設制圧のための特殊作戦を担うのがCV22なのだ。
 すでに横田基地には今年4月から前倒しで5機飛来し、日本全土で横田基地を拠点にした訓練が始まっている。横田基地と米軍岩国基地や米軍三沢基地などの往復を、北朝鮮の山岳地帯に見立てた低空飛行訓練として行っているとも言われている。今後の訓練先として北関東空域や静岡(キャンプ富士)、青森、沖縄の演習場などが予定されている。また千葉県の陸上自衛隊木更津駐屯地は、陸自のV22オスプレイ暫定配備候補地として検討されており、米軍機の整備拠点としても使用する予定だ。首都圏上空は米軍と自衛隊のオスプレイが恒常的に展開することになる。
 オスプレイ配備は沖縄以外では初めてだ。横田基地を中心に朝鮮侵略戦争の訓練を激化させながら、首都圏が沖縄と並ぶ一大軍事拠点になろうとしている。

首都圏も戦争と隣り合わせに

 それは首都圏を戦争と隣り合わせの現実にたたき込む。
 16年12月にMV22が名護市の海岸に墜落・炎上したが、CV22はこのMV22よりはるかに危険だ。重大事故件数は10万飛行時間あたり4・05。米海兵隊の航空機全体の2・72を上回る。6月には横田基地から沖縄・嘉手納基地に向けて出発した5機のうち1機が鹿児島県の奄美空港に緊急着陸した。
 しかも、横田基地は周辺3㌔圏内に30校以上もの小中学校がある人口密集地帯だ。ここで夜間旋回飛行やタッチ・アンド・ゴーなどの危険な訓練を繰り返している。この4カ月間でも離着陸は300回を超えた。
 沖縄でも横田配備に対し怒りと危機感が噴出している。CV22は嘉手納基地に拠点を置く353特殊作戦群の隷下部隊だ。沖縄での訓練も想定され、沖縄の基地も一層強化される。
 今、辺野古新基地建設を巡り戦争と基地に対する沖縄の根底的な怒りが爆発している。この沖縄の怒りが首都圏に燃え広がることは不可避だ。

日米安保粉砕!安倍・小池倒そう

 だが、住民の命と生活を蹂躙(じゅうりん)しながらあくまで改憲・戦争に突き進んでいるのが安倍であり都知事・小池百合子だ。
 安倍政権はCV22配備を「日米同盟の抑止力・対処力を向上させる」と大歓迎した。そして横田配備を突破口にして、自衛隊の侵略軍隊化をも狙い、自衛隊初となる輸送機V22オスプレイの佐賀空港配備を、漁民の怒りが爆発する中で、着陸料100億円(20年間)でもって佐賀県知事に受け入れを表明させた。
 陸自に配備されるV22の任務は、敵地殴り込みのための「水陸機動団」(=日本版海兵隊)の輸送だ。安倍は1機約100億円もするオスプレイを米政府から17機も購入し、米トランプ政権の世界戦争に参戦しようとしている。日米安保体制を強化しつつ、改憲と一体で「戦争する国」づくりへ突き進んでいるのだ。
 また改憲・核武装論者の小池は「地元への情報提供がない」「安全対策の徹底は守ってもらいたい」とペテン的につぶやくが、横田配備自体は推進だ。
 米軍は日米安保体制下で日米地位協定に基づき、事前通告なく自由に訓練ができるとしている。一切の元凶は日米安保体制にある。今こそ、沖縄の怒りと一つになって、安倍・小池を倒し、日米安保粉砕・基地撤去、改憲阻止へ闘おう。

改憲阻止を掲げ労働組合先頭に

(写真 6月17日、横田基地へのオスプレイ配備に反対し、労働組合を先頭に1900人が結集した。参加者は「NO!オスプレイ」のボードを一斉に掲げた【東京都福生市】)

 6月には、横田基地の地元でオスプレイ配備阻止行動が自治労、日教組や私鉄総連傘下の青年労働者を中心に1900人の結集でかちとられた。安倍は、こうした労働組合を解体するために、9月のUAゼンセン大会で改憲推進方針を決定させようとしている。オスプレイ配備阻止は、改憲をめぐる連合の分裂・解体情勢と真っ向から対決する改憲阻止決戦そのものだ。今こそ労働組合は反戦・反基地の旗を高々と掲げ、全住民の先頭で立ち上がろう。
 改憲・戦争阻止!大行進三多摩実行委員会(準)が呼びかける「オスプレイ配備反対!改憲阻止!基地撤去! 横田集会&デモ」が9月30日(日)、午後2時から福生市民会館で開催される。全力で集まろう。

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