豊洲に行ってはならない 築地・仲卸らが怒りの会見

週刊『前進』04頁(2971号02面01)(2018/09/10)


豊洲に行ってはならない
 築地・仲卸らが怒りの会見

(写真 豊洲の違法建築物に対する都知事の使用禁止、除却命令を義務付ける裁判を起こした原告の仲卸と代理人の武内更一弁護士【左から2人め】が記者会見。多くの記者が注目した【9月5日 東京都庁】)

 10月11日に狙われる豊洲市場開業、築地市場解体着工が切迫する中で、9月5日、「築地を活かし豊洲を止める会」が都庁で会見を開いた。
 豊洲市場の水産仲卸売場棟が建築基準法令に違反しており必要な耐震性を満たしていないとして、建築物の使用禁止・除却を求め、築地仲卸の5人が都を被告として起こした義務付け訴訟と仮の義務付け申し立てについて、代理人の武内更一弁護士が説明を行った。武内弁護士は1階柱脚の鉄量の不足と、構造耐力の計算式において日建設計が係数を偽装していることを指摘した。さらに都は仮の申し立てに対する意見書(答弁書)で、日建設計が作った完全に誤りの資料を平気で提出していることを暴露した。弁護団がこの答弁書を完膚なきまでに批判した意見書を提出した結果、裁判所は都に9月11日までに再度の答弁書を出すよう要求したのである。都は完全に追いつめられている。
 代表の宮原洋志さんは「国土交通省も都も、話し合いをしようとしない。決して許してはならない。豊洲に行ってはならない」と述べた。原告の仲卸から「地震が来たらどうなるのか。同じことは7街区(水産卸売場)で働く方にも言える」「移転を白紙に戻してもらいたい」など怒りの発言が相次いだ。
 これに先立ち、築地市場営業権組合が都庁で会見を開いた。同日午前、営業権組合は小池百合子東京都知事宛てに、農林水産大臣への認可申請を取り下げ、豊洲市場の開場を再度延期することを求める要請書を提出、移転による営業権侵害が違法であるという通知書には107事業者が署名し都に提出した。営業権に関して都は「経済的損失はすべて受忍限度内」と主張していることが報告された。
 会見では豊洲への怒りと築地を守る思いが次々語られた。共同代表の村木智義さんは「このまま強行すれば都民の食生活に影響が出る。150億円の赤字が出ることがわかっていて開業することが許されるのか」と語気を強めた。共同代表で築地・女将さん会の山口タイさんは「座り込んでも築地を守らなければならないという気持ちです」と語り、共同代表の宮原さんは「83年間培ってきた築地の『のれん』は豊洲ではつくれない。私たちが築地を守ります」と断言した。
 9月13日の豊洲開場記念式典粉砕に立ち、21日午前11時から東京地裁で開かれる違法建築物除却命令等義務付け訴訟の第1回口頭弁論に全力で集まろう。
このエントリーをはてなブックマークに追加