地方破壊と改憲の安倍倒せ JR常磐線特急の車掌削減と水郡線ワンマン拡大を阻もう 被曝労働拒否の動労水戸が反撃

週刊『前進』02頁(2972号01面01)(2018/09/13)


地方破壊と改憲の安倍倒せ
 JR常磐線特急の車掌削減と水郡線ワンマン拡大を阻もう
 被曝労働拒否の動労水戸が反撃


 7月の西日本豪雨に続く9月の台風と北海道地震の被害は、新自由主義がもたらした人災だ。地方を破壊し人命を踏みにじる安倍政権は、改憲・戦争に突き進んでいる。JR資本もこれに呼応して労働組合解体の攻撃を強め、乗務員勤務制度改悪などの大合理化やローカル線切り捨てに踏み込んでいる。その重大な攻撃のひとつに常磐線特急の車掌の1人乗務化と水郡線のワンマン運転拡大がある。

鉄道の安全破壊する暴挙

 JR水戸支社の提案は、常磐線の特急は車掌が1人で乗務することを基本にし、わずか3本の特急だけを上野―土浦間に限り2人乗務にするというものだ。
 また、水郡線のワンマン運転を拡大する。常陸大子―郡山間で車掌が乗るのは、平日朝の下り2本と上り1本、夕方の上下1往復だけになる。
 これに伴い勝田運輸区で28人、いわき運輸区で2人、水郡線営業所で3人の車掌を減らし、土浦運輸区はプラス2人。合計31人の大幅な要員削減の攻撃だ。
 その10月20日強行実施を狙うJRに対し、動労水戸は総反撃に立っている。
 昨年7月、水戸支社は同年10月のダイヤ改定から特急車掌の1人乗務を実施すると突然打ち出した。これには東労組組合員を含む労働者が猛反発し、撤回に追い込まれた経緯がある。
 上野東京ラインが開通した2015年3月のダイヤ改定で、常磐線特急には「新着席サービス」と称するシステムが導入された。特急の全席を指定席にするが、座席上方のランプが空席であることを表示している場合は、指定を受けていない乗客も着席できるという、わかりにくいものだ。
 今回の提案でJRは、「新着席サービス」が定着し、会社が実施した検証で1人乗務は可能と判断したと言う。だが、その検証結果を明らかにすることはかたくなに拒んでいる。
 車掌の1人乗務は安全の解体に直結する。1人乗務では、異常時に迅速な対応はとれない。

常磐線の全線開通阻止を

 車掌が車内を巡回している時は、車掌室には誰もいなくなる。これで後方の列車防護や指令との通話はできるのか。車掌業務の最大の役割は乗客を安全に運ぶことにある。
 水郡線のワンマン運転拡大も安全を破壊する。水郡線で社員が配置されている駅はすでに常陸大子と上菅谷だけだ。異常時に応援に向かう体制もない。
 安倍政権とJRは東京オリンピック前の2020年3月までに常磐線を全線開通させようと全力を挙げている。福島第一原発の事故はまったく収束していない。その原発の直近に電車を走らせるというのだ。
 8月6日、JR東日本は常磐線双葉駅の再建工事に着手した。福島県双葉町は全町に避難指示が出されている。原発事故をなかったことにするため避難指示を次々と解除している国でさえ、年間放射線量が50㍉シーベルトを超える帰還困難区域と認めている場所だ。しかし安倍政権は、そこを「特定復興再生拠点区域」に指定することで、常磐線再開に向けた工事を強行している。労働者に強いられる被曝はとてつもない。
 それに加え、茨城県東海村にある日本原電・東海第二原発の運転延長が、今年11月までに決定されようとしている。これは40年の運転期間を過ぎて老朽化し、2011年3・11大震災で被災した原発だ。その原発が事故を起こした時の被害は計り知れない。
 車掌の1人乗務化やワンマン運転の拡大が強行されたら、原発事故の際、車掌1人で、あるいは運転士だけで乗客を誘導できるのか。JRと安倍は人命を何とも思っていないのだ。
 常磐線車掌の1人乗務化と水郡線のワンマン運転拡大に対し、動労水戸は総力で反撃に立つ構えだ。それは常磐線全線開通を絶対に許さない闘いであり、改憲を阻止する闘いでもある。

闘う労働組合とり戻そう

 動労水戸は常磐線全線開通阻止・被曝労働拒否を掲げて何度もストライキに立ってきた。今年8月にはドイツのゴアレーベンを訪問し、核廃棄物処分場建設反対同盟との連帯を深めた。
 昨年4月1日、常磐線が浪江まで延伸された時、勝田運輸区の運転士がストに入り、浪江駅では開通式典を直撃する弾劾行動を展開した。この時のストに際し、勝田運輸区の東労組組合員は全員がスト破りを拒否した。JR東日本が東労組の解体を決断した一つの要因に、この事態がある。
 JR資本は東労組を大崩壊させた上、運転士詰め所や車両の運転室にまで監視カメラを設置して、会社の無謀な施策に労働者が一切声を上げられない状態を強いようとたくらんでいる。
 勝田運輸区では8月9日、運転士見習いの教導中、「暴力行為」をしたとして教導運転士が諭旨解雇にされた。新人運転士を一人前にするために厳しくあたるのは、運転士の責任の重さを教えるためだ。解雇処分などありえない。職場には怒りが渦巻いているが、東労組は一切、声を上げられない。これは、9条改憲と並行して労働三権を解体する攻撃そのものだ。
 職場に闘う団結を取り戻そう。動労水戸とともに車掌の1人乗務化・ワンマン運転拡大に反対し、闘う労働組合を職場につくろう。

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