市東さんの農地守れ 9・27千葉地裁―10・14全国集会へ 三里塚は改憲阻止の最前線

発行日:

週刊『前進』04頁(2973号03面01)(2018/09/17)


市東さんの農地守れ
 9・27千葉地裁―10・14全国集会へ
 三里塚は改憲阻止の最前線

(写真 9月3日、耕作権裁判を前に反対同盟が千葉市内デモに立った)


 9・27請求異議裁判―10・14三里塚全国総決起集会に集まろう。三里塚芝山連合空港反対同盟とともに成田空港会社(NAA)、千葉地方裁判所を包囲する闘いに立ち上がろう。これは、秋の臨時国会を真っ向から迎え撃つ闘いだ。「反戦・反権力の砦(とりで)」三里塚から改憲・戦争阻止決戦の号砲を上げよう。

請求異議裁判の最終弁論へ

 9月27日、請求異議裁判(千葉地裁民事第5部・高瀬順久裁判長)が、市東孝雄さんの最終意見陳述、弁護団最終弁論―結審を迎える。農地明け渡しの最高裁決定から1年11カ月、強制執行を阻止し、最高裁決定をくつがえす前人未到の挑戦はこの秋が正念場だ。
 裁判で明らかになったことは、空港建設が国家犯罪として進められてきた事実と反対同盟の闘いの圧倒的正義性だ。NAAは農地法を都合よく読み替え、違法・脱法の限りを尽くし、証拠を偽造し、農民の権利を暴力的に踏み砕いて農地取り上げ攻撃をかけてきた。1971年9月の大木よねさんへの強制代執行に対する全社会的怒りの爆発から、空港公団--NAAは「二度と強制的手段を用いない」と世間に確約、謝罪しながら、市東さんに対しては「話し合いが頓挫したら強制執行する」という。
 この間、度重なる傍聴闘争や裁判所包囲デモ、強制執行反対署名への取り組み、強制執行阻止決戦本部を中心とした樫(かし)の木まつりや天神峰カフェなどの現地結集運動の気迫が、追加の証人調べと補佐人の採用を認めさせてきた。この地平を強制執行停止判決につなげていく力が9・27での裁判所包囲と署名のさらなる拡大、そして10・14集会への大結集だ。千葉地裁・NAAを人民の怒りの渦にたたき込もう!

労農連帯貫き「国策」を阻む

 安倍政権が目指す改憲とは、戦争ができる国家をつくる攻撃だ。この完成は労働組合や学生自治会をはじめ、国家に抵抗する勢力を一掃する中でしかありえない。「反戦・反権力の砦」=三里塚は改憲を止める大きなくさびになっている。
 三里塚は「一切の話し合い拒否」「農地死守・実力闘争」「空港絶対反対」の原則を世代を越えて引き継ぎ、52年間「国策」を止め、空港の完成を阻み続けてきた。「国と闘っても勝てない」というイデオロギーを打ち破ってきた。
 さらに、反対同盟は当初から成田の軍事空港性を見抜き、二度と戦争を繰り返さない決意で闘いぬいてきた。現在、日米安保のもとで成田空港が朝鮮侵略戦争の際の米軍50万人の受け入れ・兵站(へいたん)基地として位置づけられる中、三里塚闘争が軍事空港の完成を阻んでいる意義は大きい。
 決定的なのが、反対同盟農民が動労千葉をはじめとする階級的労働運動、革命的左翼と共闘し闘いを発展させてきたということだ。故北原鉱治事務局長は「ものを作り運ぶ労働者と命の糧を生産する農民がいれば、社会は立派に成り立つ」と語った。ジェット燃料貨車輸送阻止闘争を通して、動労千葉と反対同盟は「車の両輪」として労農連帯を深め、今日までともに歩んできた。これこそが次の社会建設を展望する革命の萌芽(ほうが)だ。
 安倍政権は何よりも、この「三里塚闘争の質」が青年・学生に波及することを恐れている。京都大学では、学生が立て看板規制と吉田寮の廃寮に端を発する学生自治破壊に対してキャンパスで実力での反撃を開始している。

絶対反対で闘えば勝てる!

 NAAや空港利権に群がる連中は、3月13日の「空港機能強化」(①第3滑走路建設、②B滑走路北側1千㍍延伸、③夜間早朝の飛行時間制限緩和)に関する4者協議会「最終合意」を経て、動きを強めている。NAAは第3滑走路敷地内住民に対して土地売り渡しの「同意書」集めを開始した。この中で、軒先工事と強制収用をちらつかせる脅迫まがいのやり口で住民への屈服を迫っている。
 さらに83年の「3・8分裂」を主導した元反対同盟・石井新二が6月9日、「空港と被害地域の真の共存共栄を目指す集い」を立ち上げた。住民に金をばらまき、「騒音が『小鳥のさえずり』のごとく聞こえるようにする」とうそぶいている。
 やつらの言う「空港との共存・共栄」とは、「命も生活もふるさとも誇りもすべてカネで買える」という許しがたい態度だ。空港開港から40年、相次ぐ航空機事故や落下物、騒音、土地取り上げでどれだけ命と生活が脅かされてきたか。
 だがこの攻撃は必ず打ち破ることができる。ここでも市東さんの農地取り上げ阻止が勝利の道だ。絶対反対で闘って勝てると示すことが、芝山町や横芝光町の住民への最大の援軍だ。
 全ての労働者、農民、学生、市民は農地取り上げ反対署名を集め、9・27請求異議裁判―10・14三里塚全国総決起集会に駆けつけよう! 援農や天神峰カフェで現地を訪れて「三里塚闘争の質」を持ち帰り、職場・キャンパスから改憲・戦争阻止の総反撃を開始しよう!
(上越次郎)

------------------------------------------------------------
三里塚裁判日程
◎請求異議裁判
 9月27日(木) 正午
 千葉市中央公園集合
 千葉市内デモ
 午後2時開廷 千葉地裁
(弁護団の最終弁論と市東孝雄さんの最終意見陳述)

このエントリーをはてなブックマークに追加