「学テで教員評価」を許すな 労組の力で吉村大阪市長倒し教育破壊と改憲を阻止しよう 関西労組交流センター教育労働者部会

週刊『前進』04頁(2973号03面03)(2018/09/17)


「学テで教員評価」を許すな
 労組の力で吉村大阪市長倒し教育破壊と改憲を阻止しよう
 関西労組交流センター教育労働者部会


●学校は「団結して生きる力」を育むところ
 大阪市の吉村洋文市長は、今年度の「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」の結果が政令指定都市の中で最下位であったことを受け、8月2日の市長会見で、今後、全国学力テストの結果を大阪市の教員の人事評価に反映させる制度の導入をめざすと表明した。
 子ども、学校、教育労働者を競争と分断に追い込むことを是とする吉村市長の発言に対して、即座に全国から批判の声や抗議の署名が沸き起こっている。
 そもそも学力テストで測る数値などは、「学力」と言われるもののほんの一部分であり、家庭背景や環境によっても大きく変わる。大阪市の子どもたちもまた、厳しい生活環境のもとでの「低学力」を強いられているといえるのだ。私たちは、学力テストで子どもたちを測り、分断することに反対する。テストの順位を競い合わせるために学校はあるのではない。本来学校は、子どもたちが「団結して生きる力」を育むところなのだ。学校生活の中での様々な体験を通して、仲間と協力して生きることを学ぶ場だ。「学力向上をめざせ」とは、資本のための論理でしかない。
 「子どもたちは社会に出たら切磋琢磨(せっさたくま)を求められる」「教員も切磋琢磨しろ」という吉村市長は本当に許せない。「切磋琢磨」とは、「他人と競争して資本家のために利益を上げる人間になれ」という競争原理であり、人間を「生産性」で評価する自民党の杉田水脈(みお)の思想とも同根だ。誰もが人間らしく豊かに生きられる社会を労働者の団結で実現するという私たちの思想とはまったく相反する。
●吉村市長の狙いは組合破壊だ!
 しかも、学力テストの結果を教員の人事評価と一時金に反映させるなどとんでもない。教員を吉村の手先にさせ、教員にその成果を競い合わせるなど、絶対に認めることはできない。
 現場には、「学力向上を言うのであれば、欠員の補充を先にやれ」「過重労働が常態化しているのにどこまで切磋琢磨しろというの?」「学力テストの結果が自分たちの評価に反映するようになれば、障がい児の排除や不正がでてくるのでは?」などの怒りや不安の声しかない。
 「公平で良い評価制度」など存在しない。評価制度は職場の団結を破壊し、解雇のための道具として使われる。吉村市長の本当の狙いは、学力テストと人事評価制度を使って、職場に競争と分断を持ち込み、団結を破壊することにある。改憲・戦争に突き進むこの時代に、「働き方改革」や民営化に反対する労働組合や、「教え子を再び戦場に送るな」と戦争協力を拒否するような労働組合を残しておけないということだ。職場から労働組合をなくそうとしているのだ。吉村市長の本音を引きずり出しているのは、「君が代」不起立を始めとして団結破壊と真っ向から闘ってきた私たちの存在だ。橋下徹前市長がやりきれなかった労働組合の解体を行うことこそ、吉村市長の真の目的だ。
●今こそ労働組合は実力の闘いに立ち上がろう!
 1960年前後の勤務評定や学力テストは、日教組の先輩たちが実力闘争によって形骸化させ中止に追い込んだ。労働組合と保護者・地域の人びとが団結して闘えば、吉村市長の攻撃は必ず粉砕できる。
 戦後わずか5年で始まった朝鮮戦争に直面した日教組の先輩たちは、「教え子を再び戦場に送るな!」のスローガンを決議した。そのころ政府が導入しようとした勤務評定に対して「勤評は戦争への一里塚」「二度と戦争を繰り返さない」という熱い思いと教育労働者の誇りにかけて、絶対反対の闘いに立ち上がった。職場・労組での討論を積み重ね、何度も集会を行い、ストライキ権を奪われている中で激しい弾圧や処分を受けながらも、10割休暇闘争=全国一斉ストライキにまで上り詰めた。
 その闘いは、今日まで勤務評定を形骸化させてきたばかりではなく、戦争教育などを許さない日教組の団結を守りぬいてきた。それゆえに「自治労と日教組を解体せずして改憲はできない」と桜井よしこらに言わせているのだ。安倍政権は「自ら戦争のできる国」へ変えるために改憲に突き進んでいる。彼らが恐れている労働組合の実力闘争の力を今こそ発揮する時だ。
 大阪市の教育労働者は実力闘争の第一歩として、地域の労組交流センターや合同労組に結集する仲間とともに、9月28日、大阪市役所前での「改憲・労組破壊を許すな」を掲げた集会とデモ(午後6時30分集合)に決起する。今、吉村市長を打倒することが改憲・戦争を阻止する道だ。
 労働者・労働組合の団結した実力行動こそが教育破壊と改憲・戦争を止める。世界のストライキを闘う労働者と連帯して、職場の団結を奪い返し、闘う労組をよみがえらせよう。教育労働者は改憲・戦争阻止!大行進の先頭で闘おう。

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