10・14三里塚全国集会へ 反対同盟の訴え

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週刊『前進』04頁(2975号03面01)(2018/09/24)


10・14三里塚全国集会へ
 反対同盟の訴え


 三里塚芝山連合空港反対同盟の4氏から、10・14全国集会(要項1面)の呼びかけが寄せられた。労農学連帯の力で成田空港会社(NAA)の卑劣な農地強奪攻撃を粉砕し、三里塚から戦争と改憲の安倍政権を打倒しよう。(編集局)

3代100年の農地守り抜く
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 私の農地をめぐる裁判はこの9月から秋へ、正念場を迎えました。請求異議裁判が結審を迎え、判決が出されようとしています。
 祖父・市太郎が天神峰のこの地で農業を始め、父・東市が過酷な戦争を体験し、空港反対運動を生涯貫いて守ってきた3代100年続いてきた農地です。あとから来た空港が私に「農業をやめて出て行け」などという資格は、まったくありません。
 NAAが明け渡しを求めている土地は、耕作権裁判も合わせて1万3千平方㍍以上。私が耕作する農地の73%です。これを取られるのは、農民としての自分の命が取られることです。
 NAAは自分で「強制手段をとらない」と公約しておきながら、それを踏みにじろうとしています。
 しかし、裁判の中で明らかになったのは、空港公団=NAAの不正・違法、脱法の数々でした。自分のつごうに合わせて「証拠」を偽造し、つごうの悪い文書は隠す。こんなデタラメを絶対に認められません。
 請求異議裁判の最終意見で、すべての思いのたけを述べます。最高裁の決定をひっくり返す決意です。私が直面している問題は、けっして私一人のことではありません。沖縄・福島と連帯し、動労千葉をはじめ闘う労働組合との団結を強め、「国策」の名で命と生活を脅かす攻撃を打ち破ります。周辺住民とともに空港機能強化を阻止します。改憲と戦争を進める安倍政権を倒しましょう。
 10・14集会に、みなさんが仲間を誘って参加されることを願っています。

農業つぶしと改憲許すな
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 市東さんの生きる権利を踏みにじる農地法裁判一審の多見谷判決、そしてそれを認めた最高裁の上告棄却に対し、執行の中止を求めて請求異議裁判を2年近く闘ってきました。
 確定判決の執行を阻んできたというのは、それ自身が重大な勝利です。NAAのやり口はあまりにも理不尽で反人民的な行為です。それに対して、われわれの側には、農民が自分の農地を守るという大義がある。
 だからこの裁判に、絶対に勝つという気持ちで挑んでいます。
 芝山町、横芝光町など空港周辺の住民が、機能強化、騒音拡大、第3滑走路建設に対して、次々と怒りと抗議の声を上げています。反対同盟はこれに連帯してともに闘います。来年も芝山町縦断デモを敢行したい。住民への大きな激励となると確信します。
 今安倍は、改憲・戦争政策に血道をあげています。そして、食糧は外国から輸入し、経営が立ち行かない中小の農家はつぶれればいい、という姿勢を隠そうともしません。本来国家は自国の農業を保護するのが当たり前だ。逆に安倍は自動車産業の利益のために、農業を売り渡した。農民の矜持(きょうじ)にかけて、安倍の農業つぶしと改憲・戦争を許さない。
 10・14はそのことを宣言する場です。どうかみなさん、闘いの中でつくられた三里塚の野菜を食べてください。そして10・14に大結集しましょう。

第3滑走路を阻止しよう
 事務局員 伊藤信晴さん

 三里塚は今、軍事空港粉砕・改憲阻止の闘いとしての自負を持って、安倍政権に立ち向かう覚悟です。全国の人民は必ずこれに呼応すると確信します。
 「働き方改革」と称した労働者の使い捨て、外注化・非正規職化に対し、無数の労働者が怒りをもっています。森友・加計問題での腐敗を居直る戦争と改憲の安倍を倒したいとの欲求が高まっています。
 10・14集会を全国のみなさんとともに大結集でかちとることで、国家権力とNAAに痛手を与え、裁判の勝利をつかみ改憲を阻む力になります。
 NAA、行政、推進派らが必死になって空港機能強化へ向けて策動しています。防音窓工事の効果を宣伝したり、移転の同意書取りでうごめいています。空港機能強化が町の過疎化をもたらすことを感じながら、無力感に襲われている人も少なくない。反対同盟はこれまでの一斉行動の成果に満足せず、もっと住民の話に耳を傾け、不満や怒りを形にする努力をしたいと思います。
 そうすれば今起きている住民決起をますます促進し激励し、機能強化策=第3滑走路を粉砕できます。
 この間の請求異議裁判の法廷では、憲法、農業の専門家が、市東さんの農業が持つ社会的な意義について証言してくれました。52年を数える三里塚の奥深さと豊かさを私もあらためて実感できました。
 9・27請求異議裁判から10・14全国集会へ、私たちの決意を示しましょう。

支援陣形の強化・拡大を
 事務局員 太郎良陽一さん

 反対同盟の多くの諸先輩方から闘魂を受け継ぎ、決戦本部長の任を引き受けて闘ってきました。実際に権力のやり口はいつも暴力とだまし討ちであり、これとの実力闘争を貫いて敵を圧倒してきました。
 3代100年耕し続けてきた市東さんの正直で真っ当な存在ゆえに、農地取り上げ強制執行に何の道理も正当性もないことが満天下に明らかになって、敵を押し込んでいます。
 今この裁判の現実の勝利のために、市東さん支援陣形の圧倒的強化・拡大が必要です。全国の労組、農民、学生、住民団体などが現地に駆けつけ、市東さんとスクラムを組んで闘うと声を上げることです。
 市東さんの闘いは、「すべてが金」の資本主義社会で、それに屈しない誇り高く人間らしい生き方を示しています。新自由主義のもとで、地域と自然と農業が日本全土で破壊されていく中で、多くの人が危機感を抱いています。資本主義には未来がないことが、誰の目にも明らかになっています。怒りの声が絶えず沸いています。
 「農地死守・実力闘争」の原則を貫き国家権力と非和解で闘いぬいたことで、三里塚は全国の闘いの司令塔になる資格がある、と故萩原進事務局次長は語りました。その巨大な可能性を実現する突破口が、10・14集会の大結集です。三里塚に集まり、ともに立ち上がりましょう。

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三里塚裁判日程
◎請求異議裁判
 9月27日(木) 正午
 千葉市中央公園集合
 千葉市内デモ
 午後2時開廷 千葉地裁
 (弁護団の最終弁論と市東孝雄さんの最終意見陳述)

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