三里塚新やぐら裁判 裁判長の拙速指揮と対決 弁護団が更新意見

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週刊『前進』04頁(2979号03面04)(2018/10/08)


三里塚新やぐら裁判
 裁判長の拙速指揮と対決
 弁護団が更新意見


 10月1日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で新やぐら裁判が開かれた。この裁判は、市東さんの天神峰農地に建つやぐら・看板などの四つの物件について、成田空港会社(NAA)が反対同盟に対し「収去と土地の明け渡し」を求めて提訴したものだ。今回はまず、左右両陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして、弁護団の意見陳述が行われた。
 反対同盟のやぐら・看板を取り除けというNAAの要求は、憲法第21条で保障された表現の自由を侵害するものだ。反対同盟は1967年当時から天神峰現地闘争本部に「空港絶対反対」の看板を建て、闘争のシンボルとしてきた。成田治安法によって現闘本部は暴力的に封鎖され破壊されたが、看板は市東さんの畑によみがえり、農民殺しの国策と闘い抜く心意気を示し続けている。
 そもそもNAA=空港公団は、地主然として市東さんに農地を明け渡して出て行けと迫っているが、旧地主からの底地の買収は耕作者である市東家に秘密・無断で行われており無効、土地の賃貸借契約解除も無効だ。また、空港施設への転用目的の農地取得といいながら、実際には転用計画など存在していなかった。すべて農地法違反だ。NAAの農地強奪攻撃と一体のやぐら・看板への破壊策動を許さない!
 弁護団の力強い陳述が法廷を圧した。
 裁判期日をめぐって、内田裁判長は拙速裁判の姿勢をむき出しにして、弁護団に人証請求書を早期に出せと迫ってきた。弁護団は、学者証人の意見書の手はずなど現在鋭意努力中であり、また、ほかの三里塚裁判との兼ね合いもあり、人証請求書の提出期限として次々回期日を来年3月とすることを求めた。裁判長は感情をあらわにして「そんなに待てない!」と弁護団を非難・攻撃した。
 NAA代理人の和田衛も「2カ月ごとに期日を入れるべきだ」などと発言。文書隠しで、まっとうな審理を妨げているやからの言うセリフか!
 傍聴席からは、期日を消化することしか念頭にない裁判長への弾劾の声が続々と上がり、弁護団は次回を11月26日、次々回を3月4日と確認させた。
 閉廷後の報告集会で、弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士は、早期結審を許さず証人調べを認めさせる決意を明らかにした。反対同盟事務局の太郎良陽一さんは、目前に迫った10・14三里塚全国集会の成功へ最後の奮闘を呼びかけた。

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三里塚裁判日程
◎団結街道裁判
 10月12日(金)
 午前10時30分 千葉地裁

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