解雇撤回・非正規職撤廃へ チャホノ支会長囲み連帯集会 「旭闘争こそ階級的労働運動だ」

週刊『前進』04頁(2981号03面01)(2018/10/15)


解雇撤回・非正規職撤廃へ
 チャホノ支会長囲み連帯集会
 「旭闘争こそ階級的労働運動だ」

(写真 日韓労働者の国際連帯を誓った【10月5日 東京都江東区】)

(写真 チャホノ支会長がアピール)

(写真 10月5日の朝、AGC京浜工場に出勤してくる労働者へのビラまきを終えて【横浜市鶴見区】)


 10月5日夕方、朝からの闘い(記事1面)に続き、東京都江東区で旭非正規職支会支援共闘会議の支援連帯集会が開催された。
 なんぶユニオンの大野八千代さんが司会を務め、元気に開会あいさつ。
 冒頭に「野の花は負けない」と題する旭支会の闘いのビデオが上映された。
 基調の提起は、共闘会議の清水彰二事務局長(群馬合同労組委員長)が行った。清水さんは今年5月の支援共闘結成以来の闘いを振り返り、「旭支会の闘いは、非正規職を撤廃し労働者が職場と社会の主導権を握る闘いだ」「改憲・戦争阻止の闘いと一体で解雇撤回を」と訴えた。
 大きな拍手で迎えられたチャホノ支会長は、「旭非正規職闘争は、非正規職労働者たちが労働組合として団結することができるという自信をもたらす闘いであり、未組織の非正規職労働者にとって生きる希望を与える闘いだ」「支援共闘会議を結成し国際連帯で共に闘う日本の同志たちの存在が大きな力になる」と語った。
 圧巻だったのがその後の質疑応答だ。チャホノ支会長は「現在、韓国では労働者の大多数が非正規職とされている。これは単なるカネの問題ではなく、資本が労働者を分断して支配することを最大の目的としているからだ」と攻撃の本質を語った。そして、「真の闘い、運動は、自らのためだけでなく劣悪な状況下におかれている労働者とともにするもの」という信念から、非正規職労働者が多く働く亀尾(クミ)市で「非正規職労働運動をよみがえらせたい」と旭硝子工場に入ったことを語った。
 「非正規職労働者が一から労組をつくるのはとても難しいことだが、労働者が自信をつけるために、非正規職労組は絶対に必要だ」「労働者は団結の中で自らの力を知り、闘いでその力を示す」「われわれは闘いを通じて世界を変える、われわれ自身が変わらなければ世界も変わらない」----旭支会の団結が、こうした階級的な立場に立つことで激しい攻防を乗り越えて維持されてきたと訴えた。
 共闘会議顧問の金元重(キムウォンジュン)さんは、この8月を転機として韓国で労働積弊清算の闘いが前進していることを報告。動労千葉の川崎昌浩書記長、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会の吉本伸幸書記長、なんぶユニオンの宮里勝博委員長もアピールに立った。なんぶユニオンからは闘争カンパの贈呈も行われた。
 最後に山本弘行共闘会議議長が、「グローバルグループの一体化」をうたい、人権・労働環境に留意していると宣伝しながら労働者を路頭に放り出したAGC資本を弾劾。「支援共闘は全員の解雇撤回・原職復帰に向け闘い、AGCに責任をとらせよう。旭闘争こそ階級的労働運動を体現する闘いだ」とアピールし、11・4労働者集会への大結集を呼びかけた。

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旭非正規職支会の闘い
 労組結成で178人解雇
 大資本・AGCと不屈に対決

 韓国の中央、大邱(テグ)市の北に位置する亀尾市にAGC韓国法人「旭硝子ファインテクノコリア(AFK)」はある。その工場で働く非正規職労働者が劣悪な労働条件を変えようと2015年5月29日に労働組合を結成。1カ月後の6月30日、AFKは下請け会社ごと労働者178人をメール1本で解雇した。以来3年4カ月、旭非正規職支会は工場門前のテントで座り込み、解雇撤回・非正規職撤廃を闘っている。
 解雇直後の15年7月と今年2〜3月、旭非正規職支会は二度にわたり、動労千葉を受け入れ団体として日本遠征闘争に取り組んだ。この交流の中から日本で継続的な支援連帯闘争に取り組もうと5月、「旭非正規職支会支援共闘会議」が結成された。以来、動労千葉と合同・一般労組全国協議会を軸として本社への抗議申し入れ・街頭宣伝、兵庫・尼崎、愛知・豊田、千葉・姉ケ崎などの工場門前での宣伝戦を行ってきた。

答えは「労働組合」

 「日本・アジア、欧州、米州、3極体制をベースに30を超える国と地域でグローバルに事業を展開」するAGCは、グループ会社210社、従業員5万人を抱え、17年は売上高1兆4635億円、連結営業利益1196億円の世界一のガラスメーカーだ。
 AGCの韓国法人AFKは05年、土地の50年間無償貸与や税の免除という破格の特恵を得て韓国に進出。しかし、社内下請けとして働く非正規職労働者には過酷な現実が強いられた。
 チャホノ支会長は言う。「われわれは最低賃金、チョッキ着用(懲罰)、過度の生産物量、食事時間20分などの非人間的な待遇を受けながら働いている。......なんでこんな扱いを受けなければならないのか。いつまで管理職たちの顔色を窺(うかが)わなければならないのか。......答えは明確だ。......われわれがひとつになって労働組合をつくれば良いのだ。労働組合をとおして現場を変えよう。労働組合をつくって人間らしく生きよう」(『野の花----工団に咲く』日本語版・123㌻)
 以来、3年を超える解雇撤回・原職復帰を求める闘いが続いている。非正規職撤廃へ共に闘おう。

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