動労水戸がストライキに立つ 車掌大幅削減・ワンマン拡大に反対 11・4日比谷に大結集を

週刊『前進』02頁(2984号01面01)(2018/10/25)


動労水戸がストライキに立つ
 車掌大幅削減・ワンマン拡大に反対
 11・4日比谷に大結集を

(写真 30人が集まり、勝田運輸区前でストライキに決起した国分副委員長と高野副委員長を先頭に抗議行動。監視に出てきた運輸区長などの管理職を弾劾した【10月17日】)

(写真 ストに立った木村書記長を先頭にJRを弾劾し、構内の労働者に「ともに闘おう」と呼びかけた【10月16日 大子運輸科門前】)

(写真 勝田駅東口で街頭宣伝。石井委員長の訴えを聞き中高生やJR利用者がビラを受け取り、足を止めた【10月17日】)


 動労水戸は10月16、17日、JR東日本が10月20日に強行した常磐線特急列車の車掌1人乗務化と水郡線のワンマン運転拡大に反対してストライキに立った。車掌の1人乗務化は、勝田運輸区での28人削減を始め計31人の車掌を減らす大攻撃だ。東労組が崩壊する中、労働者としてどう生きるべきかを模索している青年たちに、動労水戸は運転士がストライキを貫徹することで、ともに闘おうと呼びかけた。この闘いを跳躍点に11・4日比谷の大結集へ突き進もう。

水郡線 大子運輸科

 16日、水郡線・大子運輸科で木村郁夫書記長と外岡弘執行委員の2人の運転士がストライキに入った。
 組合員と家族、支援は午前10時、常陸大子駅前に集まり、集会と街頭宣伝を行った。木村書記長と外岡執行委員がマイクを握り、乗客の利便性を低下させ、列車の安全を崩壊させるワンマン運転の拡大を弾劾した。通行する住民は例外なくこの行動に注目した。「水郡線は列車本数が少なく、まともに病院にも通えない」という高齢者の切実な声も寄せられた。
 大子運輸科門前に移動し、木村書記長が「ワンマンでは列車の安全は確保できない。どうするんだと団交で聞いても、水戸支社は『ワンマンだからできない』と平気で言う。これが鉄道の管理者か」と居並ぶ管理者に怒りをぶつけた。
 水郡線運転士の根本透組合員は、構内の労働者に「分割・民営化で関連事業に行かされたが、絶対に運転士に戻ると三十数年闘いハンドルを奪還した。私の人生に後悔はない。あと5年、私は運転士として頑張る。動労水戸はけっして皆さんを裏切らない。私たちのもとに来てともに声を上げよう」と力の限り訴えた。構内から手を振ってこれに応える労働者もいた。
 動労水戸家族会、動労連帯高崎、とちのきユニオン、神奈川労組交流センター、婦人民主クラブ全国協、全学連が発言し、全員で大子運輸科にシュプレヒコールをたたきつけた。

常磐線 勝田運輸区

 17日、勝田運輸区で国分勝之副委員長と高野安雄副委員長の2人の運転士がストライキに立った。
 午後3時、勝田運輸区前に組合員と支援30人が集まった。勝田運輸区は常磐線の運転士、車掌が待機し、宿泊所もある重要拠点だ。
 国分副委員長が、「JRは10月10日から車掌1人乗務の訓練を始めたが、1人乗務で問題になることは何も言わない。これで20日からの1人乗務をやらせるのか」と運輸区長らを弾劾した。また、運輸区の労働者に、「労働者はこれは絶対に許せないということに対してストライキで闘う。動労水戸はストをできる組合です」と呼びかけた。
 動労千葉の大竹哲治副委員長をはじめ動労福島、動労東京、動労神奈川の連帯あいさつが続いた。
 勝田駅東口での街頭宣伝では、中高生やJR利用者が行動に注目し、ビラは次々と受け取られた。
 夕方には勝田駅近くの会場で総決起集会が行われ、勤務を終えた組合員も結集した。石井真一委員長がストライキの意義を明らかにし、「車掌1人乗務化とワンマン運転の拡大は乗務員勤務制度改悪、駅の外注化と一体の攻撃だ。そして、東労組を解体し、労働組合のない会社にする攻撃でもある」と強調した。さらに、常磐線全線開通反対の署名5175筆を10月15日にJR東日本本社に提出したことを報告し、東海第二原発の再稼働反対を訴え、「なんとしても組織拡大へ、団結を固めて闘おう」と呼びかけた。
 家族会の辻川あつ子さんは、この間の駅頭でのビラまきに家族会も決起したことを報告し、新組合員の拡大に自分たちも取り組む決意を示した。青年部の照沼靖功さんは「地域を巻き込んで闘ってきた。11・4労働者集会へ、安倍打倒へ闘おう」と訴えた。

地域に呼びかけ連日の駅前街宣

 ストライキに先立ち、動労水戸は常磐線や水郡線の各駅で連日の街頭宣伝を続けてきた。JRの極限的な合理化と人員削減を暴き、「安全を守ることが労働組合の社会的使命」と訴える動労水戸に、地域住民から激励の声が寄せられた。
 特急車掌の1人乗務化は列車の安全を破壊する。車掌には列車を安全に運行させる責務がある。1人が最後尾で状態を監視し、ドアの開閉や車内放送、指令からの指示受けを担当し、もう1人が車内を回って切符の点検や乗客の案内・対応をする。それを1人で行うことはとうてい不可能だ。
 水郡線のワンマン運転拡大は、JR東日本が全域で進めているローカル線切り捨ての一環だ。水郡線のほとんどの駅は無人で、列車本数も少なく2時間も列車が来ない時間帯がある。常陸大子―郡山間はたった1両での運行だ。JRは水郡線の利便性を低下させ、乗客減を口実に廃線に持ち込もうとしているのだ。
 労働組合が闘えば地域の怒りを束ねることができる。動労水戸のストライキはまた、JR青年労働者の心を激しく揺さぶった。これをばねに11・4の大結集を実現し、動労総連合の組織拡大を軸に階級的労働運動を復権させよう。

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