市東さんの農地守りぬこう 12・20千葉地裁判決を弾劾する

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週刊『前進』04頁(3002号03面03)(2019/01/14)


市東さんの農地守りぬこう
 12・20千葉地裁判決を弾劾する

改憲攻撃と一体の農地強奪判決

 三里塚芝山連合空港反対同盟・市東孝雄さんの農地をめぐる請求異議裁判での12・20千葉地裁高瀬判決は、「国策のための農地取り上げは空港会社と国の正当な権利」「市東さんの土地は借地だから取られてもやむを得ない」という、改憲攻撃そのものの極悪政治判決にほかならない。判決は日帝・空港会社と反対同盟・労働者人民は絶対に和解できないということを改めて示した。2019年三里塚・改憲阻止決戦に猛然と突入しよう! 市東さんの怒りを自らの胸に、1・13旗開きから3・31全国総決起集会へ、労農学の大結集を実現し勝利しよう。
 1991年11月から93年5月にかけて15回、運輸省、千葉県、空港公団(現・空港会社)、脱落派(熱田派)による「成田空港問題シンポジウム」が行われた。その結果を受けて運輸相と空港公団総裁が暴力的な空港建設を「反省」「謝罪」し、今後「空港用地の取得のために、あらゆる意味で強制的手段が用いられてはならない」と明言した。反対同盟はこれを、三里塚闘争解体のために脱落派を引き込んで行われた「話し合い」攻撃であり、「反省」も「謝罪」もペテンであるとして徹底弾劾し、改めて「一切の話し合い拒否・空港絶対反対」「農地死守・実力闘争」を宣言して闘ってきた。
 だが、運輸相や公団総裁が謝罪したことは重大なのだ。三里塚闘争の正義と大義は全人民共同の認識であり、この「反省と謝罪」が全社会に向けられたものであることは明白だった。だからこれは、日帝と空港公団・空港会社の肩に重くのしかかってきたし、やつらにとっていつか必ずかなぐり捨てなくてはならないものだったのだ。
 これについて12・20判決は、「話し合いによる解決のために合理的な努力を尽くした上でもなお」強制執行の権利放棄を約したものではないとし、「本件訴訟に至るまでの期間等に鑑みれば、被告(空港会社)は話し合いによる解決をするために合理的な努力を尽くしたと認められる」と、空港会社を全面的に擁護する。そして、「空港公団が強制執行権を放棄したり、成田空港周辺の全ての農家との間で、不執行の合意をしたりした事実は認められない」として、「話し合い」に乗ってきた脱落派との間での「合意」であり反対同盟と市東さんには関係ないというのだ。反省も謝罪もうそだと認めたということではないか。
 市東さんに対しては、1億8千万円の「多額の離作補償」をありがたく受け取れと言い、〝借地なのだから取られても仕方がない。その農地を空港建設に転用することには公共性があるのだから、空港会社が強制執行により市東さんから土地を奪うことは「正当な権利の行使」だ〟と言う。そして「適法な強制執行は平穏に実施されるべきもの」だから不当ではないと言い放つ。
 こんな人を愚弄(ぐろう)した判決が許されるか。こんなものは怒りの火で焼き尽くす以外にない。絶対に許さない。札束と強権で農民から農地を奪って強行してきた成田空港建設には、ひとかけらの正義も正当性もない。

強制執行許すな全国から結集を

 安倍は、沖縄・辺野古での新基地建設のために土砂投入を強行した。それと同時にこの極悪判決を下した。これは追い詰められ危機にある安倍の断末魔を示している。
 強権と暴力には絶対に負けない。市東さんと反対同盟は真っ向から闘いの正義を掲げて請求異議裁判を闘いぬき、農地強奪を認めた最高裁決定(2016年10月)を押し返し、決戦陣形を作り上げてきた。労農連帯・国際連帯を強め、全国の労農学とともに日帝・安倍の改憲攻撃を打ち砕いてきた。そして昨年11月、改憲・戦争阻止!大行進の中に反対同盟の旗が立った。市東さんとスクラムを組んで勝利する力が、ここに登場した。これをとことん発展させるのだ。
 三里塚闘争の決戦突入は、改憲阻止・日帝打倒の階級決戦の爆発と勝利を決定づける。青年・学生を先頭に全国から駆けつけよう。市東さんの農地を守りぬき、改憲発議を粉砕して安倍の息の根を止めよう。

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