統計偽造は国家犯罪 「アベノミクスの成果」もデマ 一切は安倍の責任だ

週刊『前進』04頁(3010号02面04)(2019/02/11)


統計偽造は国家犯罪
 「アベノミクスの成果」もデマ
 一切は安倍の責任だ

国家による詐欺

 国の基幹統計をめぐる不正・偽造問題について、安倍は厚生労働省の幹部職員22人を処分し、国会で「おわび」を口にすることで自らの責任を居直ろうとしている。だが、一切の責任は自民党・安倍政権にある。
 統計偽造は厚労省の毎月勤労統計に始まり、基幹統計の4割で問題があったと発表。それ以降に厚労省の賃金構造基本統計、さらに統計を統括する総務省による小売物価統計でも発覚した。大半の基幹統計が偽造されていたのである。
 毎月勤労統計の調査では、2004年からの不正調査の結果、本来より低い賃金の結果が出た。この統計に基づき給付水準が決まる雇用保険や労災保険、船員保険で本来より少なく給付されていた人は、延べ約2015万人、額は約564億円に上る。全員への追加給付など絶対にできないし、する気もない。国家による詐欺でなくて何か!
 不正調査によってつくられた実際よりも低い賃金のデータは、非正規職労働者をはじめ全労働者に低賃金を強いる道具としても使われ、人事院や自治体の人事委員会の給与勧告にも使われてきた。労働者人民に支払われるべきものが不当にかすめとられてきたのだ。

麻生・安倍が指示

 それだけではない。許しがたいことに厚労省は、実質賃金が前年同月比で伸びやすいように、毎月勤労統計の調査対象企業を18年1月に入れ換え、調査手法も大きく変え、その上、データ補正を行って数値を偽造していた。「アベノミクスで賃金が上昇」という虚構をつくるために麻生・安倍が直接指示したのである。
 実際、18年1〜11月の実質賃金の増減率を、実態に近い調査手法で計算し直すと、プラスは6月(0・6%)の1カ月だけであり、大半の9カ月分で前年に比べてマイナスになる可能性があると厚労省も認めた。
 「アベノミクスで賃金が上がった」などというのは、統計偽造によってつくられたうそ、デマゴギーであった。統計がうそであるにもかかわらず、10月からの消費税10%化を強行しようとする安倍は打倒あるのみだ。

労働者の怒りで

 そもそも問題の背景にあるのは何か。それは、雇用、福祉、年金、保育など労働者人民の生命・生存にかかわる厚労省の全体が、人員削減や長時間残業などの中で、無残な解体状況にあることである。
 新自由主義の自民党政権のもとで、資本の利益にならない部門はどんどん切り捨てられ、公務員が削減され、公務員労働者の誇りが奪われてきた。国家機構、官僚組織は労働者人民の生活、生命に何の責任も取らず、政権の言いなりになるだけとなった。この帰結が解決不能の統計偽造として暴き出された。
 この現実を覆す公務員労働者の怒りの決起こそ、労働者人民の怒りを結集して安倍と資本家政府を打倒する情勢を切り開く。
 事態の本質は、新自由主義とその国家の根底からの崩壊であり、そこから噴き出しているとてつもない国家犯罪である。国家ぐるみで大うそをつき、真実を隠蔽(いんぺい)してデマキャンペーンを行う安倍政権は、かつての大日本帝国の姿とそっくり同じである。このような政府・官僚機構による偽造、うその先にあるのが戦争・改憲である。
 自民党・安倍の国家犯罪を徹底追及し、労働者の怒りで打倒しよう。
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