全国農民会議が成田市で総会 現地調査し反対同盟と団結

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週刊『前進』04頁(3016号04面03)(2019/03/04)


全国農民会議が成田市で総会
 現地調査し反対同盟と団結

(写真 誘導路をへの字に曲げる市東さんの南台耕作地を見学し「農地死守」を誓う【2月16日】)

(写真 鈴木光一郎共同代表【右】が市東さんにカンパを手渡した。左は小川浩共同代表【17日】)


 2月16〜17日、全国農民会議第7回総会が成田市で開かれた。今回は三里塚反対同盟・市東孝雄さんの農地強奪反対の決意を込めて開催した。沖縄、福島など全国各地から40人以上の農民・農業関係者が結集して、現地調査、交流と討論を熱心に繰り広げた。

市東さん「この地で農業を続ける」

 16日は三里塚の現地調査から始まった。三里塚現闘の案内で、市東さんの自宅・畑、萩原富夫さんの畑、東峰墓地、東峰神社、開拓組合道路、岩山鉄塔跡や第3滑走路予定地をマイクロバスに乗って約4時間ていねいに見て回った。
 市東孝雄さんは自宅前で「私がこの家に戻った後にB滑走路も誘導路もできた。国とNAAはこんな所に戻ってくる私が悪いと言うが、うちはここに百年も前から住んでいる。私は体の続く限り、ここで農業を続ける」とあいさつ。太郎良陽一・決戦本部長は「強制執行に対して多くの人が集まることが力になる」と切に訴えた。
 初めて三里塚の地を訪れた農民は、欠陥空港のぶざまな姿を見て、「国は誰のために金を使っているのか」と憤りを語っていた。
 夕食をとりながらの交流会には、反対同盟から市東さん、太郎良さん、伊藤信晴さん、宮本麻子さんが、さらに現闘本部の仲間も多数参加した。自己紹介し、現地調査して数十年前の思いがよみがえったこと、市東さんの営農の現状を目の当たりにした驚きなどを口々に語った。反対同盟とのさらなる団結を深める交流会となった。
 2日目の総会の冒頭、鈴木光一郎代表が「三里塚絶対勝利へ、総会の成功をかちとり今年の闘いに打って出よう」とあいさつ。さらに反対同盟の市東さん、千葉労組交流センターから連帯のあいさつを受けた。

資本主義に代わる新しい社会めざし

 秋山和雄事務局長が議案を提起した。農民の生活を根本から破壊している安倍農政を徹底的に批判するとともに、「農民だけでなく労働者にとっても、すべての民衆にとっても、今の資本主義社会には展望がない。資本主義に代わる新しい社会をつくる立場に立たない限り、日本の農民に未来は見えない」と、総括と方針を熱烈に提起した。
 続いて、沖縄支部が基地建設反対の県民投票からゼネストへ向かう状況を報告し、岡山支部は西日本豪雨による真備町の被害を報告し、「国は資本を守るが、国民を守らない」と弾劾した。千葉支部は、徹底的に安く買いたたかれ自ら命を絶つ者が相次ぐ花農家の厳しい現状を報告した。小千谷支部は種子法廃止との闘いの現状を報告し、全国の仲間が積極的に討論した。
 小川浩代表は討論をまとめて、「三里塚や真備町での水害、花農家の苦境は全国農民の置かれている現実そのものだ。農家個々人は頑張っているが、問題は新自由主義の構造的なものであり、これを本気で変えるしかない。全国農民会議はこれが農民の生きる道だと示したい。19年を飛躍の年にしたい」と訴え、議案は満場の拍手で採択された。
 最後に、「市東さんの農地を守り抜き、反対同盟とともに闘う」との特別決議を採択し、緊急カンパの呼びかけに6万円以上が集まった。カンパと檄布(げきふ)を市東さんに手渡し、決戦の地=三里塚での総会は大成功をおさめた。
 19年を安倍打倒の決戦として飛躍をかけて闘うことを、今総会は鮮明に確認した。改憲阻止・杉並区議選勝利へ共に闘おう。3・31集会に大結集しよう。
(全国農民会議・山口敏昭)

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