自治労中央委員会に向け訴える 会計年度職員は雇用破壊だ 「働き方改革」攻撃うち砕こう

週刊『前進』04頁(3036号02面01)(2019/05/20)


自治労中央委員会に向け訴える
 会計年度職員は雇用破壊だ
 「働き方改革」攻撃うち砕こう


 5月29〜30日、自治労第157回中央委員会が開催される。攻防の焦点は会計年度任用職員制度だ。自治体職場の雇用破壊は、JRの運転士・車掌廃止、全鉄道事業「外部化」と共に、社会全体を崩壊させる。絶対反対で闘おう。

全道庁は1時間スト配置

 会計年度任用職員制度による雇用破壊を許さない闘いが、全国の自治体で大決戦に突入している。
 全道庁労連(自治労全北海道庁労働組合連合会、1万2千人)は、特別職非常勤職員の労働条件を破壊する当局の最悪の提案に対して、正規職・非正規職の団結を訴えて、5月末に1時間ストを配置して闘っている。自治労広島市は、当局の「正規職員の定年退職後は全て会計年度職員に置き換える」という総非正規職化の意図むき出しの回答に対して、団交決裂を辞さず絶対反対で闘い、新たな組合加入を次々とかちとっている。東京では「会計年度職員導入と共に、可能な限り民間委託を進める」「雇用を5年とするが評価制度を強化する」などと公言する各区当局との激しい攻防に入った。
 会計年度職員制度は「非正規職員の処遇改善」「手当の支給が法的に保障される」と称して、来年4月からの導入が狙われている。しかし政府が全国一律の導入を求める制度の核心は〈毎年全員解雇、試験・評価制度による選別採用、毎年試用期間1カ月〉だ。
 そんなことがまかり通ったら「処遇改善」どころか現行の雇用条件、労働条件まで破壊され、団結はズタズタにされる。「反抗したら来年はないぞ」という管理職による恐怖支配が職場を覆う。組合加入は著しく困難になる。民営化・外注化による業務縮小で即座に雇い止めできる「雇用の安全弁」とされる。地域の学習会では「恐慌が近いからいくらでも解雇できるようにするためだ」「長く勤め続けられる今の嘱託職員のままのほうがまだいい」「ストライキが必要だ」という声が上がった。
 22万人の特別職非常勤職員にとっては「今後は労働者としての雇用ではなく公務員としての任用」だとして団結権・スト権が奪われる。昨年12月、民営化・指定管理者制度の拡大に反対しスト寸前まで闘って勝利を得た練馬区立図書館専門員労組などの最大の武器を奪う攻撃だ。
 現場の激しい反発と闘いの中で、制度導入の条例化や募集規定の確定が遅れに遅れている。自治労本部は「会計年度職員制度の早期確立」を掲げるが、攻防の焦点は、安倍政権が改憲・戦争と一体で進める雇用破壊・団結破壊を絶対に許さない闘いだ。すでに東京・全国で制度を導入しないと決めた自治体が出ている。憲法第8章「地方自治」の縛りゆえに、国が地方自治体に強制することはできない。全ては力関係であり現場の闘い次第だ。

地方自治の破壊を許すな

 安倍政権は会計年度職員制度を、「自治体戦略2040構想」に基づく〈地方自治破壊・切り捨て、事業廃止・民営化、職員半減・総非正規職化〉の導水路と位置付けている。民営化・外注化、労組破壊との攻防もいよいよ全面化している。もしこうした攻撃を許せば、労働組合は団結を破壊され存立の危機に立たされる。これ自体が改憲・戦争に向けた攻撃だ。さらに自治体機能を破壊し大災害を深刻化させた「平成の大合併」の比ではない社会の崩壊をもたらす。絶対反対で闘いぬこう。
 自治体職場をめぐる攻防のもう一つの焦点が、賃金破壊との闘いだ。
 東京・特別区の18秋闘で特区連(特別区職員労働組合連合会、4万人)と東京清掃労組(5千人)は、史上最悪の人事委員会勧告による大幅賃下げを阻止した。闘う労働組合の団結が固まり、ストライキの機運が全国に広がった。4月新規採用職員の組合加入も増勢に転じつつある。
 しかし07年の現業賃金9%カットに続いて、18年4月に行政職に導入された新賃金制度で、青年労働者は管理職にならない限り一生低賃金だ。手取りで生活保護水準の低賃金にあえいでいる。40代前半で定期昇給は頭打ちになりそれ以上は上がらない。65歳までの定年制延長を口実に50代以降の大幅賃下げまで検討されている。会計年度職員制度による最低賃金並みの賃下げと共に、公務員賃金の破壊は地域全体の低賃金化をもたらす。新賃金制度撤廃、一律大幅賃上げ、非正規職撤廃を闘いとろう。

6・9国鉄集会に全国から結集を

 JR東日本の「変革2027」ビジョンは「人口減少」を強調して、運転士・車掌など全現業部門の「外部化」を示した。自治体が自治体でなくなる「自治体戦略2040構想」の論法と同じだ。官邸と一体で雇用・労働・賃金の破壊、組合根絶を進める社会全体の新たなモデルの実行に踏み出したのだ。それは非正規職化と貧困、地方切り捨てを極限まで進める国鉄分割・民営化以上の攻撃だ。
 しかしそんなことは絶対に破綻(はたん)する。職場・地域からの反乱は不可避だ。自治体労働者は動労千葉―動労総連合と共に国鉄・公務員決戦に立ち、安倍を倒そう。6・9国鉄集会に全国から集まろう。
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