国民投票 民放連がCM規制拒否 改憲派の宣伝一色に 金の力でメディアも制圧

週刊『前進』04頁(3036号03面02)(2019/05/20)


国民投票 民放連がCM規制拒否
 改憲派の宣伝一色に
 金の力でメディアも制圧

 5月9日に衆議院憲法審査会が開かれ、改憲国民投票の際のテレビ・ラジオCMについて、日本民間放送連盟(民放連)がCMの量的な自主規制を行わない方針であることを表明した。改憲派のCMを垂れ流すと宣言したに等しい主張だ。
 2007年に成立した国民投票法は、国会での改憲発議から60〜180日の間に国民投票を実施すると定めている。テレビとラジオの賛否を促すCMを投票の14日前から禁じているが、それ以前の期間に規制は存在しない。さらに「賛否を勧誘」しない内容ならば投票日前2週間も放送できるとしている。
 改憲推進派が金にモノを言わせた宣伝活動を野放図に展開することは明白である。国民投票日までの最大で半年間、自民党や日本経団連・大企業・大銀行などの財界、日本会議などの極右勢力が労働者から搾取して蓄えた何百億円もの金を投じてメディアを完全に制圧する。そして、その宣伝を日本最大の広告代理店でありブラック企業として有名な電通が担当する。
 07年の国民投票法には、「公平性を確保するためのメディア関係者の自主的な努力」を求める付帯決議がついていたが、民放連は「表現の自由」の問題にすり替え拒否した。本来、「言論・表現の自由」とは労働者民衆が権力者を批判することの自由であるが、民放連はまったく正反対に安倍の改憲運動に乗っかる道を選んだのだ。
 その一方、国民投票法は公務員と教育者に対して、投票運動を組織することを禁止する弾圧条項を盛り込んでいる。その対象者は500万人にのぼり、自治労や日教組をはじめ改憲と戦争に反対してきた労働組合を弾圧し、その活動を萎縮させ、労働者の団結を解体することを狙うものだ。
 与党筆頭幹事の新藤義孝・元総務相は9日の与野党幹事会で、次回の憲法審査会での国民投票法改正案の審議と採決を提案した。さらに記者団に対して「憲法審査のスピードを速めていかないといけない」と述べ、改憲に向けて自民党が一直線に突進していることを明らかにしている。
 安倍はあくまでも2020年新憲法施行を狙って突進している。国民投票法の改定を粉砕し、改憲を阻止しよう。

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