米帝クーデター策動に怒り広がる ベネズエラ大使館への突入許さず闘う

週刊『前進』04頁(3038号02面04)(2019/05/27)


米帝クーデター策動に怒り広がる
 ベネズエラ大使館への突入許さず闘う

(写真 ベネズエラ大使館前に集まった人々【5月18日 米ワシントン】)

(写真 「アメリカはベネズエラから手を引け!」ホワイトハウスへデモ)


 今年1月、ベネズエラで極右政党出身の国会議長グアイドが「暫定大統領」就任を宣言し、マドゥロ政権に反旗を翻した。しかし、アメリカ帝国主義に公然と支えられたこの軍事クーデターの試みは、ベネズエラ・アメリカをはじめとする労働者人民の闘いにより阻止され続けている。
 オバマ政権以来の経済制裁強化で、ベネズエラでは4万人以上の死者が出た。これ自体が戦争行為だ。自ら民衆を困窮させておきながら、米帝は2月には「人道支援物資」搬入という形での挑発を試みたが、失敗に終わった。4月末の野党指導者レオポルド・ロペスによるクーデターも失敗し、ロペスはスペイン大使館に逃げ込んだ。
 クーデターが筋書き通りに進行していないことに打撃を受け、ボルトン米大統領補佐官らはベネズエラへの軍事侵略に踏み込む意思をむき出しにしている。米帝はイラクやシリアで行ってきたことを、またも繰り返そうというのだ。
 これに対して、アメリカをはじめ全世界の労働者民衆が、「アメリカはベネズエラから手を引け!」と声を上げ、行動に立ち上がっている。現在の攻防の大きな焦点が、米首都ワシントンのベネズエラ大使館だ。
 トランプ政権は3月、ベネズエラの首都カラカスの米大使館から外交官らを引き揚げさせた。これに続いて、情報機関やグアイドを支持する極右勢力とともに在米ベネズエラ大使館を乗っ取ろうと狙い、襲撃の試みを繰り返してきた。電気と水の供給を停止し、食料を運び込もうとした人々を次々と逮捕したのだ。
 このなりふり構わぬ弾圧に対抗しようと、全米からベネズエラ出身者や活動家たちが結集し、4月半ばから泊まり込んで防衛の闘いに立ち上がっている。
 大使館の外壁には「クーデターをやめろ」「石油のための戦争をやめろ」などと書かれた色とりどりの横断幕が掲げられている。反戦団体ANSWER(アンサー)をはじめとするさまざまな団体が大使館防衛のための共同体を結成し、電気と水の供給再開、食料や医薬品を館内に運び入れることなどを要求するキャンペーンを広げている。
 5月1日にはグアイドが大使に任命したカルロス・ベッキオによる大使館襲撃のもくろみが完全に粉砕され、ベッキオは逆に地下通路から逃亡することを余儀なくされた。これに対して米帝は16日、重武装の警察を大使館に突入させ、活動家を逮捕した。在外公館の襲撃は前代未聞の暴挙だ。
 しかし18日には全米から約200人が大使館前に結集して集会を行い、ホワイトハウスへのデモも行われた。侵略戦争反対の闘いがさらに組織されている。
 米帝はこの間、戦争放火者としての本質をいっそう鮮明にし、中国への追加関税やイランへの制裁強化などを矢継ぎ早に進めている。共和・民主両党に加えて既成のメディアもすべてグアイドの側に着く一方、米帝の心臓部ワシントンから米帝の戦争政策にノーを突きつける労働者民衆の新たな行動が始まったことは決定的だ。クーデター阻止へ連帯して闘おう。

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