改憲阻止・安倍政権打倒かけ全ての力を労働運動の再生へ 19年決戦への革共同の新たな決意

週刊『前進』04頁(3038号03面01)(2019/05/27)


改憲阻止・安倍政権打倒かけ全ての力を労働運動の再生へ
 19年決戦への革共同の新たな決意


 安倍政権の危機と腐敗は極まり、労働者民衆に対する強権政治は我慢の限度をはるかに超えています。
 安倍と日本帝国主義ブルジョアジーは世界市場の支配権をめぐる国際争闘戦での敗退に追いつめられ、唯一の延命策として、米帝トランプ政権と組んで新たな戦争への道をひた走ろうとしています。そのために憲法9条の破壊を狙い、大軍拡を強行し、労働運動や学生運動などを弾圧・解体して一切の抵抗をたたきつぶした上に、全人民を再び戦争に総動員しようとしているのです。「働き方改革」の名で安倍が進める「労働組合のない社会」を目指す攻撃も、この改憲・戦争攻撃と完全に一体です。
 今やこの安倍政権に対し至るところで激しい怒りの声が噴出しています。4月の杉並区議選では、「戦争だけは絶対に許さない」という高齢者の思いと新自由主義の社会を根底から変えたいという若者の思いが結びつき、洞口朋子議員の上位当選という大勝利をかちとりました。この勝利の上に立って改めて、安倍を監獄にたたき込むような闘いをやりぬくためには何が必要か、その力をどうつくりだすかを真剣に考えねばなりません。

実力闘争の復権が問われている

 この時代に問われているのは今やただ一つ、労働者階級人民が団結して、安倍ら日帝支配階級を権力の座から実力で引きずり下ろすことです。韓国で労働組合のゼネストとのべ1700万人の大デモがパククネ政権を打倒したのと同じ闘いを、日本の地でやりぬくことです。戦争を実際に止め、労働者民衆の命を守り、人間の社会を崩壊のふちから救い出すことができるのは、労働者階級による革命以外にありません。
 革共同は、4月杉並区議選に洞口朋子同志を、7月参院選に前全学連委員長の斎藤郁真同志を擁立するという昨年全学連大会の決定を受け、この決定を支持してともに闘いぬいてきました。しかし内外情勢がいま一つ大回転してこれまでの予測をも超えた革命的情勢の急接近が明白となった現在、革命の勝利に不可欠で現在の私たちにまだ決定的に不足しているものは何かを見極め、そこに全力を投入して闘うことが求められています。
 それは何よりも、闘う労働組合と階級的労働運動の拠点を全国・全産別の職場に無数に打ち立て、ゼネストを実際に組織できる力をつくりだすことです。この力を軸に、学生運動の爆発とも結合し、「改憲・戦争阻止!大行進」運動の大衆的大発展をかちとること。動労千葉・動労水戸―動労総連合を先頭とする国鉄決戦の前進は、その可能性を圧倒的に示しています。
 5月5日、参院選の予定候補であった斎藤郁真同志から、不出馬の決断と新たな闘いへの決意を示す提起が出されました(別掲)。公安警察はこの直後に斎藤同志をでっち上げ逮捕し17日には起訴しました。この弾圧は杉並選挙の勝利に大打撃を受けた権力が、参院選への出馬妨害をも狙ってしかけたことは明白です。
 これへの反撃は獄中立候補ではなく、まさに斎藤同志自身が訴えている通り、労働運動・学生運動の大爆発で応えることです。
 その突破口として6・9国鉄闘争全国運動集会への大結集をかちとり、何としても11月労働者集会1万人結集に向かって進もう。

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参院選出馬を断念し、労働運動と学生運動の大高揚へ全力を注ごう
 斎藤いくま

「力ある革命党」への飛躍

 このたび、私は今夏参議院選挙(ダブル選挙)への挑戦を断念し、全ての力を闘う労働運動を始めとした社会運動の発展に注ぐことを決断いたしました。期待し、ともに闘う準備をしてくださっていた全てのみなさんにおわびします。この決断をするにあたって、考えていることを率直に述べ、皆様のご理解をいただきたく思います。
 2017年の衆院選から約2年が経ち、私たちが大きく成長したことは、今杉並区議選における洞口朋子さんの大勝利に端的に示されていると思います。
 既成政治への不信の一方、争闘戦の激化・戦争情勢の切迫の中で進む、改憲・戦争国家化と労働者民衆の権利破壊は、社会のあり方への疑問と怒りを広く生み出しています。洞口朋子さんの勝利は、この怒りに向き合う力を私たち全体が磨いてきたことが大きな主体的要因だったと考えます。そしてこの勝利は直ちに革命的共産主義者同盟への一層広い注目につながっています。
 しかし、選挙戦とその結果が及ぼす影響力を含めて私たちが本当に「力ある革命党」として登場するためにも、資本主義社会の理不尽に立ち向かう仲間をもっと増やしていきたいのです。そして全ての人が主人公であり、一部の権力者に決定権が独占されない、解放された社会をつくりたいと望んでいます。

労組なき社会を許さない

 搾取と富の格差を背景に、独占された暴力=権力が存在するこの社会では、必死に働いて社会を支えている人たちほど余裕をなくしています。
 私は17年衆院選挙の総括(17年10月30日付『前進』2889号)で、「労働者がこの社会の本当の主人公だということ......しかし、この主張がもっと受け入れられるためには『労働者の力』『団結することの可能性』を労働者民衆がどれほど信じられるか、がやはり大事だ」と述べました。つまり、私たちの主張に本当の意味で多くの人が共感してくれるようになるためには、闘う労働運動を始めとした社会運動が多くの人を組織し、力強く闘われていることが必要です。
 私は、率直に言ってこの点における私たちの力不足を見据え、国政選挙に挑戦するために準備した力を、思い切って日々の現場攻防に振り向け、組織を強化・拡大し、本当にゼネストを組織できる運動体----「労働運動のできる党」へと飛躍することを訴えます。
 経団連は2019年版経営労働政策特別委員会報告で「新卒一括採用や終身雇用、年功型賃金、企業内労資関係を主な特徴とする日本型雇用システム」の見直しを主張しています。これが何を意味するか。
 国鉄分割・民営化は総評を解体して「労資協調」の御用労組を主流とし、もって抵抗をできなくして改憲・戦争国家化を達成しようとする攻撃でした。今起きていることは、御用労組すら崩壊させ、総非正規職化して「労働組合のない社会」をつくろうという攻撃です。現代の「産業報国会」をつくる動きに他なりません。
 そしてだからこそ、国鉄分割・民営化に立ち向かって団結を守りぬき、労働運動の後退を食い止めてきた根底的な力である動労総連合および11月労働者集会陣形への凶暴な攻撃が来ています。全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部への常軌を逸した労組破壊の弾圧はまさしくその象徴です。反撃の力がまぎれもなく日本労働者階級の内部に力強く存在しているからです。
 日本帝国主義・安倍政権はこれまでのように労働者の上層・労働貴族を買収する余裕すらなくなり、弱っています。帝国主義が危機のとき、「パン・土地・平和」の要求が体制内での解決をこえて革命へ向かったように、この情勢は私たちの挑戦しだいで日本革命の突破口への大チャンスにできると考えます。

11月集会に1万人結集を

 日本共産党が新天皇即位に祝意を表明したことに象徴されるように、既成野党は労働者民衆の力を信じようとせず、人々の変革への思いを引き出し、位置づけ、高めることが根本的にできません。
 人間の可能性を信じ、不屈に闘いぬいてきた私たちは新自由主義の厳しい攻撃に立ち向かい、耐えぬき、現場の最先頭でときに孤立してもその旗を守りぬきました。それゆえに、既成政治に絶望した若い世代からの私たちへの期待は明白に高まっています。
 改憲がスケジュールに上るこの情勢で国政選挙に挑戦することは本来、革命党として避けるべきことではありません。しかし、帝国主義の危機を真に革命に転化するためには私たちの現在の主体的力量の不足を見据え、そこをまず突破しなければなりません。
 労働運動を始めあらゆる戦線での飛躍、喫緊の最大課題である星野文昭さんの解放をかちとり、11月労働者集会の1万人結集を実現する力・組織の拡大を追求していきましょう。「労働運動のできる党」へ、党と労働組合の一体的建設を進めていきましょう。
 あらためて、ともに闘うすべてのみなさんにこの決断をご理解いただき、この社会の根本的変革へ向け、力を合わせて進んでいきたく思います。(5月5日)

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