日帝こそが恥を知れ! 徴用工問題 歴史の真実は消せない 韓国バッシングの狙いは戦争だ

週刊『前進』04頁(3054号04面05)(2019/07/22)


日帝こそが恥を知れ!
 徴用工問題 歴史の真実は消せない
 韓国バッシングの狙いは戦争だ


 安倍政権はこの間、徴用工問題をめぐって韓国に対する経済制裁を発動した。 現在の状況は、あまりにも異常だ。政府は、制裁が「徴用工訴訟判決への対抗措置ではない」と言いながら、「韓国が信頼関係を損ねた」と繰り返し、メディアも連日、あたかも日本政府には何の非もなく、韓国側が一方的に不誠実な対応をとったかのような大キャンペーンをはっている。しかし、これは事実を180度ねじ曲げるものだ。
 何よりもこれは、安倍政権が改憲と戦争国家化に突き進むなかで、われわれ日本の労働者民衆に屈服を迫り、反戦闘争や国際連帯をたたきつぶすために仕掛けられた「歴史戦」だ。
 このような歴史の偽造・居直りと経済戦争とがまかり通れば、その先にあるのは戦争だ。われわれは今、改憲・戦争を止め、民主労総をはじめ韓国労働者民衆と共に日帝を打倒するのか、それとも再び日帝の戦争を許すのかという歴史の分岐点に立っている。
 かつての強制連行は、日帝の総力戦遂行のための国策として推進され、警察や行政・軍部が総ぐるみで担った。安倍政権は、これが「国民徴用令に基づく合法的な動員」であったと主張するが、事実はどうか。
 「深夜や早朝、突如男手のある家の寝込みを襲い、あるいは田畑で働いている最中にトラックを回して何気なくそれに乗せ、かくてそれらで集団を編成して北海道や九州の炭鉱へ送り込み......という乱暴なことをした」(鎌田沢一郎「朝鮮新話」)。強制連行された労働者は鉱山や土木工事現場のような過酷な現場に投入され、徹底した差別と暴力支配のもとで奴隷同然に働かされた。加えて、多くの労働者が日本人労務担当のリンチで虐殺された。
 「軍艦島」として知られる長崎県の端島(はしま=写真)では、数百人の朝鮮人徴用工が三菱資本のもとで1日12時間もの石炭採掘作業を強要され、ガス爆発などの危険と隣り合わせの労働と暴力で122人が殺された。宮城県の線路工事の現場では「枕木一本に朝鮮人一人」と言われた。今なお正確な連行者数や死者数すら不明で、多くの遺骨が地中に埋まっている。
 日帝は「1965年の日韓基本条約―日韓請求権協定で解決済み」と繰り返すが、今回の韓国・大法院判決は、日韓条約では日帝が否定した韓国併合―朝鮮植民地支配の不法性を明確にした。その上で、植民地支配下で行われた不法行為による損害賠償請求権は日韓請求権協定の対象外だったとしたのだ。
 日韓条約から50余年、改めて日帝の侵略と朝鮮植民地支配が断罪された。しかし日帝は敗戦から現在に至るまで植民地支配と侵略戦争の責任を何一つとらず、被害者への謝罪も賠償もしていない。日本軍軍隊慰安婦問題についても同様だ。
 一方で徴用工とされた人々は、二度と同じ歴史を繰り返してはならないという思いから謝罪や賠償を求めて命がけで闘ってきた。
 韓国労働者民衆との団結にかけて、日帝の支配に今こそ終止符を打とう。安倍の狙う改憲・戦争を絶対に阻止しよう。
(佐々木舜)

このエントリーをはてなブックマークに追加