日産が1万人超す大リストラ 解雇は殺人だ! 労組で反撃を

週刊『前進』04頁(3062号02面03)(2019/08/26)


日産が1万人超す大リストラ
 解雇は殺人だ! 労組で反撃を

労働者を犠牲に「業績回復」狙う

 カルロス・ゴーンなきあとの日産自動車が、労働者への大合理化・大量解雇攻撃に突進している。西川広人社長ら日産経営陣は7月25日の決算会見で「業績回復」を叫び、2023年3月末までに世界14拠点で1万2500人以上の人員削減を行うと打ち出した。約13万9千人の全労働者数の約1割に相当するすさまじい大リストラである。
 日産はすでに今年5月に4800人の人員削減を打ち出していたが、4~6月期の連結営業利益が16億円に落ち込み、1091億円だった前年同期から98・5%減少。世界販売台数は6・0%減となった。この「過去10年で最悪」の結果を受けてリストラ計画を積み増した。米国やインド、メキシコを含め8拠点で約6400人以上を来年3月までに削減する。その後、20年度から小型車を製造する欧州やアジアの6拠点で6100人以上を削減する計画だ。国内では福岡県と栃木県の工場を対象に、期間工労働者の契約更新を止めることで880人の首切りを行う方針だ。
 日産による全世界と日本の労働者の大量解雇は、絶対に阻止しなければならない。
 労働者の希望はどこにあるのか。必要なのは、首切りを許さず真っ向から闘う労働組合だ。資本の存続のために首切りにも反対できない労働組合は、労働組合ではない。韓国・民主労総の闘いに学び、解雇攻撃に立ち向かい「一人の首切りも許さない」労働組合を現場からつくり出そう。
 日産経営陣は、ゴーン体制のもとでの無理な経営拡大路線が業績悪化につながったとし、今回の首切りを正当化している。だがこれは、大恐慌の中で日本帝国主義の製造業が大崩壊し始めたことを意味する。労働者を解雇しなければ生き延びられない資本主義など打ち倒すべきだ。
 サプライチェーン(供給連鎖)のトップにある自動車メーカーのリストラは、直ちに、部品・原材料などを納入する下請け・孫請け全体に及ぶ。膨大な数の労働者の失業・解雇に直結する。非正規職労働者を必要な時だけむちゃくちゃに酷使しておきながら、資本にとって要らなくなれば直ちに使い捨てるというのか。労働者は物ではない!

大量解雇の嵐に絶対反対しよう

 解雇の嵐は日産にとどまらない。東芝、パイオニア、ルネサスエレクトロニクスなどの大企業が軒並み、今後数年で数千人規模の大量人員削減を打ち出し、解雇や退職勧奨が始まっている(表)。メガバンクでも三菱UFJ、三井住友、みずほグループなどですさまじい人員・店舗削減が開始されている。世界大恐慌の再爆発が迫る中、非正規職労働者を先頭に、労働者が次々と路頭に放り出されている。
 経団連と安倍政権・厚生労働省は、解雇自由と労働組合破壊を狙い、「解雇の金銭解決制度」創設をあくまで狙っている。どんな不当解雇でも金銭さえ払えば解雇撤回しなくてよいとし、組合破壊を目的とした首切りもやりたい放題となる制度だ。不当労働行為は完全に野放しとなる。
 だがこれは、労働組合を絶滅することなしには貫徹できない。だからこそ、攻撃の切っ先として国鉄闘争破壊と全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧があるのだ。「労働組合なき社会をつくる」攻撃に対して全ての労働者の怒りを結集し、首切りと闘う労組を再生しよう。

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リストラ計画を進める主な企業
日産自動車 22年度末までに全世界14拠点で1万2500人削減。国内で期間工880人超削減
曙ブレーキ 3000人規模のリストラ計画を進める。国内外6工場を閉鎖・売却
パイオニア 今年6月に「希望退職」実施。3000人規模のリストラ計画の第一弾
ルネサスエレクトロニクス 6月末に1000人削減。国内外13工場を一時稼働停止。国内主要6工場は最大2カ月間
東芝 1400人規模の「希望退職」

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