韓国民衆、軍事同盟崩す 労働者国際連帯で安倍打倒へ 労働組合つぶしに反撃し改憲・戦争阻止のうねりを

週刊『前進』04頁(3064号01面01)(2019/09/02)


韓国民衆、軍事同盟崩す
 労働者国際連帯で安倍打倒へ
 労働組合つぶしに反撃し改憲・戦争阻止のうねりを


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 日本政府は8月28日、安全保障上の輸出管理において手続き簡略化の対象となる「グループA(ホワイト国)」のリストから韓国を除外した。7月の半導体材料など3品目の輸出規制に続いて、今回の措置で食品や木材などを除くほぼすべての品目が対象となり、国内企業は韓国向け輸出契約の1件ごとに国の許可をとることが必要となった。安倍政権によるこうした措置は、日韓労働者の国際連帯を破壊して改憲へ突き進もうとする攻撃の一環である。これに対し、韓国で民主労総を中心に「NO安倍」「日韓労働者は団結しよう」と訴える闘いが広がっている。これに応え、日本から安倍政権打倒の闘いを巻き起こそう。動労千葉など3労組と民主労総ソウル地域本部が共催する11月国際共同行動と11・3全国労働者総決起集会の大成功をかちとろう。

臨時国会改憲発議阻止へ

 昨年来、安倍政権による韓国への敵対政策が続く中で、韓国・ムンジェイン政権は8月22日、日韓GSOMIA(軍事情報包括保護協定)の破棄を決定し、25、26日には独島(竹島)で軍事演習を行った。GSOMIAは、韓国・ソンジュへの米軍高々度迎撃ミサイルシステム(サード)配備の動きと並行して、パククネ前政権と日本の安倍政権との間で2016年11月に締結された。朝鮮半島での戦争を準備する軍事協定であり、安倍政権にとっては自衛隊の朝鮮半島派兵のために不可欠のものだった。GSOMIAに象徴される日米韓軍事同盟は、北朝鮮への戦争を狙うとともに、民主労総を先頭とした韓国労働者階級の闘いを圧殺するための体制にほかならない。
 だが、パククネ前政権を打倒した韓国民衆のろうそく革命は、安倍がもくろんだ軍事同盟の構築を大破綻させた。この闘いに続き、排外主義と戦争・改憲をあおる安倍政権を今こそ打倒しなければならない。
 8月24〜26日にフランスのビアリッツで開催されたG7サミット(主要7カ国首脳会議)は、帝国主義間の対立を顕在化させ、これまで毎回出してきた「首脳宣言」を見送るという異例の事態となった。この中で、米トランプ政権との貿易交渉でも押しまくられ、最も危機的なのが日本の安倍政権である。もはや安倍は、日本が帝国主義国家として生き残るためには、自衛隊の海外展開も軍事行動も無制限にできるよう、戦後的な制約のすべてを突破するしかないと考え、改憲=9条破壊へと突進するしかなくなっている。
 近く内閣改造を行い、10月4日開会予定の臨時国会で国民投票法改正案を成立させ、改憲発議まで強行しようというのが、当面する安倍のプランである。この過程を、10月22日の新天皇の「即位礼正殿の儀」などの天皇制攻撃を使って乗り切ろうとしている。国家主義、愛国主義、排外主義の大宣伝を打ち破り、改憲阻止・安倍打倒の闘いを全国で巻き起こそう。

外注化・非正規化と対決

 安倍政権による「労働組合のない社会」「非正規だけの社会」を狙う攻撃に対し、労働者階級の反撃が始まっている。
 8月21〜22日に熊本で開催されたJP労組全国大会では、日本郵便によるかんぽ不正販売が大問題となる中で、長門正貢日本郵政社長の来賓あいさつに会場からやじが飛んだ。大会会場に詰めかけたJP労組組合員は「不正販売の責任を現場労働者に押しつけるな!」とビラやマイク演説で訴えた(記事2面)。
 8月27〜29日に福岡で開催された自治労全国大会では、会計年度任用職員制度の導入、マイナンバーカード強要、幼児教育・保育無償化10月実施といった政府の施策を自ら推進する自治労本部に対して怒りの声が噴出した(記事2面)。外注化・総非正規職化、現業全廃と自治体労働運動解体の歴史的大攻撃といかに闘うのかが問われる中、全国労組交流センター自治体部会のビラが多くの大会参加者に配布され、大きな注目と支持が寄せられた。
 改憲・戦争を阻止する闘いの帰趨(きすう)は、労働組合解体攻撃を打ち破ることにかかっている。最大の焦点は、全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部への大弾圧との攻防だ。労働運動・学生運動を一掃し、労働者の無制限の搾取と戦争動員を可能にするために、安倍政権とその背後にいる財界・大資本は関生支部への大弾圧に踏み込んでいるのだ。全国の労働者・労働組合の共同の闘いで絶対に粉砕しよう。
 学校現場では、教育の国家支配との攻防が激しく闘われている。現場から教育課程編成権を奪い、放射能安全神話を説く「放射線副読本」を教組ばかりか教育委員会すら無視して現場に押し付ける政府・文科省の攻撃が広がっている。8月5日に広島で全国集会を開催した「改憲・戦争阻止!広島教職員100人声明」運動は、こうした攻撃を打ち破る教育労働者の根底的決起の号砲だ。この闘いをすべての労働者、保護者、住民に拡大しよう。

常磐線開通阻止!水戸へ

 9月22日、「高線量地帯に向かって列車を走らせるな! 常磐線の全線開通は安全か? 9・22水戸集会」(主催/集会実行委員会)が開催される。集会実行委は次のように訴える。
 「JR東日本は、東日本大震災・福島第一原発事故によって一部不通になっている常磐線を、『2020年3月までに全線開通を目指す』と発表しました。不通となっているのは浪江駅から富岡駅までの約20キロ。そこは、震災・原発事故から8年以上が過ぎた今でも立ち入りが禁止されている『帰還困難地域』です」「JR東日本は、『線路上は除染して線量が下がったから問題ない』『(帰還困難区域内の)常磐線は全線運転再開時に避難指示解除される見込み』としています。しかし、福島第一原発事故は収束したのでしょうか?」
 そして小児甲状腺がん多発の事実を「原発事故の影響ではない」と隠蔽(いんぺい)する政府・福島県への怒りとともに、「福島県の避難者や子どもたちを切り捨てる常磐線の全線開通は中止すべきです」と結んでいる。
 11年3・11福島原発事故から8年、何も収束していないし、誰も責任をとっていない。このことをはっきりさせなければならない。動労水戸をはじめ被災地の住民は生きるために団結し、政府の被曝・帰還の強制と闘ってきた。この闘いと固く連帯し、全国から9・22水戸に結集しよう。

旭支会が第5次日本遠征闘争へ

 8月23日、日本企業のAGC(旧旭硝子)を相手に解雇撤回闘争を闘ってきた韓国の民主労総金属労組・旭非正規職支会は、非正規職労働者23人の直接雇用をAGCファインテクノ韓国に命じる勝利判決をかちとった(本紙前号で既報)。旭支会はAGC本社に交渉を求める第5次日本遠征闘争を9月2〜7日に行う。日韓労働者の国際連帯を打ち固め、AGC本社に迫る闘いに共に決起しよう。
 11・3労働者集会は、「関西生コン支部弾圧粉砕! 国鉄1047名解雇撤回! 改憲発議絶対許すな! 非正規職だけの社会にするな! 闘う労働組合の全国ネットワークを!」のスローガンで開催される。同時に11・3集会は、「東京―ソウルを結ぶ国際連帯行動」の一環として呼びかけられている。安倍政権が「日韓対立」をあおり立てる中で、日韓労働者の国際的団結を打ち固める場となる。
 改憲・戦争、貧困・非正規職化への怒りを11・3集会に集めよう。そして星野文昭さんに獄死を強いた国家権力を徹底弾劾し、国賠・再審を闘おう。

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