洞口区議 質問に立つ 日韓民衆の国境越えた連帯を 自治体労働者の非正規化反対

週刊『前進』02頁(3069号02面02)(2019/09/19)


洞口区議 質問に立つ
 日韓民衆の国境越えた連帯を
 自治体労働者の非正規化反対

(写真 質問に立つ洞口区議【9月11日】)

 9月11日、都政を革新する会の洞口朋子杉並区議が区議会定例会で「日韓関係」と「会計年度任用職員制度」について質問を行った。区幹部は会計年度任用職員制度について「職員の非常勤化を目的としたものではない」としつつも、労働組合法の適用については明言を避けた。質問の要旨を紹介します。(編集局)

交流事業の実施を

 昨年秋、韓国での「元徴用工」賠償判決以後、安倍政権による半導体原料などの輸出規制や、「ホワイト国」指定解除、韓国からのGSOMIA(軍事情報包括保護協定)破棄など日韓対立が激化し、排外主義的言辞があおられています。
 そもそもの原因は、日本政府が侵略・植民地支配による責任を日韓基本条約も通じてすべて頬かむりしてきたこと、さらには、日米安保軍事同盟がトランプ大統領の対中激突と安倍首相による改憲策動によって具体的な戦争同盟へと変貌(へんぼう)してきたことにあります。
 今こそ、日韓労働者民衆の国境を越えた連帯が求められていると思います。杉並区においても、自治体レベルでの日韓交流を強化していくべきと考える立場から、以下質問します。
 ①田中区長は現在の日韓対立について、政治家としてどう捉えているか、見解を述べてください。
 ②1991年から始まったソウル市ソッチョ区との青年交流事業が2011年に中止されていますが、その理由を答えて下さい。
 ③本年7月から杉並区の職員がソッチョへ派遣されていると聞いていますが、その職員の方から反日感情など、職場・街の様子についてどのような報告がありましたか?
 ④杉並区としてより積極的な日韓交流事業を実施すべきと思いますが、いかがでしょうか?
 ⑤阿佐谷北にある朝鮮第9初級学校に杉並区としての支援活動をすべきではないでしょうか?

任用職員制度とは

 2020年4月からの導入が予定されている会計年度任用職員制度は、「非正規雇用の処遇改善」を名目としながらも、実際の狙いは自治体労働者の非正規職化を加速させることであることから絶対に反対です。
 公務員職場の非正規職員はどんどん増え続け、16年の総務省の調査によると、05年から4割増加、93の自治体で非正規職が5割を超えています。臨時・非常勤職員の全体の約4分の3は女性が占めています。
 「日本の労働者の賃金は時給換算で20年の間に9%下落した」というOECD(経済協力開発機構)の発表は、大きな衝撃を与えました。労働者の平均賃金を引き下げた要因は労働者の非正規職化です。1985年時点で全労働者に占める非正規雇用の割合は16%でしたが、現在は40%を超えました。2017年に非正規労働者の平均年収は175万円。特に女性の半数以上が非正規雇用、そのうち20〜30代女性の8割以上が年収200万円未満です。
 会計年度任用職員は「一般職非常勤職員」とされることから、正規雇用労働者の非正規職化が実態として進むことも懸念されます。
 以下、質問します。
 ①この制度を導入する杉並区としての狙いは何でしょうか?
 ②杉並区には非常勤労働者で組織される労働組合は存在しますか?
 ③会計年度任用職員によって組織される労働組合は労働組合法が適用されず、権利を制限される労働組合になるのでしょうか?
 ④この制度の導入によって正規・非正規を問わず一般職とされることから、その職務権限に正規・非正規に差異はなくなり、同様の責任を担うことになります。その結果として、正規労働者を非正規労働者に置き換えていく導入口とされるのではないでしょうか?
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