10・13三里塚全国集会へ 反対同盟アピール

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週刊『前進』04頁(3074号03面01)(2019/10/07)


10・13三里塚全国集会へ
 反対同盟アピール


 10・13全国総決起集会(要項1面)に向け、三里塚芝山連合空港反対同盟の4人からアピールが寄せられた。市東さんの農地を守り、空港機能強化策を粉砕しよう。改憲阻止・安倍打倒へ、呼びかけに応えて大結集しよう。(編集局)

天神峰の地で農業続ける
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 台風15号の被害に対するみなさんの温かいご支援に心から感謝しています。
 9月24日に東京高裁で請求異議裁判の控訴審第1回が開かれ、私はこれまでと変わらず、天神峰の地で農業を続けていく気持ちを陳述しました。
 昨年12月、農地取り上げの強制執行をやめさせるように求めた私の請求異議の訴えを、一審の千葉地裁・高瀬裁判長は不当にも棄却しました。農民である私への死刑判決そのものであり絶対に認められません。
 天神峰と南台の農地は、祖父の代から100年耕してきたところです。NAA(成田空港会社)に「地主」を名乗ったり、まして強制執行で私を追い出したりする資格はありません。
 一審判決はさらに、NAAの前身である空港公団が、かつて強制的手段の放棄を公約したことについて、「話し合いが頓挫した場合についても、強制的手段をとらないとまでは言ってない」と、NAAさえ言っていなかった珍解釈を述べました。強制執行にお墨付きを与えるためだけにひねり出したへ理屈であり成り立つはずがありません。
 また一審判決は離作補償の額が「平均的農業所得の150年分」とか「農業経営が行われた場合の利益の約109年分」に相当すると強調しています。冗談じゃない。私は金がほしくてやっているんじゃない。私が心底求めていることは、自分の農業を続け、消費者のみなさんに新鮮で無農薬の本物の野菜を届けることです。不当きわまりない判決を絶対に覆すために、控訴審を全力で闘います。
 沖縄、福島をはじめとした全国の住民闘争、動労千葉や関西地区生コン支部を先頭とする労働組合の闘いとも連帯し、私はここで農地を守り、耕し続けます。
 みなさんとともに、10・13全国集会の大成功をかちとりたいと思います。

欠陥空港の現実あらわに

 敷地内東峰 萩原富夫さん

 台風15号により大きな損害を受けました。そして2日間の停電。過酷な状況に、最初は何から手をつけていいかわからないほどのショックを受けました。
 行政の対応は後手後手に回っていました。情報がまったく得られないことが、一番苦しかった。ネットも電話もつながらず、いつこの状態が解消されるのか、住民は不安の日々を強制されました。芝山町では熱帯夜が続く中で、夜は窓を開けるしかない。そこに飛行機の騒音が容赦なく襲いかかりました。本当なら空港を閉鎖し、着陸機を別の空港に回すよう考えてもいい事態です。しかし、もうけを優先してとにかく受け入れ続け、空港内に1万数千人の人びとがあふれ、パニックに陥った。空港の持つ問題点が浮き彫りになりました。次回の一斉行動では、この欠陥空港の問題を積極的に住民に暴露しようと思います。
 9月25日、日米貿易協定で「最終合意」がなされました。米国産の牛豚肉はTPP水準まで一気に関税を引き下げられ、一方コメは現在の関税が何とか維持された。日本が米へ輸出する自動車への制裁関税はないことを確認したが、安倍は結局「車を売るために農産物を明け渡す」という農家つぶしの姿勢を貫いています。こんな政治のもとで農民は生きていけず、労働者も食糧を確保できません。
 闘いの場に若い力が必要です。三里塚は代を継いで半世紀以上続く「古い」闘いですが、厳しい労働、低賃金、非正規職化に対し声を上げようとする青年たちを励まし勇気を与え、「今」に通用する闘いだと確信します。だから、三里塚闘争を大いに活用して若者を呼び寄せてほしい。
 10・13集会に集まろう!

空港機能強化策うち砕く
 事務局員 伊藤信晴さん

 私の住む芝山町では、1週間以上たっても全体約3千軒のうち2500軒の停電が続きました。空港は真っ先に直して飛行機をバンバン飛ばし、騒音下の住民にはエアコンのつかない生活を強制。町の対応は本当にひどい。空港一辺倒のゆがみが出ています。
 この災害の状況を見ても資本主義は終末を迎え、戦争を起こす以外に延命できなくなっています。今こそ打倒するチャンスです。搾取され収奪されている民衆との真の連帯を求めていきたい。全民衆の力で市東さんの農地強奪攻撃を打ち返すことが戦争を阻止する道です。
 市東市太郎さん、東市さん、孝雄さん、3代にわたり耕し続け不屈に闘い続ける姿の中に、日本農民の歩んできた道を象徴的に見ることができます。市東さんの農地死守決戦を徹底的に闘うことを通して、戦争・改憲に突き進む安倍政権を倒す陣形を広げましょう。
 首都圏空港機能強化策は根底において破産しています。そもそも内陸に空港を持ってきたこと自身が住民無視の無謀な計画です。国内の多くの空港や基地でも夜間は8時間以上の静穏が確保され、睡眠が保障されています。しかし、「成田は国際空港だから」と言って24時間化を進めています。羽田空港も大臣との約束を破って都心上空を飛ばそうとしています。
 53年の闘いで事業認定を失効させた闘いの大きな地平を武器に、空港機能強化策を必ずや粉砕できると確信しています。住民が強いられている困難な生活への怒りと結合し、10・13集会への大結集へ、ともに闘いましょう。

青年に勝利の道示す闘い
 事務局員 太郎良陽一さん

 2016年10月の最高裁での農地法裁判の反動判決確定を受け、17年の反対同盟旗開きをもって市東さんの離れで決戦本部を立ち上げ、強制執行阻止の闘いを続けてきました。昨年12月の請求異議裁判の一審判決直後は、仲間とともに体を張って強制執行を絶対に阻止するための座り込みを行い、今日に至っています。
 これまでも三里塚は福島、沖縄をはじめ多くの地域闘争、労働組合の闘いなどと結び合ってきましたが、この連帯をさらに全国的に発展させることに、力を注ぐことが必要です。
 今実際に安倍政権のもとで多くの人びとが生活を脅かされ、命の危機にさらされています。千葉県を襲った台風被害も、自然災害なんかじゃない。人びとがいつ果てるともわからぬ暗闇生活を不安の中で過ごしている一方で、この国の首相と政府は内閣改造と改憲に熱中している。被災者の苦しみなんかどこ吹く風だ。この資本主義社会の中で、庶民は幸せになれるはずがありません。
 市東さんの農地は単に市東さん個人のものではなく、全人民の共同の財産です。闘う全国の人びとと結びつくかけがえのない拠点です。安倍政権が改憲・戦争推進で極右の正体をむき出しにして襲いかかっているこの時に、再びみな三里塚で一つにつながろう。またこれまで三里塚に触れたことのない青年たちにも、「ここに勝利の道がある、ここに集まろう」と熱烈に呼びかけたい。
 巨大空港建設・農地強奪攻撃を労農学人民の実力で迎え撃つのが半世紀を超える三里塚闘争であり、10・13全国総決起集会はその真骨頂を満天下に示す日です。どうかみなさん、三里塚に集まってください。

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