星野さん獄死の責任をとれ 徳島刑務所の資料を証拠保全

週刊『前進』04頁(3080号04面01)(2019/10/28)


星野さん獄死の責任をとれ
 徳島刑務所の資料を証拠保全


 10月18日、星野再審弁護団は、徳島地方裁判所の決定に基づき、裁判官と共に徳島刑務所に立ち入り、星野文昭さんの健康に関する一切の資料を差し押さえました。星野さんを獄死させた徳島刑務所の責任を徹底的に追及するための証拠保全です。この闘いと一体で、11・3労働者集会に結集し、星野さんを獄死させた国家権力への大反撃にうって出ましょう。

弁護団と裁判官刑務所立ち入る

 徳島刑務所への証拠保全は、これまで2回行った東日本成人矯正医療センター(東京都昭島市)での証拠保全に引き続いて行われました。
 星野文昭さんは昨年8月、徳島刑務所での刑務作業中に、これまで経験したことのない激烈な腹痛に襲われ倒れました。ところが徳島刑務所は、星野さんを1日病舎で休ませただけで翌日から作業に就かせました。
 それ以降、食欲不振と体重減少が続く中で、家族や弁護団、救援会が、原因究明の検査と万全の治療を重ねて要求したにもかかわらず、徳島刑務所は検査も医療も放棄してきました。今年の3月1日にやっと腹部のエコー検査を行いながら、その結果を星野さんに伝えず、4月18日に突然、エコー検査の結果に異常があるからと東京の矯正医療センターに移監しました。そして、そこでの検査で、11×14㌢もの巨大な肝臓がんであることが分かり、5月28日に矯正医療センターでがん切除の手術を受けましたが、その2日後に亡くなりました。
 徳島刑務所は、遅くとも3月1日のエコー検査で星野さんの巨大な肝臓がんを知りながら、1カ月半以上も、その事実を隠し、精密検査も、治療も完全に放棄してきたのです。この一点だけでも、徳島刑務所の悪辣(あくらつ)な人命軽視、人権を無視した医療放棄の犯罪を絶対に許すことは出来ません。
 家族・弁護団・救援会は、徳島刑務所だけではなく、四国地方更生保護委員会に対しても、星野さんの健康状態を十分に調査するよう要請してきました。にもかかわらず、星野さんの病気を一顧だにせず、仮釈放を不許可にしたのです。
 家族・弁護団・星野再審連絡会議は今後、これまでに入手した膨大な証拠群を医師の協力を得て精査して、徳島刑務所および矯正医療センターの責任を追及する国家賠償請求訴訟の闘いに進みます。国賠闘争を、家族・弁護団と共に、安倍政権の改憲・戦争攻撃、台風19号の被災地切り捨てなどへの全労働者民衆の怒りと一体で、その先頭で闘いましょう。

11・3結集を訴え新たな前進開く

 国家賠償請求訴訟に向かう闘いの中で、新聞へ意見広告を掲載するためのカンパを寄せてくれた人や、全国集会に参加した人に11・3労働者集会への参加を呼びかける11・3結集運動が取り組まれています。新たな星野闘争の前進が切り開かれています。
 「大事な集会ですね。星野さんの無念を晴らしたいです」「冤罪で44年も投獄されたのは安倍政権の問題です。皆で声をあげていかなければならないのでしょうね」「刑務所の医療はひどい。人間を人間とも思わない国家の在り方を変えないとだめ」。必ずしも全員が結集するということにはなりませんが、星野さんを通して、労働者民衆の進むべき道筋を語っていました。参加できないが賛同するという方もいました。
 全国の星野絵画展が新たな地平で闘いとられています。絵画展は、これまで以上に運動の基軸であり、全民衆の怒りの結集軸になっています。

広がる絵画展が怒りの結集軸に

 星野さんの絵画が、東京都昭島市では、市の教育委員会主催の市民文化祭平和展(10月25〜27日)で「星野文昭さんの人権は守られたのか?」と題して、展示されることになりました。「横田基地を考える会」や「憲法を学ぶ会」「昭島母親連絡会」の方たちの展示と共にパネル展示されます。
 さらに、東京・杉並区高井戸の絵画展について、毎日新聞が大きく案内記事を出しました。ミニコミ紙も取材に来て、絵画展の予定を掲載したいと、熱心に話し込んでいきました。
 また、東京・立川市のFMラジオ局「エフエムたちかわ」の番組「塀の中の白い花〜ほんとうに何もやってません」に星野暁子さんが出演し、放送されました。
 70年安保・沖縄闘争を先頭で闘い、獄中44年、非転向を貫いた星野文昭さんの遺志を継ぐ星野闘争は、戦争・改憲情勢の中で、闘う労働者民衆と一体となって前進を開始しています。
 星野闘争は改憲・戦争阻止へ、すべての人が人間らしく生きられる社会を建設する闘いの先頭に立ちます。11・3日比谷野音に星野のぼりを林立させましょう。

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