三里塚裁判 元公団3人の証人採用を 内田裁判長を徹底追及

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週刊『前進』04頁(3082号03面02)(2019/11/04)


三里塚裁判
 元公団3人の証人採用を
 内田裁判長を徹底追及

(写真 耕作権裁判開廷を前に「第3滑走路粉砕、農地守ろう」と訴えて千葉市の繁華街をデモする三里塚反対同盟【10月28日】)

 10月28日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で耕作権裁判と新やぐら裁判が連続して開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民80人は、市東孝雄さんの農地を守る固い決意で闘いぬいた。
 開廷を前に午前9時から、千葉市中央公園で決起集会を開き、市内デモを行った。地裁へ向けて行進する力強いデモに、出勤途上の労働者や地元の商店から熱い視線が注がれた。
 10時30分、耕作権裁判が開廷。文書提出命令をめぐる攻防を経ての再開で、陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして弁護団が意見陳述を行った。
 この裁判でNAA(成田空港会社)は、市東家が戦前から賃借し耕してきた南台の耕作地の一部を「不法耕作」と決めつけ、明け渡しを求めている。しかもNAAの土地の位置特定は決定的に誤っている。農地法裁判ではその誤りを不問に付して最高裁で反動判決が確定したが、ここでは徹底的に争う意志を突きつけた。次回期日は2月3日。
 11時から同じ法廷で新やぐら裁判に入った。この裁判では市東さんの天神峰農地に建つ反対同盟所有のやぐら・看板などについて、NAAが「収去と土地の明け渡し」を求めている。
 弁護団はすでに「敵性証人の必要性に関する意見書」を提出し、①法理哲二(元空港公団用地部用地課長代理)、②浅子直樹(元公団用地部長)、③黒野匡彦(元空港公団総裁)の3人の証人調べが必要であることを述べている。
 ところが原告NAAは、「事実関係には原告・被告の間で争いがないから証人として必要ない」などと主張する。冗談ではない! いずれも事実関係に重大な争いがあり、それに基づいた土地買収の違法・無効を証明するために聞くべきことが山ほどある。
 問題は、内田裁判長の訴訟指揮だ。内田は8月の進行協議で「すでに農地裁判で判決が確定していることを前提とすれば、敵性証人の採用は困難」との見解を漏らし、露骨にNAAに肩入れする姿勢をあらわにした。そして実際の採否を「10月30日の進行協議で判断する」などと言う。
 はじめから「3人不採用」の結論ありきだ。弁護団が次々に弾劾した。まさにその「確定判決」の誤りを追及しているのだ。傍聴席からも怒りの声がたたきつけられ騒然となった。萩原富夫さんも被告席から、「この場で具体的に、裁判長の見解を明らかにせよ!」と一喝した。
 内田裁判長は動揺を深め応答不能になり、突如強引に閉廷を宣し、傍聴者の怒りが重ねて爆発した。次回期日は12月16日。
 千葉県教育会館で、裁判報告集会が開かれた。
 最初に市東さんがあいさつに立ち、「早期結審の意図を許さず、徹底的に追いつめよう」と訴えた。
 葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が、請求異議控訴審と一体で全裁判闘争に勝利する決意と展望を表した。
 最後に萩原さんが、成田空港A滑走路時間延長強行を弾劾し、12・14現地闘争&団結いも煮会への結集を呼びかけた。
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