再審実現へ全国で狭山闘争

発行日:

週刊『前進』04頁(3084号04面01)(2019/11/11)


再審実現へ全国で狭山闘争


 24歳で狭山事件の犯人にでっち上げられた石川一雄さんに対する東京高裁・寺尾正二裁判長の1974年10・31無期懲役判決から45カ年を迎えた。これを糾弾し、寺尾が有罪証拠とした「被害者の万年筆」が偽物だったことを暴いた下山鑑定を武器に、第3次再審闘争で必ず事実調べ・再審をかちとろうと、東京高裁包囲デモ・要請行動と東京集会(既報)が打ちぬかれた。これに続いて関西と広島で狭山闘争が闘われた。

関西
改憲阻止闘争と一体で
 水平同盟先頭に大阪デモ

(写真 関西各地から結集した100人が大阪駅までデモ【10月30日】)

 全関西狭山闘争は10月30日、大阪中之島駅前広場に100人が結集し、大阪駅前までのデモをかちとった。狭山闘争への決起と11・3労働者集会、11・16関西生コン支部弾圧粉砕闘争を呼びかけるコールが大阪市内に響き渡った。
 集会では、関西労組交流センター代表の木下浩平さんが主催者あいさつ、全国水平同盟の久原正子委員長が基調報告を行った。
 久原委員長は、「10月29日の東京高裁包囲デモ・要請行動を全国水平同盟杉並支部と東日本解放共闘の仲間が闘った。要請行動では下山鑑定の事実調べを行えと迫り、東京高裁・後藤裁判長を追い詰めている。狭山闘争は、今や下山鑑定の事実調べを焦点に、第3次再審をめぐって再審か棄却かの決戦局面を迎えている。改憲阻止闘争と一つになって、戦争に向けた差別主義の扇動と分断攻撃を打ち破る狭山闘争の新たな爆発を地域・職場からかちとろう。11・3日比谷に全力で決起し、11・16関生闘争、11・23植木団地闘争に総決起しよう」と呼びかけた。石川一雄さんの10・31メッセージ(要旨既報)が読み上げられた。
 全国水平同盟各支部が決意表明した。最初に高槻支部が「植木団地の問題と石川さんの問題は全く同じ。大阪高裁の差別判決を聞いた時、石川さんを思い、もっと頑張らなあかんと思った。植木団地の事務所ができたので、11月23日に集まってください」と訴えた。
 崇仁・東三条支部は、地域の団結を破壊する京都市の都市計画を弾劾し、「崇仁地区、東九条への更地化攻撃が激しいが、地域住民の根源的怒りは爆発寸前。この怒りを束ね力にして、人間が人間らしく生きられる社会をめざして闘う」と発言。西郡支部は、「八尾北シンポ、八尾北夏まつりに西郡の青年の参加が始まっている。狭山懇談会や色々な企画を行い、青年の組織化で世の中を変える」と決意を述べた。この後、参加者はデモに打って出た。
(全国水平同盟・M)

広島
植木団地の仲間招いて
 「新たな部落解放闘争を」

 広島狭山集会は10月31日、部落解放広島共闘会議の主催で広島市西区福島町の西地域交流センターで開かれ、労働者・学生30人が参加しました(写真)。
 7月の全国水平同盟第8回大会で、植木団地闘争を広げることを水路として、全国に水平同盟の旗を立てる方針が出されました。広島でも「新たな部落解放闘争を発展させよう」「植木団地闘争、星野闘争と一体で狭山再審闘争の勝利をかちとろう」を合言葉に、広島解放共闘を生まれ変わらせて、全国水平同盟の仲間を組織する決意で取り組みを開始しています。
 10・31集会は、大阪・高槻から植木団地の仲間を迎えて大成功しました。
 植木団地の曽我勝宣さんは次のように述べました。
 「追い出し攻撃に対して勝つとはどういうことかを労働組合の取り組みから仕込まれました。闘ってきたから、勝てる!と思えるようになっています」「高槻市による追い出しを認めた大阪高裁判決で『部落民は甘えるな』と言われ、改めて狭山闘争を闘う石川一雄さんへの差別と自分たちの地域に対する差別が同じ国家権力による部落差別であることが分かりました」「今後、自分たちの闘いと狭山闘争とを一体で闘い、全国に仲間を拡大していきますので支援をお願いします」。静かですが感動を呼ぶ、渾身(こんしん)の力を込めたお話でした。
 さらに広島連帯ユニオン、安芸太田町議で婦人民主クラブ全国協議会の大江厚子さん、広島大生、郵政労働者から、自らの現場で狭山闘争―植木団地闘争をとらえ返して闘うとの発言が続き、連帯と団結がより強まりました。
(部落解放広島共闘会議・奥村毅)

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