監視社会化 考え行動しよう 「闘う会」主催の12・5学習会へ

週刊『前進』04頁(3084号04面02)(2019/11/11)


監視社会化 考え行動しよう
 「闘う会」主催の12・5学習会へ


 監視国家化との闘いは、改憲・戦争阻止闘争の重要な柱をなすものです。この攻撃とどう立ち向かうかを共に考えようと開かれる学習会に向けて、「現代の治安維持法と闘う会」・森川文人弁護士のアピールを掲載します。(編集局)

 すさまじい勢いでテクノロジーが進化しています。AI(人工知能)やビットコインなどの仮想通貨、ブロックチェーン、そして顔認証システム......。現金を使わないスマホ(スマートフォン)決済も広範に行きわたりつつあります。私たちを取り囲む情報環境は、1980年ごろの10億倍になったと言われています。
 かつて想像した絶望的な未来社会(ディストピア)に現実が近づいています。まるで、ジョージ・オーウェルの著書「1984年」の世界のように。
 中国では、銀行のATM、レストラン、ホテル、さらにはトイレまで「顔認証」が導入されているとのことです。
 湖北省武漢市の公安局は、監視カメラの映像で犯罪容疑者の顔を認識させ、5月末から3カ月足らずで39人を逮捕。警察官が顔認証機能のついたサングラスを着用し、コンサートに集まった5万人の中から犯人を発見・逮捕したケースもあったそうです。
 さらには「技術の発達によって脳にナノマシーンが埋め込まれ、見聞した情報やそれによって生じた脳の反応がログとして残る時代になる。ウソをついても脳ログという証拠が残るため、浮気や犯罪などの隠しごとは一切できない。この世界から逃れるために通信の圏外で暮らす人も増えるだろう」(高城剛著「2035年の世界」)という指摘もあります。
 「顔認証」の果てには「脳認証」?----そこまで行ったら本当の思想監視社会の完成でしょう。まさに、電波の「圏外」だけがパラダイスという話もありますが、地球上にその「圏外」はなくなる可能性も高いでしょう。もはやどこにも逃げられない管理社会が、じわりと現実になりつつあります。
 「利用する」のか「利用される」のか。「便利」さには、強い誘惑と中毒性があると思います。ある年代以上は、スマホはもちろん携帯電話、パソコン、さらにはワープロもなかった時代を知っていますし、それを当然のこととして暮らしていました。しかし、今の子どもたちにとっては、このテクノロジー環境が「自然」なのでしょう。プライバシーという概念自体が変質を遂げつつあります。
 ビッグデータを利用しての個人の思考・志向等の特定も現実化している今、その現実を知り、この世界をどうするか、考える岐路に立っています。皆で考え、行動しましょう。
(弁護士・現代の治安維持法と闘う会 森川文人)
     ◇
学習会「監視社会化は止められるか」
12月5日(木)午後6時30分 弁護士会館1008号室(東京都千代田区霞が関1―1―3)
主催 現代の治安維持法と闘う会

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