三里塚・団結街道裁判 営農破壊の廃道は違法だ 成田市長の尋問を要求

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週刊『前進』04頁(3084号04面04)(2019/11/11)


三里塚・団結街道裁判
 営農破壊の廃道は違法だ
 成田市長の尋問を要求


 11月1日、千葉地裁民事第3部(内野俊夫裁判長)で団結街道裁判が開かれ、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援の労働者・学生・市民が農地死守へ共に闘い抜いた。
 天神峰の市東孝雄さんが自宅と南台の耕作地を往復するために日常的に使用していた団結街道(成田市道)を、成田市は2010年6月に暴力的に封鎖・廃止し、その土地を格安で成田空港会社(NAA)に売り飛ばす暴挙に及んだ。その違法性を徹底的に追及するのがこの裁判だ。
 昨年2月に証人として出廷した元成田市土木部長・中村壽孝は、廃道を決定し実行した経緯、根拠、手続き、責任の所在などについて問われ、「わからない」「記憶にない」を繰り返すというデタラメな対応に終始した。廃道は結局、廃道の要件を定めた道路法10条を一切無視し、成田空港の第3誘導路建設の都合に合わせた政治案件として、小泉市長の「ツルの一声」で決められたのだ。
 弁護団は、市の最高責任者である小泉一成市長、片山敏宏・元副市長の証人尋問を繰り返し求めてきた。裁判長は結論を出さず、代わりに元成田市土木部道路管理課主任・松本光平を証人として呼んでごまかそうとしたが、中村よりも下の役職だった松本が主体的に廃道に関与する余地はなく、尋問は無意味だ。
 今回も弁護団は、小泉市長の証人採用を強く求めたが、内野裁判長はかたくなに応じず、沈黙するのみ。進展がないまま、次回を2月7日として閉廷した。
 伊藤信晴さんの司会で報告会が開かれ、葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が法廷を解説した。小泉市長の「政治判断」で廃道が決定されたことが明らかになれば当然にも違法・無効となる。だからこそ裁判所がNAA・市と「絶対に市長を証言台に立たせない」ことで政治的に結託しているのだ。こんなデタラメによって団結街道が奪われ、市東さんが営農上の困難を強制されていることに、全員が怒りを新たにした。
 最後に伊藤さんが、12・14現地闘争&いも煮会の成功を訴えて締めくくった。
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