労働者の行動こそ安倍倒す力 労組破壊攻撃を打ち破り改憲・戦争とめる団結を 関生支部支援の運動を全国で

週刊『前進』04頁(3090号01面02)(2019/12/02)


労働者の行動こそ安倍倒す力
 労組破壊攻撃を打ち破り改憲・戦争とめる団結を
 関生支部支援の運動を全国で


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(写真 「声をあげよう!弾圧ゆるすな!11・16全国集会」終了後、全国から駆け付けた労働者がデモ【11月16日 大阪】)


 香港の青年たちの命がけの闘いは東アジア―全世界を揺るがし、新たな情勢を切り開いている。11月24日に行われた区議会選挙では民主派が85%の議席を獲得し、親中派を引き離して大勝した。香港の青年・学生の怒りは私たち日本の労働者民衆の怒りと一つだ。改憲・戦争阻止、安倍打倒の闘いで応えよう。

未来指し示す香港の勝利

 「夜明けが来た 香港を解放しろ 子どもたちとともに 正義のために いま革命を」。香港のデモ隊が闘いの中で作り出した歌「香港に栄光あれ」の歌詞の一節だ。今年6月の「逃亡犯条例」改悪案に端を発した香港の自由と解放を求める闘いは、私たちの心を激しく揺さぶっている。警察の実弾射撃にひるまぬ青年たち。理工大学を占拠した学生は遺書を書き、仲間の死を乗り越えて闘いを継続している。青年労働者は会社を休んで応援に駆け付け、中学生・高校生も、催涙弾が飛び交う中で警察隊と衝突して闘った。
 中国スターリン主義は、返還以後も香港に「高度な自治」を認めるとしてきたが、事実上、生殺与奪の権を握っている。行政長官と議会の双方で普通選挙すら実施されていない。しかし今回の区議選の圧勝は、林鄭月娥(りんていげつが)行政長官と中国政府を決定的に追い詰めている。
 1997年のイギリスから中国への香港返還で、中国はその後50年間は「一国二制度」を維持するとしたが、それは香港が2047年にはスターリン主義の支配する中国に飲み込まれることを意味する。香港の10代、20代の青年にとっては自分たちの未来の問題そのものであり、絶対に屈するわけにはいかないのだ。
 さらに、香港の青年労働者がおかれている「非正規社会」の現実がある。あるデモ参加者は「ベッド1台がやっとの部屋にしか住めない私たちが、独房送りを恐れると思うか?」という落書きを残している。こうした非正規職の青年労働者の根底的な怒りが香港の不屈のデモと戦闘的な闘いを継続させているのだ。
 香港は、かつてイギリスの植民地であり、日本帝国主義が1941年の12月8日に侵攻した後は、3年8カ月に及ぶ過酷な軍事占領下におかれた。これに対し香港人民は不屈の抗日闘争を続けた。その香港人民が、今度こそ自らの解放をかちとろうとスターリン主義的圧制を拒絶して立ち上がっている。この闘いの勝利は、帝国主義とスターリン主義を打倒する東アジア―世界革命の勝利としてのみ実現することができる。

日本でこそ闘いが必要だ

 日本でも、香港の比ではないほど深い怒りが渦巻いている。それがまだ体制を打倒する闘いになっていないのは、労働運動が一線を越えて後退してしまっているからだ。200万人で街頭を埋め尽くした香港のデモの背景には、現場で日常的に闘いを組織し、労働者のおかれた現実を熟知している労働組合が存在する。だからこそ、危機に立つ安倍政権は日本の労働者、青年たちの決起を恐れ、労働組合に対する攻撃を強めているのだ。
 その最たるものが、関西一円の生コン産業の労働者を組織する全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部に対する大弾圧だ。
 昨年7月以来、大阪府警や滋賀県警などが、労働組合の正当な活動であるストライキを「威力業務妨害」、非正規職労働者の正社員化要求を「強要未遂」などとでっち上げ、延べ89人を不当逮捕してきた。
 これだけでも許せないが、弾圧はそれだけではない。警察は逮捕した組合員の家族に対して「お父さんが組合を抜けないと勾留し続ける」と脅し、それでも屈服しなければ裁判所が「組合員に会ってはならない」「組合事務所に出入りしてはならない」という厳しい保釈条件をつける。会社は関西生コン支部の組合員に仕事を回さず兵糧攻めにする。約1年4カ月にもわたって警察、裁判所、企業による卑劣な労働組合破壊が行われているのだ。
 しかし関西生コン支部は負けてはいない。いまだ獄にとらわれている武建一委員長をはじめ、多くの組合員が「この弾圧は絶対に破綻する」と確信している。10月21日、大阪府労働委員会は、組合員の就労排除、団交拒否を不当労働行為と認定した。生コン中小企業は、大手セメント会社から高いセメントを買わされ、ゼネコンには生コンを安く買いたたかれ、そこで働く労働者は低賃金で過酷な労働を強いられてきた。この構造が変わらない限り、反撃は必ず始まる。
 JR東日本でも関西生コン支部と同様に、企業から労働組合をなくす攻撃が進められてきた。「今のままだと試験に受からない」「組合を脱退すれば不祥事を握りつぶしてやる」などの露骨な脱退強要が1年半以上にわたって行われ、かつて4万3千人いたJR東労組から3万3千人以上が脱退した。しかし、今も約9700人の労働者が東労組に残っている。
 その多くが運転士や車掌などの乗務員であり、平成採用の青年たちだ。彼らは業務の外注化をはじめ会社の施策に全面協力してきた組合本部に期待を寄せているわけではない。「会社の言うことだけ聞いていていいのか」「仲間は裏切れない」という気持ちで踏みとどまっているのだ。その中で、JRの全面外注化・総非正規職化と闘う動労千葉に組合の枠を超えた大きな支持が集まり始めている。

現場で青年を組織しよう

 何より関生支部に対する労組破壊攻撃との対決は、日本の労働者階級と労働組合が団結と力を取り戻し、安倍の進める改憲・戦争攻撃を阻止する闘いだ。あらゆる怒りを一つにまとめ上げ、自らの職場から戦争を止め、社会を変革する力が労働組合にはある。
 「関生支部とJR、この二つの攻防に勝ち抜くことができるか否かに日本の労働者と労働組合の未来がかかっている」と訴えてかちとられた11・3全国労働者集会は、日本の労働者の反撃の始まりとなった。
 日帝・安倍政権は危機を深めれば深めるほどいっそう凶暴化し、日米軍事同盟や天皇制にすがりついて延命しようとしている。しかし、今やその一切が労働者階級の激しい怒りの的になっている。
 どんなに努力しても縮まらない格差、死ぬほど働いても抜け出せない貧困を労働者に強制しながら、自らは巨額の税金を私物化するなど、次々と明らかになる安倍政権中枢の不正と腐敗。こんな連中が、労働者、とりわけ青年の未来を食い物にして改憲と戦争に乗り出そうとしている。この現実を前に黙っていることなどできるか! 今を必死に生きる一人一人の労働者、青年、学生の真剣な訴えと勇気ある行動が歴史の流れを変える。闘う労働組合をよみがえらせるならば、日本の労働者、青年が香港や韓国と同じように立ち上がる日は必ず来る。
 関生支部支援の運動が全国に広がり始めている。低賃金・長時間労働で仲間の命が次々と奪われていく現実に対し、非正規職公務員やコンビニ労働者がストライキを呼びかけている。職場で進む賃下げや合理化、非正規職化に対し、現場から闘いを開始しよう。
 労働組合の闘いで改憲攻撃を絶対に粉砕しよう。

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