団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(3090号04面03)(2019/12/02)


団結ひろば 投稿コーナー

11月集会で関生から学んだ
 全学連 M

 私は全学連のメンバーでありながら在籍する大学において大きな運動を起こすことができずにいる。商業主義や学内規則のナンセンスさを変えたくて全学連に入ったが、いざ動するのは考えていたよりも難しかった。ビラまきや教室を借りて学習会をするにも大学側の許可が必要(許可が下りないということ)で、ふらちな状態を打開しようと自治会にクレームを入れるも、まともに取り合ってくれない。
 にっちもさっちも行かないこの状況は私の活動家としての未熟さが主な要因だ。とはいえ、それだけとも割り切れない形容しづらい閉塞(へいそく)感は、今の多くの学生活動家が抱いていると思う。
 私にとって2回目の11月集会で特に印象的だったことを二つ。
 一つは全学連の前段集会である。前回同様、初参加者が多かった。不当処分や弾圧の激しくなっている京大・広大などからはもちろん、首都圏の私学からも提起があった。私自身の置かれている立場に似た状況も多かった。大学や政府の規制になにか違和感や不安を持ちながらも、それが表現として出てきていない。各大学の学生がお互いに協力して大衆的な活動を起こすことが重要な気がした。
 もう一つは関生支部の荒川さんのスピーチだ。労働運動末法の時代に、ストやコンプライアンス活動などのオーソドックスな戦い方は、それ自体容易ではない。不当逮捕・起訴などにもひるまず、激しい弾圧の中でこそ団結を強めて進んでいる関生支部からは学ぶべきことが多くあった。
 もちろん労働運動の戦い方をそのままポンっとキャンパスに持ち込めるわけではない。しかし、観念的理論を実践の中で跳出していくことは、全ての学生自治活動の前提として持ってなくてはいけない。私自身としてはまず、キャンパスの中に仲間をもっと増やし、大学との交渉で一歩ずつ学生の自由を増やしていくことだ。

中学・高校生も共に闘おう
 学生 片山 渡

 11月3日、東京・日比谷で行われた全国労働者総決起集会に学生として参加した。「前進」紙上でもたびたび取り上げられたJRのジョブローテーションや、関西生コン支部への弾圧をはじめ、様々な現場で闘う労働組合の労働者の生の声を聞くことができ、学生の自分としてもとても勉強になった。また、勇気をもらった。
 新自由主義の攻撃は決して中高生、大学生も他人事(ひとごと)ではない。「入試改革」と銘打った事実上の入試の民営化やそのあまりのずさんさ、萩生田文科大臣の「身の丈」発言は格差を固定・拡大する新自由主義そのものであり、それに対する怒りが多くの高校生から湧き上がっている。
 民間試験導入の延期を勝ち取ったのは、日本帝国主義が高校生・受験生の決起が大学や職場に波及することを何より恐れているからに他ならない。
 新自由主義に対するフランスのイエローベスト運動やチリの地下鉄値上げ反対に端を発する反政府運動、香港の民主化運動など世界中で中学生・高校生が決起して大学生や労働者に負けないほど戦闘的に闘っている。特に銃撃された香港の高校生は新たな闘いを呼び起こしている。
 学生と労働者はひとつだ。11月集会にも多くの高校生が参加していたが、11月集会の地平を固め、中学・高校生の決起で万国の労働者・学生に連帯しよう。

障害者福祉奪うな署名集め
 関東障害者解放委員会 多田道夫

 11月19日、改憲阻止・安倍倒せの総がかり行動の参加者の集まる国会前で、介護保険への移行強制によって65歳で障害者の福祉が奪われることに反対する相模原市の佐藤みちえさんの署名集めを行いました。
 電動車いす使用の佐藤さんの闘いは東京新聞でも紹介されていますが、65歳になると、彼女が17年通っているさがみ緑風園のリハビリ施設の利用が打ち切られ、介護保険制度に移行しなければならないという理不尽な攻撃との闘いです。
 自分も精神障害者であり、怒りに燃えて署名集めを行いましたが、いざ始めてみると予想以上に反応もよく、「自分も障害者になったら大変だ」とか「障害者を否定するものね」とか声をかけてもらいました。4人で171筆、カンパも集まりました。労働者の中の怒りは広大であり、佐藤みちえさんの闘いの正しさも改めて実感できました。 佐藤さんと出会うと、「障害」を持っていても、あたり前に地域生活を送っていることですごく親近感を感じます。やはり地域の仲間の支えがあってのことだと思います。佐藤さんは、介護保険への移行を3年近く延期させています。
 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と憲法25条は掲げますが、障害者が生きられなくて何で最低限度の生活でしょうか。安倍の改憲案、緊急事態条項と闘い、生存権破壊を止めましょう。

ド迫力のミキサーパレード
 首都圏・学生 早乙女存男

 ドキュメンタリー映画〝「棘(とげ)」〜ひとの痛みは己の痛み。武建一〟は大阪地裁前で関生支部弾圧への抗議集会が開かれている場面から始まります。憲法で保障された労働者の権利を侵害する権力の弾圧を告発するアピールが粛々と行われていますが、次第に右翼街宣車が口汚くがなり立てる声でアピールはかき消されてしまいます。そしてアップで映し出される地裁屋上に掲げられた日章旗! 弾圧の根源の所在を物語る演出です。
 その一方で弾圧をはね返す関生支部の活動の力強さが伝わってくる場面もありました。辺野古新基地の建設や憲法9条の改悪に抗議する横断幕が張り出された何十台ものミキサー車が、列をなして幹線道路を大行進するミキサーパレードです。まさにド迫力。権力がなぜこれほどまでに関生潰しを急務としているのかがよく分かります。
 後半は制作陣が武建一執行委員長の生まれ育った徳之島を訪れます。徳之島はコバルトブルーの海に囲まれた美しい島でしたが、薩摩藩の支配を受け重税を強いられる「砂糖地獄」と呼ばれる時代もあったそうです。それに一揆を起こして反抗した島民の血が、武委員長によって受け継がれているのです。
 上映後、制作陣と武洋一・関生支部書記長が発言しました。続編の制作が進行中であること、今後も各地で上映会が計画されていることが語られました。

講演「民間船と戦争」に学ぶ
 改憲・戦争阻止!大行進・兵庫 高梨真理

 「戦没船を記録する会・元海員組合全国委員」の柿山朗さんの講演録「民間船と戦争」を紹介します。改憲・戦争阻止!大行進・兵庫が、開催した講演会の内容をまとめたもので、1部100円です。
 海員組合は2007年の有事法制に反対する共同声明を発した陸海空港湾労組20団体の中心的組合。しかし今や自民党を支持し皇族を招き、自衛隊に「守ってくれてありがとう」と横断幕で感謝を表すまでになっている。
 海員組合は第2次大戦時に徴用された商船・漁船の船員6万人が太平洋の藻くずとされた歴史を二度と繰り返すまいと神戸に戦没船資料館を開設している。そこでは戦前、組合が解散させられ海員報国団になり、徴用を拒否できなくなった歴史を痛苦の思いで記している。
 しかし、柿山さんによると、日本政府は1993年の湾岸戦争でペルシャ湾へ「中東貢献船」の名で再び民間の輸送船を派遣、ホルムズ海峡を越え危険な海域に入り、ミサイル攻撃にさらされていた。この時、政府も海員組合も危険海域を越えることに合意文書を交わしていた。今、日本は輸送艦を10隻位しか持っていない。今後も民間船が戦争徴用されるだろうという。
 かつては合理化と強力なストライキで闘った海員組合がなぜ屈服していったのか? 「軍隊はわしらなんか助けないんだぞ」と一喝してきた先輩たちも亡くなり、結局、企業主義意識に屈服した。船員も期間雇用となり、ほとんどが無権利の外国人労働者。職場で物が言えないことが問題だ。
 フリートークで、自衛官募集に協力させられ貧困家庭に対する入隊あっせんを迫られている自治体職場の実態が語られた。戦争協力者にならないために戦争絶対反対で闘う労働組合が必要だ。どんなに困難でもやろうと強く決意させられる講演だった。柿山さんは「関西生コン労組つぶしの弾圧を許さない東海の会」の発起人でもある。

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