「5年雇い止め」撤回を 仙台社協裁判第10回弁論へ

週刊『前進』02頁(3093号02面03)(2019/12/12)


「5年雇い止め」撤回を
 仙台社協裁判第10回弁論へ


 12月16日、村岡靖昭さんへの「5年雇い止め」撤回を求める裁判の第10回口頭弁論が仙台地方裁判所で行われます。仙台市社会福祉協議会は昨年、村岡さんを含む非正規職員29人を雇い止めにしました。労働契約法改正による無期転換ルールの適用を逃れるための不当な雇い止めです。
 16日の弁論は傍聴席70人の大法廷で行われます。いよいよクライマックスの証人尋問です。原告の村岡さんと労働組合の仲間が証言に立ちます。傍聴席をいっぱいにする参加をお願いします。
 以下、証人尋問に向けての原告の意見陳述書を一部紹介します。(村岡さんへの「5年雇い止め」撤回を求める裁判を支援する会)
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 私が勤務していた「泉ひまわりの家」は、いわゆる重度知的障害者の方が通う施設で、日常生活をするうえで必要な所作を身につけるために支援を受ける場所です。食事や排せつ、コミュニケーション、着替え、物の準備や片付け、時間の見通し......と、挙げればきりがないですが、生きていくうえで必要なことすべてについてのことです。職員がすべて介助するのではなく、利用者自身が行えるように手助けすることが私の仕事でした。
 利用者の方々は自分の意思を言葉で伝えるのが難しい方がほとんどでした。そのため表情やしぐさ、意味をなさない発語、いつもと違う行動などのアピールを、職員が見逃さず理解することが必要でした。時間をかけてじっくり接することで初めて出来ることであり、「5年雇い止め」ではとても成り立つものではありません。
 のみ込みが十分でない方への食事介助や自宅からの送迎など、命を預かる業務も行っていました。雇用形態は非正規でしたが、決して補助的ではない業務にあたっていたと思います。
 私は労働組合に加入し活動していました。組合は有期雇用をはじめとした非正規職員の待遇改善に重点的に取り組んでいました。組合の先輩たちは5年の雇用契約を結ばされながら、5年を超えての雇用延長をくり返しかちとってきていました。そのため、労働契約法の改正をうけて、当局が雇用期間5年までと突然ルールを変更したことは衝撃でした。
 「5年雇い止め」では仕事も生活も成り立ちません。しかも職場はいつも欠員が生じて人手不足でした。こんなことが福祉を扱う職場でまかり通っていいのでしょうか?
 昨年に続き、今年3月末にも新たに11人が雇い止めにされました。こんなことが毎年続いていいのでしょうか。私はこの雇い止めが、労働者の働き続けたいという思いを踏みにじり、生活の糧を奪い、福祉現場をないがしろにしている事実を明らかにするために証言に立ちます。
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村岡さんへの「5年雇い止め」撤回を求める裁判・第10回口頭弁論
12月16日(月)9時30分〜
仙台地方裁判所101号法廷(可能な方は9時15分に1階ロビーに集合)
連絡先/仙台市青葉区藤松3︱4Kビル 電話022︱276︱1871

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