沖縄の軍事拠点化阻止を 辺野古新基地建設は大破綻 土砂投入1年 不屈の闘い 計画崩す

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週刊『前進』04頁(3096号03面01)(2019/12/23)


沖縄の軍事拠点化阻止を
 辺野古新基地建設は大破綻
 土砂投入1年 不屈の闘い 計画崩す

(写真 土砂投入から1年が経過した辺野古沿岸部【沖縄県名護市】)

(写真 米軍キャンプ・シュワブゲート前に座り込む全国の青年労働者・学生【5月20日】)


 12月14日、安倍政権が沖縄・辺野古の新基地建設のために土砂投入を強行してから、ちょうど1年が経過した。政府は連日、米軍キャンプ・シュワブゲート前などで抗議の座り込みを続ける人々を警察・機動隊の力で排除しながら工事を続けている。だが、この1年間で投入された土砂の量は、事業全体で必要な総土量2062万立方㍍の約1%程度にとどまる。「絶対にあきらめない!」「息の長い闘いで1分1秒でも工事を遅らせる」と粘り強く闘ってきた現地闘争が計画を大破綻(はたん)させ、安倍政権を追いつめている。

埋め立て量はわずか1%

 沖縄防衛局によると、この1年間で基地建設事業に投じた費用は約1471億円。2014年に小野寺五典防衛相(当時)が示した総工費3500億円のうち約4割を使っているが、埋め立ての進捗(しんちょく)状況はわずか1%だ。現在、土砂が投入されているのは沿岸部の比較的浅い区画だが、水深の深い大浦湾側はまったく手がついていない。
 何より大浦湾側には「マヨネーズ状」と形容される軟弱地盤が約65㌶(全埋め立て海域の4割)もあり、このため政府の見通しでも、長さ90㍍の巨大な杭を7万7千本も海底に打ち込む前例のない地盤改良工事を、およそ3年8カ月もかけて行う必要があるとされる。実際にはそれも技術上ほとんど不可能と見られており、もはや防衛省は基地完成までの工期も工費も示すことができなくなっている。沖縄県の試算では、総工費は2兆6500億円に達する。
 このように防衛省ですら先が見通せない絶望的な状況にあるにもかかわらず、安倍政権が昨年12月に土砂投入を強行したのは、米軍基地に反対する沖縄の人々の声を押しつぶし、建設工事の既成事実を積み上げることで「あきらめ」をまん延させようと狙ったからだ。だが安倍の思惑とは裏腹に、辺野古基地絶対反対の声はますます広がり、現地で続く座り込み行動は基地建設を大破綻に追い込んでいる。5・15沖縄闘争に参加するため全国から沖縄に集まった青年労働者・学生120人が、辺野古現地を訪れて座り込み行動に参加した際も、土砂や資材を積んだトラック20台をシュプレヒコールで追い返し、搬入を中止に追い込んだ。
 さらに反対運動は辺野古だけでなく、土砂の搬出作業が行われる名護市安和(あわ)や本部(もとぶ)港塩川地区にも拡大している。埋め立て完了までには10㌧トラック350万台分の土砂が必要とされるが、粘り強い闘いで搬出・搬入作業は遅れに遅れている。

核ミサイル配備狙う米日

 12月13日、普天間第二小学校に米軍輸送機CH53の窓枠が落下してから2年、輸送機オスプレイが名護市沿岸に墜落してから3年となった。普天間市の緑ケ丘保育園にCH53の部品が落下した事故からも7日で2年となった。人々の命を脅かす米軍関連事故はますます増加しており、今月5日には金武(きん)町の水田に米軍の照明弾が炎と煙を上げながら落下。10月29、30日には2日連続で、パラシュート降下訓練中の米兵が提供区域外の民有地に着地した。
 基地に対する怒りの声がますます高まる中、安倍政権はこれを踏みにじって、米軍基地のさらなる増強と自衛隊の南西諸島配備を推し進め、沖縄を新たな侵略戦争の出撃基地につくりかえようとしている。それは日米安保体制の歴史的な大転換を意味するものであり、文字通り「核戦争同盟」へと変貌(へんぼう)させるものだ。
 10月3日付琉球新報が報道した、米軍の新型中距離弾道ミサイルの沖縄などへの大量配備計画は、その恐るべき実態を示すものだ。米トランプ政権と安倍政権は、中国やロシアを射程に収めた核ミサイルを日本全土に配備しようとしている。計画が強行されれば、辺野古に建設予定の巨大弾薬庫は世界最大の核ミサイル貯蔵庫となり、核戦争の最前線基地となる。だからこそ米日政府は、沖縄で燃え広がる反基地闘争をつぶそうと必死になり、辺野古基地建設をあくまでも強行しようとしているのだ。
 命を守るため不屈に闘う沖縄の人々と固く連帯し、改憲・戦争阻止の闘いと一体で辺野古新基地建設阻止・米軍基地撤去の闘いを本土でも巻き起こそう。安倍政権を打倒し、新たな核戦争を絶対に阻止しよう。

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