星野闘争の新たな発展へ 国賠・再審闘い、戦争阻む 星野全国再審連絡会議共同代表・家族 星野暁子さん

週刊『前進』08頁(3097号04面02)(2020/01/01)


星野闘争の新たな発展へ
 国賠・再審闘い、戦争阻む
 星野全国再審連絡会議共同代表・家族 星野暁子さん

 文昭が亡くなってから7カ月が過ぎました。私の中に生きている、みんなの中に生きている文昭といっしょに生きるのだと思ってきました。かけがえのないものを残した文昭のすべてを、みんなといっしょに私が引き継ごうと思っています。
 このところ開催されている絵画展・講演会では、新しい参加者が増え、星野闘争の新たな発展が始まっています。この確信をもとに、星野闘争は今年三つの闘いに打ってでたいと思っています。
 一つは、文昭の死に責任をとらせるための徳島刑務所と東日本成人矯正医療センターに対する国家賠償請求訴訟です。
 3度にわたる証拠保全によって、膨大な証拠を差し押さえています。医療隠蔽(いんぺい)として、徳島刑務所が本人にも家族にも、四国地方更生保護委員会にも、文昭が肝臓がんであることを伝えなかったことは大きな犯罪です。医療放置として、18年夏に文昭が倒れた時、原因を追究するための精密検査を、家族が要求したにもかかわらず行いませんでした。医療過誤として、文昭は肝右葉切除術を受け、4300㍉リットルの大量の出血をしたのに「回復室」に入れられ、手術後夜11時から翌朝5時まで全く放置されたのです。ICUで医師や看護師が付き添う体制ではありませんでした。国賠は、今年1月下旬までには訴状を提出する予定です。
 二つは、第3次再審請求です。
 文昭の再審と大坂正明さんの裁判の証拠構造は同じです。大坂さんの裁判は、裁判官と検事と弁護士による三者協議がとりくまれています。そして公判前整理手続きの中で1200点の証拠品が開示されています。それは、星野の再審にとっても重要です。大坂裁判とともに闘いましょう。
 三つは、文昭がいつも言っていた「人間が人間らしく生きられる社会」をつくるための闘いです。国賠も再審もそのためにやります。
 戦争に絶対反対です。憲法改悪に絶対反対です。沖縄の辺野古新基地建設に絶対反対です。それらの闘いの先頭に立ちます。
 星野絵画展の参加者は、戦争反対の意識をもっている人が多いです。同時に、絵画展が人生のすべてを交わす場になっていることが大きいと思うのです。「戦争反対」のことも話題にできます。
 国家賠償請求訴訟と再審請求を星野闘争の軸にすえつつ、新たな発展を勝ち取っていきたいと思います。
 「桜を見る会」への対応を見てもわかるように、安倍政権は労働者民衆をなめきっています。世界に湧き起こっている新自由主義に対する怒りと連帯し闘いましょう。

(写真 星野さんの絶筆・水彩画「アフガン、山の学校で学ぶ」。全国で追悼の絵画展が開かれ、新たな感動を呼んでいる)

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★星野文昭同志

☆1971年11月14日、沖縄返還協定批准阻止闘争で機動隊員死亡の実行犯にでっち上げられ、87年無期懲役刑が確定、徳島刑務所に移監。無実を訴え獄中で再審請求。
☆受刑30年を超え、四国地方更生保護委員会に仮釈放を求めて闘ったが、19年3月、不許可決定。4月に東日本成人矯正医療センターに移監され、肝臓がん手術を受けたが5月30日逝去、享年73。不屈の獄中闘争は44年。
☆現在、1986年に獄中結婚した暁子さんら家族が第3次再審請求と国家賠償請求訴訟を準備中。全国36救援会に広がった「星野さんをとり戻そう!全国再審連絡会議」を軸に闘っている。

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