星野同志の遺志つぎ弾圧粉砕を 獄中から安倍政権を撃つ

週刊『前進』08頁(3097号04面01)(2020/01/01)


星野同志の遺志つぎ弾圧粉砕を
 獄中から安倍政権を撃つ

 2019年、無実なのに獄中44年、不屈・非転向を貫いた革命家・星野文昭同志を獄中で殺された年として深く記憶する。今年は、星野同志と共に71年安保・沖縄決戦を闘った大坂正明同志の裁判が始まる。迎賓館・横田爆取でっち上げ裁判の3人の同志も奮闘している。関西生コン支部弾圧への共謀罪型弾圧に怒りを燃やし、総決起しよう。獄中同志と星野暁子さんの新年メッセージを掲載します。(編集局)

一新された政治局と共に
 東京拘置所在監3年 大坂正明同志

 71年11・14渋谷暴動闘争戦士。殺人罪をでっち上げられ指名手配46年の上、17年5月18日に不当逮捕された。70歳。

 26全総で政治局が一新されました。ただ捕らわれの身では、その理由や討論内容などを詳しく知ることはできません。しかし事は重大です。私なりに理解を深める必要があります。
 重要な問題の一つに、激しさを増す新自由主義攻撃の前に、旧政治局の中に日和見主義が発生したことがあります。理不尽な攻撃に対し、身を挺(てい)して闘う労働者が存在するのに、そこに合流して共に最前線に立たずして何が革命党かということです。党建設も労働者の中で闘ってこそ実現されるものです。
 「新自由主義の攻撃の激しさ、職場の困難な現実にこそ、実は敵の支配の危機がある」のです。現在関生支部とJRで「労組のない社会」へ向けた攻撃が集中しているのも、経済危機、体制危機からののりきりをかけた戦争を準備するものであり、帝国主義の命運をかけて展開されています。
 日和見主義を一掃し、新体制を築いたことには、党内の検証機能が働いたことが示されています。私はこのことが非常に重要だと思います。
 そんなことは革命党として当然だという意見もあるでしょうが、言うほど簡単ではないはずです。この問題においては、7回大会から5年近くも経過しています。それをここで食い止めることができたことに大きな意義を感じるのです。
 革共同は、これまで一定の基礎的理論を確立してきました。党の革命の精華として「綱領草案」を打ち立てましたが、この土台にはマルクス・レーニンの文献の読解と、全党での学習や、反帝・反スターリン主義世界革命の基本戦略の下、本多理論をはじめとして、党の理論を打ち出してきた苦闘があります。この地平に立ち戻って検証しあう体質と体制が党の根幹に据わっていなければならないと改めて思いました。
 26全総報告の最後で「青年・学生の党を建設する」と呼びかけられていますが、もちろん大賛成です。反対する同志がいるわけないのですが、私はそのために党の要職に青年・学生を大胆に登用することを訴えたいと思います。経験豊富な同志は青年をサポートする役に回るのです。
 青年・学生の同志たちは同年代の労働者・学生に向けて「自己責任論」を打ち破る理論をもって決起を呼びかけてほしいと思います。
 星野同志が虐殺されてから7カ月になりますが、悔しさが募ります。この悔しさを晴らすためにも、彼の遺志を継ぎ、それを実現することが私の闘いです。
 星野同志の権力との攻防の最前線で闘う進攻精神、最後まで貫く不屈性、自分より「みんな」を優先する精神(個に死して類に生きる)等々、気高い革命家としての精神を学んで、2020年の改憲阻止、労組破壊阻止を闘いぬきましょう。

二度と戦争を繰り返すな
 横浜刑務所在監2年 須賀武敏同志

 迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧裁判で懲役11年、18年2月下獄。75歳。

 東アジアを火点とする世界戦争情勢が日々激化している。私は最近、獄中で第2次世界大戦時の独ソ戦についての本を読み、そこに描かれた戦争のむごたらしさ、相互絶滅戦的な悲惨さにあらためて衝撃を覚えた。こんな戦争を二度と繰り返してはならない! 日本での改憲を阻止する闘いはその意味で、まさに世界史的意義をもっていることを確認したい。
 日帝・安倍政権も米帝・トランプ政権も、中国スターリン主義の存在に脅威を感じている。特に中国による、対米対抗的な軍拡を背景にした「一帯一路」の世界的展開と世界市場への進出は、既存の帝国主義の権益・市場・勢力圏を脅かす最大の競争相手になっている。
 米帝支配階級は、リーマン危機をも超える超ド級の世界大恐慌再来の兆候におびえ、その危機脱出策として、かつてのナチス・ドイツと同様に、世界市場の再分割のための戦争の道を選択した。世界経済の屋台骨を支える「世界の工場」として急成長した中国市場の独占的支配をも狙い、中国、日本、EU(ドイツ)などに対する貿易戦争を開始した。
 特に米中貿易戦争は経済・金融・政治的制裁を伴ったものである以上、非和解的に激化し、最後は武力による決着を求める戦争に行きつく。まさに現代の米中対決は、かつての独ソ戦の「世界絶滅戦争」に行きつく本質をもっている。
 しかし、この東アジアでの新たな戦争に、米帝も日帝も勝ち抜くことはできない。かつての帝国主義列強による侵略戦争と植民地支配の歴史は朝鮮・中国・アジア人民の中に刻まれており、時の流れによって消し去ることはできない。米帝のベトナム戦争敗北の教訓が示すように、数千万、数億の青年・人民が、自らの解放のためには死をも恐れない革命の軍隊に組織される。これに対抗できる力を組織することは、米帝にも日帝にも絶対にできない。
 逆に、軍隊内の抵抗と反乱、全面的な反戦運動の爆発で、戦争を推進する政府自身が打倒されることになるだろう。
 米帝・日帝が無理やり戦争に突入すれば、この戦争遂行にとって地理的にも戦略的にも決定的位置を占める日本は、第2次世界大戦時をはるかに上回る惨禍を強いられるだろう。全土が丸ごと焦土と廃墟(はいきょ)と化し、数千万人を超える労働者人民が犠牲になることは避けられない。
 だからこそ私たちは、青年は、労働者人民は総決起して、新たな戦争のための戦時国家体制の確立を狙う改憲攻撃を絶対阻止し、安倍政権を打倒しよう。
 命と暮らしを守るために改憲・戦争阻止!大行進運動のもとに集まろう。勇気と知恵こそ、勝利を開く。ともに必死で闘い抜き、革命の夜明けの扉を開こう。

徹底して人間的であれ!
 水戸刑務所在監4年 十亀弘史同志

 迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧裁判で懲役8年、16年6月下獄。75歳。

 仲間を増やそう。隊列を伸ばそう。いまの私たちは、質的にはどれほど革命的でも、量的にはまだ、社会からほとんど見えていない存在にすぎません。質を量に現さなければなりません。その量はさらに質に転化し、その質が次の量に結びつく、そのようなダイナミズムを実現しましょう。それが出来るのが、党と労働者階級の生きた底力です。
 断じて許せない弾圧に対し不屈に反撃を続けている関生支部への連帯とは、直接的な支援行動だけではありません。なんとしても、11月労働者集会に結集する闘う労働者・市民の数を増やすことです。圧倒的な結集によって、怒りの爆発を広く見えるものにしなければなりません。そのために、私たち自身のそれぞれの現場の闘いを深く豊かにして、まさに組織の拡大をかちとらなければなりません。
 オルグとは、何がなんでも相手を論破して、その人を黙らせることではありません。まず聞くことです。その人のそれまでの全ての歴史(存在)によって規定されている、その人の個性(意識)を尊重しましょう。決まり文句ではなく、出来る限り自分の言葉で思いを伝え、互いに気持ちが開かれる状況をつくりましょう。質問や批判を歓迎し、自発性を引き出さなければなりません。オルグにおいて徹底して人間的であれば、原則性と柔軟性は統一的に発揮することができます。労働の現場や学園において、そのようにして闘いを広げている皆さんに、心から敬意を表します。
 私たちはまた、星野闘争のあの躍動的な拡大を知っています。文昭さんと暁子さん、絵と詩、そして全国の同志の献身的な闘い、そこには人間性と革命性が一つの嘘(うそ)もなく重ね合わされ、最も生き生きとした表現を通して、人々をしっかりととらえていきました。いまもとらえ続け、新たな闘いを前進させています。この星野闘争の作風に強く胸を打たれています。
 もちろん革命の理論は決定的に重要です。革命党には、マルクスとレーニンの理論を、現在の情勢において、誰もが納得する内容で、新たに提示し続ける義務があります。抽象論ではなく、現状の実態に迫る具体論が重要です。
 資本主義社会は命脈が尽きています。帝国主義とスターリン主義を最後的に打ち倒すのは、国境を越えて結びつく労働者階級の力です。理論と実践における私たちの勝利は、世界中の労働者の勝利です。
 青年労働者と学生のみなさんの、厳しい時にも確信と希望と明るさに満ちた、自在な闘いに、何より期待しています。

充満する怒りで安倍倒せ
 前橋刑務所在監4年 板垣宏同志

 迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧裁判で懲役8年、16年6月下獄。76歳。

 前橋刑務所での受刑生活も3年半を勝利的に乗り越え、残りあと1年となりました。「事業は90%をもって半ばとせよ」という言葉がありますが、最後の詰めが肝心ですから、気をひき締めて、残りの獄中闘争を闘い抜きたいと思います。
 日本帝国主義・安倍政権はいよいよ追い詰められて、星野文昭さんをあろうことか獄中で虐殺しました。さらになりふりかまわず、関西地区生コン支部への共謀罪的弾圧というよりも、戦前型の労働組合が非合法だった時代を想起させる大弾圧をかけてきています。
 同時に安倍政権は、JRを突破口とする「労働組合なき社会」攻撃を「働き方改革」として全力で推し進め、これらの攻撃を天皇代替わり・オリンピックを口実にした「挙国一致」体制でのり切ろうとしています。
 しかし、安倍政権の改憲・大軍拡→戦争国家化と一体のこれらの攻撃は、新自由主義攻撃の行き着いた先であり、実際は出口なき断末魔の苦悶(くもん)にあえぐ姿そのものです。
 相次ぐ閣僚の辞任や「桜を見る会」の接待疑惑などに明らかなように、安倍政権は腐敗と腐朽に満ち満ちており、それ故にますます凶暴化、反動化するしかないのです。
 労働者階級は、人民の中に潜在し、充満している安倍政権への怒りを、今こそ労働組合と労働運動を復権させ、解き放ち、改憲阻止・安倍政権打倒の巨大な闘いを実現しましょう。
 韓国・香港をはじめとして、全世界で労働者人民が立ち上がっています。闘う人々と連帯し、新自由主義・帝国主義を打倒しましょう。迫り来る核戦争を止める力は労働者階級の国際連帯の力の中にあります。
 私も、残された獄中闘争を、今まで以上に断固として闘い抜き、来春、必ず皆さんとの合流を果たします。
 共に勝利に向かって前進しましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加