団結ひろば 投稿コーナー

発行日:

週刊『前進』04頁(3100号04面03)(2020/01/20)


団結ひろば 投稿コーナー

外国人犠牲の五輪いらない
 広島連帯ユニオン M・Y

 昨年11月、『となりの難民―日本が認めない99%の人たちのSOS』(旬報社)が出版されました。著者の織田朝日さんは、日本で暮らす外国人を支援する活動を15年以上行っている方です。
 私は、日本の難民認定率が1%以下であることはすさまじい人権侵害だと思っていましたが、入管の現実や被収容者への支援についてはあまり認識がありませんでした。これではいけないと思ったのが、本書を読み始めたきっかけです。
 本書は「ありえない!入管の3つの問題」として、「①ごはん②医療③懲罰房・スペシャルルーム」について記しています。入管の非人道的な環境は、徳島刑務所と東日本成人矯正医療センターの星野文昭さんに対する処遇と重なるものがあり、非常に心の痛む思いがします。
 1965年に法務省の官僚が「外国人は煮て食おうと焼いて食おうと自由」と言い放った思想が、今日まで引き継がれていることに怒りを覚えずにはいられません。入管は外国人を日本から追い出すための施設なのです。
 織田さんは「私たちも彼らの文化を尊重し、歩みを合わせることも共生の第一歩なのではないでしょうか」「『支援』が『支配』にならないように」と述べています。これは在日・滞日外国人と日本人の連帯を考えるうえで、重要な提起だと思います。
 東京オリンピックに向けて入管体制の攻撃が激しくなっています。外国人を犠牲にするオリンピックはいらない! 民族・国籍・国境を越えた労働者民衆の団結をつくりましょう。

『大洪水の前に』を読んで
 合同・一般労組全国協事務局長 小泉義秀

 斎藤幸平著『大洪水の前に―マルクスと惑星の物質代謝』(堀之内出版、19年4月)は、「新『マルクス・エンゲルス全集』(以下MEGA)ではじめて刊行される新資料を検討することで、より正確にマルクスの環境思想の形成とその理論的射程を明らかにしていく」(11㌻)とあるように、MEGA2と呼ばれる新MEGAの研究を踏まえた著作だ。彼自身が「日本MEGA編集委員会編集委員」である。
 「労働力が限界を超えた労働時間の延長によって消耗したように、自然力も、追加的費用なしに生産性を増大させるという素材的弾力性のために、しばしば限界を超えて利用され、枯渇していく。そのことはまた、資本蓄積に影響を与えないではいない」(154〜155㌻)
 新自由主義の下での非正規職化と「労働組合のない社会」の下では、青年が結婚して子どもをつくることもできない。労働力を再生産できない構造になっている。それと同様に資本主義は自然を破壊し、再生不可能なまでに消耗しつくす。「我が亡き後に洪水よ来たれ」が資本家のスローガンであるとマルクスは『資本論』で書いた。斎藤幸平はこの洪水が来る前に共産主義を実現しなければならないというテーマで本書を書いた。「マルクスへ帰れ」が最終章の結論である。
 今年33歳になる青年研究者がこういう本を書いたことに感動している。本書は、マルクスが残した農業関係の専門誌などの抜粋ノートなどを丹念に読み込んで書いたベルリン・フンボルト大学の博士論文がベースになっているため、難解である。しかし本論文で18年に日本人初、最年少でドイッチャー記念賞を受賞した優れた著作である。食らいついて学びつくす気概が必要である。

女性の現実、まずは共有を
 東京 佐々木舜

 昨年12月18日、ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS記者から受けた性暴力をめぐる民事裁判で勝訴しました。刑事事件の不起訴は許せませんが、本人の命がけの闘いと、自らの思いを重ねて応援してきた全ての人々の、決して小さくない勝利だと思います。
 この間、労働現場、さらにはそれに先立つ就活の現場における深刻なセクハラの実態が徐々に暴かれてきています。いくら「男女平等」「女性が輝く」などときれいごとを並べても、とりわけ労働組合の団結が破壊された労働現場では、人間を破壊するような差別や分断、性暴力がまかり通っている。これが現実です。
 自身の経験を振り返っても、大学で目にした「就活のためのメイク講座」の告知は、労働者として社会に出る女性を待ちうける現実がいかなるものかを、どんな講義よりも的確かつ無遠慮に教えてくれました。
 女性のおかれた現実をまずは明るみに出し、性別を超えて共有するところから始めなければならないと思います。こうした現実から目をそらして、たとえば日本軍の軍隊慰安婦とされたハルモニたちの苦しみや乗り越えるべき歴史の重みを見すえることができるのかとも感じています。
 年齢、容姿、体形、「女子力」、パートナーの「スペック(!)」、結婚しているかいないか、子どもの有無----資本のイデオロギーは常に女性を値踏みし、競争させ、分断しようとしてきます。
 このような社会が、男性からも人間らしい生を奪うのは必然でしょう。私はこの現実を変えたい。みなさんはどう考えますか?

このエントリーをはてなブックマークに追加