新やぐら裁判 市東孝雄さんらが証言 NAAの違法性を追及

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週刊『前進』04頁(3104号03面03)(2020/02/03)


新やぐら裁判
 市東孝雄さんらが証言
 NAAの違法性を追及

(写真 天神峰畑の一角に建つやぐら)


 1月22日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で、新やぐら裁判が開かれた。請求異議裁判控訴審が緊迫した状況を迎えた中で、三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、支援は、農地強奪攻撃を打ち砕く決意も新たに、この日の法廷に臨んだ。
 この裁判は市東孝雄さんの天神峰農地に建つ反対同盟所有のヤグラ・看板などの4つの物件について、成田空港会社(NAA)が「収去と土地の明け渡し」を求めて提訴したものである。だがそもそも、NAAが「旧地主から土地を取得した」としていることが、とんでもない違法・無効であることが重大争点だ。
 今回は午前から夕方まで萩原富夫さん、市東孝雄さん、太郎良陽一さんの反対同盟3氏をはじめ4氏が証言台に立った。4氏はそれぞれの立場から「そもそもNAAが市東さんに農地の明け渡しを求める資格などない。したがってやぐら・看板の収去を求める権利もない」ことを明らかにする証言を行った。
 4氏の圧巻の証言がすべて終わったのが午後4時47分。法廷はこれで終わらず、ここから第2ラウンドの激しい攻防が始まった。
 敵性証人を一切調べようとしない内田裁判長に対して、顧問弁護団は「浅子直樹証人だけは絶対に調べよ」と迫った。浅子は買収当時、空港公団用地部の要職にあったことが推察され、用地交渉の具体的中身や空港公団の方針を知るキーマンである。証言は必要不可欠だ。ところが内田裁判長は、「それなら他の証人については申請を撤回するのか」とふざけたことを言い、法廷内の怒りは一気に爆発した。
 弁護団は入れ替わり立ち替わり浅子証人の必要性を説き採用を迫った。しかし内田裁判長は「できない」の一点張り。弁護団は引き下がらない。葉山岳夫弁護士を先頭に迫力を増して、ここから粘りを発揮した。
 論の限りをつくした弁護団の追及の前に内田裁判長は証人採用しない理由も言えなくなり、NAA側は「従前通り」を繰り返した。法廷内の怒りは頂点に達し、萩原さんは「浅子を呼べばいいだけのことだ」と声を荒らげ、市東さんもNAA代理人の不誠実な態度に怒りをあらわにした。
 時刻は午後5時58分。内田裁判長は、むりやり議論を打ち切り、怒号の中で弱々しく閉廷を宣言した。
 裁判が終わっても一同の怒りや興奮は冷めやらない。裁判所のロビーで簡単な総括を行い、顧問弁護団事務局長の葉山弁護士が「いずれも非常に優れた的確な証言をしてくれた。浅子証人の採用をさらに徹底的に追求したい」と決意を述べた。

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三里塚闘争裁判日程
◎団結街道裁判
 2月7日(金)午前10時30分開廷 千葉地裁
◎第3誘導路裁判
 3月10日(火)午前10時30分開廷 千葉地裁
 (2月3日の耕作権裁判と市内デモは中止になりました)

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