2・16国鉄集会に結集を 「労組なき社会」許さない JR「ジョブローテーション」粉砕へ

週刊『前進』02頁(3107号01面01)(2020/02/13)


2・16国鉄集会に結集を
 「労組なき社会」許さない
 JR「ジョブローテーション」粉砕へ


 国鉄闘争全国運動が主催する2・16国鉄集会は目前に迫った。これは1987年の国鉄分割・民営化による労働者の解雇を撤回させるための集会だ。また、全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧に反撃し、JRが先頭で進める「労働組合のない社会」づくりと真正面から対決する集会だ。JRでは「新たなジョブローテーション」をめぐる大攻防が始まった。2・16集会に集まり、闘争陣形を整えよう。

経団連方針を先頭で実行

 経団連の「2020年版経営労働政策特別委員会報告」は、「働き方改革フェーズⅡ」を進めて、日本型雇用を最終的に解体すると叫んでいる。
 そのために打ち出された柱の一つが、「働き手一人ひとりの自発性と主体性を高める『エンゲージメント』の向上」なるものだ。同報告によれば、「エンゲージメント」とは、「働き手にとって組織目標の達成と自らの成長の方向性が一致し、仕事へのやりがい・働きがいを感じる中で、組織や仕事に主体的に貢献する意欲や姿勢を表す概念」とされている。そして、「エンゲージメントの向上」のためには、「個々の働き手自らによる自律的なキャリア形成と能力開発が重要となる」と言う。
 要は、資本の経営方針を労働者が完全に内面化し、その達成のために身を粉にして働けということだ。そこでは、労働組合の存在はもとより、「俺たちと経営者とは違う」という、最低限の労働者意識さえ一掃することが目指されている。
 この方針を最先頭で実行しているのがJR東日本だ。JR東日本が今年4月に実施しようとしている「新たなジョブローテーション」は、運転士や車掌の職名を廃止し、これらの職に従事できるのは「最長10年」とすることで、労働者を好き勝手に配転するというものだ。
 JR東日本は昨年秋、「新たなジョブローテーション」の実施を前提に、各労働者と現場の管理者との「個人面談」を行った。JRはこれを、個々の労働者が「キャリアプランを練り上げ」「将来希望について『いつの時点で何をするのか 』を詳細に描く」ものと位置づけた。「運転士や車掌を続けられるのは10年」とすることで、望みもしない職種転換を強制的に表明させようとしたのだ。
 労働者を分断し、競争を強いて、資本の意のままに扱うことが、その狙いだ。そして、競争をくぐり抜けたごく一部の労働者を管理職に登用する一方、管理職になれない膨大な労働者を子会社・関連会社に転籍させようとしているのだ。「新たなジョブローテーション」のもとでは、子会社への転籍も、労働者が自ら描いた「キャリアプラン」の実現であるかのような形で強制されかねない。
 JRの運転職場では、4月以降、自分がどの職場に飛ばされるかわからないという不安が渦巻いている。同時に、運転士や車掌の職責の重さを否定し、労働者の誇りを踏みにじる資本への怒りもまた存在する。
 経労委報告は「自律的」だの「主体性」だのという言葉をペテン的に乱発する。しかし、同報告が言う「エンゲージメントの向上」を先行実施しているJRの現実を見れば、それがどれだけ凶暴なものであるかは、はっきりする。
 だが、攻撃の凶暴さは、動労千葉・動労総連合の闘いが厳然と存在していることの反映でもある。
 新年冒頭の旗開きで、動労千葉は「ジョブローテーションの4月実施に断固として反撃する」と宣言した。その訴えが労働者の心をとらえ、JR全体に波及することを資本は恐れている。だからJR資本は、JR東労組をさらなる分裂に追い込んで、「労働組合のない社会」に向けての攻撃をさらに強めているのだ。

鉄道の安全を破壊するな

 労働組合を解体し、「社友会」のような組織で職場を支配することも、経労委報告が打ち出した方針の柱だ。同報告は、「社員との個別的労使関係を深めていくことが重要」と言う。労働組合との交渉で労働条件を決めるあり方から脱却すると言うのだ。
 「労働組合のない社会」とは、労働者だけでなく利用者・顧客の命もないがしろにする社会だ。労働組合をつぶした上でJRが強行しようとしている「ジョブローテーション」は、運転士や車掌を10年経験したら別の職種に変われという。ベテランはいらないということだ。だが、運転士や車掌は、経験を重ねることで技量を培い、列車の安全運行を保っている。その運転士・車掌の仕事を、JRは「事務職」に位置づけ、昨年3月のダイヤ改定では、支社の管理職が片手間で運転に従事することも始まっている。
 これでは鉄道の安全は保てない。動労千葉・動労総連合は、運転保安確立の立場から「ジョブローテーション」粉砕の闘いに立っている。それは、乗客の命を預かり安全に輸送するという鉄道労働者の誇りをかけた闘争だ。動労千葉・動労総連合は、実際の闘いに立つことを通して、「労組の団結を取り戻そう」と全労働者に呼びかけている。
 それはまた、JRを先頭にした経団連の攻撃に真っ向から立ち向かうものでもある。経団連が狙っているのは正社員をなくして全労働者を非正規職にすることだ。だからJRは、正社員の象徴である運転士や車掌を真っ先に攻撃の対象にしてきたのだ。これとの闘いは、資本家総体のもくろみを打ち破る位置にある。
 2・16集会に集まり、国鉄分割・民営化を撃つとともに「労組なき社会」と「ジョブローテーション」を許さない闘いに立とう。

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