3・29三里塚へ 反対同盟から大結集の訴え

発行日:

週刊『前進』04頁(3114号03面01)(2020/03/09)


3・29三里塚へ
 反対同盟から大結集の訴え


 三里塚芝山連合空港反対同盟の4氏による、3・29全国集会への結集を呼びかけるアピールを紹介します。これに応え全国から大結集しよう。(編集局)

農業を続ける決意は不変
 敷地内天神峰 市東孝雄さん

 みなさんの日ごろからのご支援に感謝します。
 私の農地に対する強制執行を阻むための請求異議訴訟は、東京高裁での控訴審がいよいよ大詰めを迎えています。父の後を継いで、天神峰の地で誇りをもって完全無農薬・有機農業を営んできました。毎年50種類を超える野菜を栽培し、消費者のみなさんのもとに届けてきました。だがまったく理不尽にも、NAA(成田空港会社)は私に農業をやめ農地を明け渡して出ていけと迫っています。
 天神峰と南台の土地は、祖父が開墾しておよそ100年、わが家が耕し続けてきた場所です。NAAの前身である空港公団は、耕作者であり「空港絶対反対」を掲げて闘っていた父にばれないように、前の地主と秘密交渉を行い底地を買収しました。そして15年も登記もせずに放っておいて、突然私に出ていけと言い出したのです。こんな卑劣で違法な手口で人を欺き、農地を奪うことなど絶対に認めることはできません。
 「金をもらって農業をやめろ」という反動判決に従うつもりはありません。どんな判決が出ようと、私は体の続く限りこの地で農業を続けます。その気持ちに迷いはありません。
 原発事故の放射能と闘う福島、米軍基地に反対して声を上げる沖縄の方々と、私の気持ちは同じです。理不尽な国策で人々の生活が踏みにじられることに反対します。関西生コン支部への弾圧に怒りを覚えます。3・29に集まり、共に「戦争反対、軍事空港反対、農地取り上げ阻止、安倍打倒」の声を上げましょう。

筋を曲げず正義を貫こう
 敷地内東峰 萩原富夫さん

 市東さんの農地をめぐる請求異議訴訟控訴審が東京高裁で、また新やぐら裁判も千葉地裁で結審を迎えようとしています。反動判決となれば、直ちに農地強奪攻撃との直接対決になる情勢です。みなさんの支援・協力がますます頼りになります。国とNAA側は、裁判で脅せば農民は出ていくだろうと高をくくっていた。しかし今は「十数年かけてもまだ土地がとれない」と悲鳴を上げていることでしょう。この「根比べ」にこちらから音を上げるわけにはいきません。
 空港公団による用地取得のやり方はあまりにも違法でデタラメでした。3代100年耕してきた農地は農民のものであり、後から来た空港に奪われるいわれはまったくない。真理は単純明快です。とことん農民・人民の正義を貫き、筋を曲げずに闘わねばなりません。「あきらめない、めげない、揺るがない」が反対同盟の信条です。
 新型コロナウイルス問題で一気に航空需要は落ち、成田の「年間発着50万回」という目標が無意味化しました。住民とともに必ず空港機能強化策を白紙撤回に追い込みます。
 人間の生活を根本から支えるのは食糧であり、それを生産するのが私たち農家です。ウイルスの脅威に打ち勝つためにも、ぜひ私たちの産直の完全無農薬・有機野菜を食べて、十分に滋養をつけてください。
 闘いのすそ野を広げて3・29に結集し、共に安倍政治を打ち破りましょう。

安倍打倒へ腹固め闘う時
 事務局員 伊藤信晴さん

 安倍政権お気に入りの東京高検検事長を次期検事総長にするために定年を延長するなどということが起き、市東さんの裁判だけでなく、日本の司法が中心からひどいことになっていると感じます。今こそ「安倍打倒」の腹を固め、信念を貫き闘う時です。
 反対同盟ニュースを手に芝山地区を回って空港反対を訴えると、半ばあきらめている人も少なくない。しかしみな、ふるさとの水、空気、土を守り、この地で自分の人生を全うしたいというささやかな願いさえも押しつぶそうとする空港に怒りを持っています。
 新年初の敷地内デモには茨城県A市の住民が2人参加しました。成田空港を離陸したジェット機は利根川を越えると高度も飛行ルートも平気で変えて、ものすごい騒音をまき散らしてA市上空を旋回する。落下物被害もある。さらに機能強化で3本目の滑走路が造られたらどれだけひどくなることか。最低でも空港周辺と同じ騒音対策をしろ!と声を上げているそうです。
 生きていく上で絶対に譲れないものがある。市東さんの生き方はその神髄を表しています。福島も沖縄もそういう姿勢で闘っているし、動労千葉も解雇攻撃を認めず闘い、関西生コン支部も弾圧に屈していない。そういう生き方が人々の心をとらえる時代だし、戦争と軍事空港を阻む力があると思います。3・29にその力を結集しましょう。

強制執行阻む勢い示そう
 事務局員 太郎良陽一さん

 3・29全国集会に向けて、それぞれの団体で市東さんの農地を守るために何ができるかを考え、何か一つできることをやっていただきたい。NAAや国に対して具体的な闘いを追求してほしい。学習会、ビラまき、援農、何でもいいんです。強制執行を許さないという勢いを表現する、自分がやれること、やりたいことがあるはずです。
 今年の旗開きには飛び入り参加がありました。国家権力によって築かれた壁をぶち破って三里塚闘争への合流が始まっています。もう一度三里塚闘争を拡大できる新しい情勢です。
 改めて三里塚闘争が何であったのかはっきりさせる責任が反対同盟にはあります。社会を変えるための三里塚。空港建設ではなく農地を守る。シンプルなことなんです。人間が生きていくために必要な根本である野菜作りや農地を大切にする。資本主義社会で必要とされるスキルとは違うんです。最も深く、人間が生きていくために必要な単純なことをやっている。それがすごい闘争になっている。そう考えると政治的な「解決」はありえないんです。
 先日、市東さんの農地を守る会・茨城の総会に参加しました。動労水戸が核となって地域に根付き闘っています。国家の分断攻撃をトータルにとらえて自分の足元を大事に運動を進めてほしい。三里塚で反対同盟と交流しましょう。3・29集会に集まりましょう。

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